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2016年07月23日07:55

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ハンブルクバレエ ドゥーゼ

2016/7/15金 19:30- ハンブルク州立歌劇場

Duse – Choreographic Fantasies inspired by Eleonora Duse
Ballet by John Neumeier

Music: Benjamin Britten, Arvo Pärt

Eleonora Duse: Ferri as Guest
The Servant (Désirée von Wetheimstein): Bouchet
The Soldier (Luciano Nicastro): Trusch
His Friend (Annunzio Cervi): Radtke
The Mentor (Arrigo Boito): Jung
The Seducer (Gabriele D'Annunzio): Azatyan
The Friend (Isadora Duncan): Laudere
The Rival (Sarah Bernhardt): Azzoni
Her Audience: Jubete

Conductor: Simon Hewett
Hamburg Philharmonic State Orchestra

金曜日の夜は、ノイマイヤーの最新作、フェリに振り付けられたらドゥーゼでした。

主役はフェリ、彼女を取り巻く4人の男性に、カーステン(ユング)、トルシュ、カレン(アザチャン)、マーク(ジュベテ)。ライバルのサラ・ベルナール役にシルヴィア。

ストーリーはシンプル。女優Duseと、彼女の人生に絡んでいた男性達の関係です。1幕は彼女の若い時代から死まで。そして2幕はおそらく死後のDuseの心象世界。

最初に出てくる若い恋人、Soldierはトルシュ。彼との恋愛は一番幸せそう。その関係性は女優ドゥーゼの姿にオーバーラップされ、二人でロミオとジュリエットの衣装で踊ります。でも彼はおそらく戦場に行ってしまい、死んでしまう。

指導者Mentorはカーステン・ユング。彼は終始ドゥーゼに想いを寄せているようでしたが、彼女は彼を恋愛象としては受け入れていないようでした。でも信頼できる関係。

そして一番印象的な関係は脚本家ダヌンツィオとのもの。Seducerという役名のとおり、彼はドゥーゼを魅惑しますが決して彼女を丁寧には扱わない。むしろ彼女のライバル、サラ・ベルナールの方に近づいていく。それでも時々彼女のもとにやってくるが、二人の間には常に緊張感があって愛し合いながら火花を散らすような関係。この表現は、今までのノイマイヤーには余りなくて面白かったな。

彼らとの関係が一通り表現された後、ドゥーゼが死んで1幕が終わり。2幕は衣装が極限までシンプルになり、彼女の中で彼らとの関係がもっと精神的な形で振り返られている感じでした。振付は、ずーっと4人の男性たちで彼女をリフトしている感じで、うーん。もう少し直接的で分かりやすい部分も欲しかったな・・・。

最新作で、音楽もブリテンとペルト、そしてフェリに振付けるということでとても期待していたんですが。作品としては、物凄く好きとはいえなかったというのが素直なところ。

全体的に、ダンスと演劇の中間のような作品です。踊りといえるところは少なくて、むしろmovementというべきか。私はそもそもダンス好きなので、そこでちょっと不満を感じます。

テーマも、彼女を取り囲む様々な愛の形を表現していて、まあそれはいいような気がするのですが、今一つそれが深みを伴って自分に届く感じではなかった。ドゥーゼという人はそれまでの大袈裟な演技から自然な演技という新しい表現を生み出した女優さんのようだったので、どうせなら様々な愛を経て成長するとかにしてくれた方が面白かったかも。(偉そうですみませんすみません)

まあ、まだ上演回数も少ないせいで十分こなれていないのかもしれないです。ジョンの作品は、演じる側にとっても咀嚼して表現できるようになるまで、新作の場合は結構時間がかかるみたいなので。

さて、作品でなくてダンサー。こちらはなかなか素晴らしかったです!

フェリは驚異的でした!激しい動きはないものの、多用されるリフトでの姿勢の美しいこと!そしてあの年齢なのに、顔にはシワはあるのに、それでも愛らしい。数々の男性たちに囲まれたドゥーゼの苦しい人生は、彼女自身の人生の縮図なのかな、とも感じられました。

女優の役ということで、彼女がいろいろな役を演じるのですが、その中には椿姫のマルグリットも。まさにノイマイヤー版椿姫のあの有名なパドドゥの一部が出てきたりして。フェリのマルグリットを昔観た人は、すごくよかったというんですよねー。観たかったなあ。

出待ちでフェリにサインをもらいつつ(ミーハーですみませんーでも日本では絶対近づけなさそうだし!)、私達日本から来たんですと伝えたら、すぐ東京に行くわエルマンと!って、にっこりしてくれた。そう、楽屋口から可愛い男の人と一緒に出てきたと思ったら、エルマン・コルネホでした。彼もハンブルクに来ていて、ニジンスキーガラでも踊ったし、おそらく二人で東京のガラのリハもしていたんではないかと思われます。

さて、男性陣ではカレンがピカ一でした。彼、踊りも演技も上手いし、セクシーだし、カウフマン似のイケメンだし、次世代ダンサーな中では私のイチオシです!。途中、パンツ一枚になってナルシスチックなポーズをとるシーンがあるのですが、彼の肉体美を堪能させていただきました。日本には怪我で来れなかったのが心底残念。真夏でディミトリアスを踊る予定だったんですよねー。結局サーシャが代役をつとめてくれたので私的にはどちらにせよ楽しかったんですが。

公式サイトより、カレンの写真。これ、余り写りがよくない。実物はもっといい男です。
http://www.hamburgballett.de/images/portrait/azatyan.jpg

シルヴィアはサラ・ベルナール役。シンデレラ・ストーリーのところでも書いたけど、これも大人っぽい役できれいだった!彼女はいたいけな少女からセクシーな大人の女性まで、演技の幅が広いなーと思います。出待ちで会ったら、東京で会おうね!って言ってくれました〜。

あと、なかなかよかったのが、ドゥーゼの友人、イサドラ・ダンカン役を演じたラウデール。彼女、こういうちょっとコンテっぽくて迫力が必要で、しかも悲劇的な役は本当に似合うわー。存在感があってとてもよいです。
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