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2016年07月24日13:01

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オールスターガラ Aプロ

2016/7/23土 14:00- 東京文化会館

ジャパンアーツの夏のバレエ・ガラ、Aプロ初日に行って参りました。

辛口で申し訳ありませんが、全体的には、S席27,000円の価値はやはりなかったかなという印象。芸術監督:ラトマンスキーとなっていたが、彼は一体何をしてくれたのでしょう?来日もしてないのでは。そのあたりに余計なコストがかかっていそうです。まあ、これだけの大御所の出演演目と順番の調整をするには、彼のようなビッグネームの名前が必要そうですが。

ただし、ザハロワ、フェリ、ロパ様は、やはり観ておくべきだったと思いました。そういう意味では、バレエファンにとっては見逃せない公演でもあったと思います。あと、シティフィルの演奏はロイヤルの来日公演時よりだいぶよかった。オケも含めて、リハーサルをちゃんとしたように感じられるところには好印象を持ちました。

指揮:アレクセイ・バクラン
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


◆「カルメン」(振付:A.アロンソ)
ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ

オープニングにロパ様。会場があたたまりきっていないこともあって、あまり集中できなかった。アロンソ版のカルメンは特に男性パートが余り好きではないのだけど、過去一度だけ、フェリとボッレが踊ったときは面白いなと思ったのでした。エルマコフは頑張ってたけどちょっと似合わない感じ。

◆「ジゼル」(振付:M.プティパ)
ニーナ・アナニアシヴィリ、マルセロ・ゴメス

ニーナ、もう古典を踊れるテクニックはないみたいで悲しくなった。振りは省略しているわ足は上がらないわで、これを人前で踊ってはいけないのではと思うレベル。好きなダンサーだったからこそ引き際はわきまえてほしい。

◆「Tango y Yo」(振付:コルネホ)
エルマン・コルネホ

振付は他愛無い感じだったけど、エルマンは可愛い♪リズム感もいいし、きれいだし、彼の踊りは好きだわー。

◆「トリスタンとイゾルデ」(振付:K.パストール)
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン

ザハロワが出てきた瞬間に会場の空気が変わった。圧倒的な存在感。動きが物凄く大きくて、体で支配している空間の大きさが半端ない。ザハロワは女王様だと思ってはいたけど、こんなにステージ上から強いオーラを発しているのは初めて観た気がした。彼女、マリインスキーで正しく姫をやっていたときより今の方が断然魅力的だと思う。ボリショイ的に押し出し強い踊りの方が、性格にも合っているんじゃないかな。ただし、トリスタンとイゾルデの間に本来存在すべき愛は全く感じませんでした^^;

◆「レクイエム」(振付:K.マクミラン)
アレッサンドラ・フェリ
ソプラノ:安藤赴美子

レクイエムのピエ・イエズの音楽と本当に一体化したようなフェリの踊りは、ザハロワとは全く違う意味で神々しくて最初涙が出そうになった。この程度の振付なら全く問題なく踊れるテクニックがまだあるとは、本当に驚異の50代。
ソプラノの安藤さんの歌がオケよりも4分の1くらい(?)キーが高くて、しかもそれを敢えて合わせずに最後まで突っ走ったもんだからもう生理的に気持ち悪くてたまらなかった。なぜにオケに音程を合わせない?踊りへの集中力をそぐような歌なら、録音の方がいい。

◆「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(振付:G.バランシン)
ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

マチアスの踊り、本当にノーブルで美しくて大好き!ただーし、ジリアンとマチアスってなんか全くタイプが違ってペアとしてはちぐはぐな感じでした。ジリアン自体をそんなに悪いとは思わないけど。バレエってパートナーシップが本当に大切だと思う。マチアス、エトガラで観たかったよう(T T)

◆「トッカーレ」(振付:M.ゴメス)
カッサンドラ・トレナリー、マルセロ・ゴメス [ヴァイオリン:小林美恵、ピアノ:中野翔太]

すんごい難しい振付だなぁと思った。カッサンドラ・トレナリー、初めて観る(コールドとかで過去に出てたら別だけど)と思うけど、可愛くてパワフルでいいなあ。ちょっとフィギュアスケートのグレーシー・ゴールドみたいだと思った。
ゴメスってどちらかというと好きなダンサーのはずなんだけど、ガラで選ぶ演目っていつも今一つな感じがする・・・。

◆「グルックのメロディ」(振付:A.メッセレル)
ウリヤーナ・ロパートキナ、アンドレイ・エルマコフ

作品の意図は分からないけど、白い薄い布を持ったロパ様がエルマコフにリフトされて踊る作品。ロパ様の、常に微風がふいているような滑らかな動きと白い布が響き合って、鳥肌立つほど美しかった。

◆「海賊」より寝室のパ・ド・ドゥ(振付:K.セルゲーエフ/A.M.ホームズ)
ジリアン・マーフィー、マチアス・エイマン

マチアス、リフトとサポートしかしないなんて!なんて無駄遣いなの?!以上、の作品でした。

◆「ロミオとジュリエット」第3幕より寝室のパ・ド・ドゥ(振付:K.マクミラン)
アレッサンドラ・フェリ、エルマン・コルネホ

これ、凄くよかった。フェリは、特別なことは何もしていないのにそこに立っているだけでジュリエットそのもの。踊りも本当に演技の一部に見える。彼女が女優ダンサーと言われる所以はこれか、と納得。彼女の現役時代のマクミラン全幕を観ていないのが心底残念です。エルマンとのパートナーシップも素晴らしい。

◆「瀕死の白鳥」(振付:M.フォーキン)
ニーナ・アナニアシヴィリ
チェロ:遠藤真理、ピアノ:中野翔太

最初のジゼルがひどかったのでどうなることかと思ったけど、それよりはマシだったのでほっとした。瀕死はいろんな表現ができて、どれでもそれなりに納得性がある作品だと思う。

◆「海賊」(振付:M.プティパ)
スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン

すんばらしかったです。ザハロワのザ・グランパドドゥって久々に観たけど、まあ何と女王様風なものの似合うことか。テクニックも完璧だし!連続フェッテ、軸足のブレが少ない!ロブーヒンが奴隷っぽくて、これは二人とも役にとても似合っていた。ブラヴォー!
そういや、カーテンコールでザハロワがまだ前にいるのに幕が下りてきそうになって、それでもザハロワは微動だにせず笑顔で立ち続け、幕の方が彼女にかかるまえに止まりました。幕まで止めてしまうザハ様の女王っぷりに笑った!


以上。Bプロは水曜日の予定です!
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