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2016年07月23日09:09

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ハンブルクバレエ ジゼル

2016/7/16土 20:00- ハンブルク州立歌劇場

Giselle
Fantastic ballet in two acts
by Jules Henri Vernoy de Saint Georges, Théophile Gautier and Jean Coralli

Music: Adolphe Adam
Peasant Pas de deux - Friedrich Burgmüller
Traditional Choreography: Jean Coralli, Jules Perrot, Marius Petipa
Staging, New Choreography: John Neumeier
Set, Costumes: Yannis Kokkos

Giselle: Cojocaru as Guest,
Duke Albert: Trusch
Myrtha: Laudere,
Hilarion: Jung
Peasant Pas de deux: Sugai, Azatian
Zulma: Arii,
Moyna: Ishizaki
Berthe: Vracaric,
Bathilde: Mazon
Prince of Courland: Bertini,
Wilfrid: Fuhrman

Conductor: Simon Hewett
Hamburg Philharmonic State Orchestra

ハンブルクのバレエ週間、全幕もののラストはジゼルでした。作品、キャストともに、素晴らしい公演でした。

ノイマイヤー版ジゼル、音楽も、それから振付も、古典のものをかなり多く残してあります。違うところは少ないんだけど、その違いが凄く作品に強い影響を与えている(バレエ団のダンサーさんの言葉借りてます)。

1幕では、母親にだいぶ脚色が加えられてます。彼女は盲目の存在で、ジゼルはその母を気遣うことで優しい少女だということが強く印象づけられます。また、どうやらジゼルの母とアルブレヒトの父親である伯爵(?)は昔何かの関係があった設定らしく、二人が出会ったとき一瞬固まったり、あと、ジゼルが連れてきたアルブレヒトの顔を触って(盲目なのでそうやって造形を確かめているのだと思う)、おそれおののいたりしていました。

今書いてて気が付いたけど、もしジゼルが伯爵との間の子供だとしたらアルブレヒトとは腹違いの兄弟ということになるのでは・・・。その設定はエグすぎるか・・・。ん、でもだとしたら、アルブレヒトが生き残って他の人と結ばれたとしてもまだ許せるのか?それが狙いなのかしら。

それはさておき。あともう一つの大きな違いは、ウィリの描き方ですね。2月の感想でも書いたけど、ウィリは単なる団体じゃなくて、彼女たちにも心が残ってて一人一人過去があるみたいに感じるのです。

さて、ジゼルはコジョカル、アルブレヒトはトルシュ。コジョカルのジゼル、以前に東京バレエ団の客演で観たときは今一つしっくりこなかったのですが、今回はとてもいいなと思いました。直前にロイヤルのジゼルを観ていたせいもあるかな。彼女のジゼルは、基本、ロイヤルのジゼルだと思います。演劇性が高くて、2幕も精霊感よりも演技が大事で少し生身っぽい。ロイヤルの来日公演で、マリアネラとオシポワという超絶な二人を観てしまっていたので、それに比べるとコジョカルはテクニック盤石というより、情感で見せるダンサーに見えました。

この公演は、ウィリ達が素晴らしかったです。全員の心が一つになって、ウィリになりきっていた。ハンブルクでは珍しいことに、コールドの群舞で拍手が出たりしていました。ドゥ・ウィリは、有井さんと石崎さん。この二人がとにかく、テクニックも凄いし情感も凄いし、本当に良かった。実は、石崎双葉さんは今シーズン限りでハンブルクバレエを退団、この日が最後の全幕の出演でした。彼女をいい舞台で送り出してあげようという、ダンサーの皆さんの気持ちがこういう形になったのではないかな・・・。彼女、カーテンコールでもたくさん花束をもらってました。ファンからも、同僚のダンサーからも、本当に愛されていたんだなと思います。もちろんジョンやケヴィンからも!

この日の有井さんと石崎さんは私以外の観客にも印象的だったらしく、有名なdansomanieのアカウントが彼女たちを写真つきで褒めてましたねー。嬉しいっ!

それ以外でよかったのは、ペザント・パドドゥを踊ったカレンと円加ちゃん。二人とも盤石なテクニックだけど音感よくて気持ちいい!あと、笑顔がとっても可愛い。楽しかったです。

あと、ミルタのアンナもよかったな。ロイヤルのジゼルはとてもよかったのですが、ミルタの迫力がないのだけが残念と思ってたのです。アンナはとても存在感があって冷たくて、そしてどこか哀し気で、ミルタにはぴったりでした。

アルブレヒトのトルシュ。1幕は演技も可愛くていいなーと思ったんですけど、2幕みて、うーんとうなってしまった。彼、バリバリの古典をちゃんと踊れるダンサーじゃないんだなあ。ハンブルクの中ではかなりテクニックがある方だと思うんですけど、2幕は踊れてなかった。2月に観たサーシャは完璧だったし、あと、ロイヤルのダンサーと比べちゃってるから点が辛めなのかもしれないけど。若手だったらこの役はクリストファーで観たいです。

ところで、ヒラリオンはカーステンだったんですけど、コジョカル&トルシュ vs カーステンだと、まるで彼が父親くらいの年齢に見えて。1幕は村の村長のオヤジが若い村娘ジゼルを手籠めにしようとしてて、それをアルブレヒトが一生懸命守ってるという違う話に見えちゃって仕方ありませんでした^^; これはさすがにもう少し若手にした方がよかったんじゃーないですかねー。シルヴィア&サーシャ vs カーステンだと、そういう感じはなかったです。

今回の公演もよかったけど、またシルヴィアとサーシャのジゼルが観たくなっちゃった。来シーズン一回くらいは踊りそうだけど、日程的に難しいなあ・・・。

2月のシルヴィア&サーシャのジゼルの感想はこちら↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1950553951&owner_id=2438654
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