そして、いよいよクライマックスの第三部です。
Part III
excerpt from Désir – for V.V.
Music: Alexander Scriabin
Choreography: John Neumeier
Silvia Azzoni, Carsten Jung
前回のエトガラでサーシャとシルヴィアが踊ったデジールを、シルヴィアとカーステンで。カーステンにあの繊細な踊りが似合うのか心配だったけど、さすがにハンブルクのプリンシパル、そこは何の心配もいりませんでした。シルヴィアが神々しいほど美しくて心を打たれました。踊りも強靭、そして滑らか。サーシャとシルヴィアが二人で踊ってると、サーシャの方が強い気を発していてついついそっちに目をとられてしまう私ですが、他の人と踊ってるとシルヴィアの存在感をとても強く感じます。
excerpt from Le Corsaire
Music: Riccardo Drigo
Choreography: Marius Petipa
Alina Cojocaru, Herman Cornejo
コジョカルとコルネホの海賊のパドドゥ。日本ではガラというとこういうものがメインかなと思いがちですが、ハンブルクバレエのガラではかなり異質な存在。でも、それがかえって観客に大受けで、拍手もひと際大きかったです。これ見てて、久々にコジョカルっていいな!って思った。昔、彼女を初めてバレエフェスで観たときに、何て楽しそうに踊るんだろうと思ったことを久々に思い出しました。彼女自身も、楽しんで踊っていたのではないかなあ。私は、眉間にシワを寄せているような役を踊っているより、踊る喜びが全身から発せられている彼女の方が断然好みです!コルネホも美しかった!
excerpt from Illusions – like "Swan Lake"
Music: Peter I. Tchaikovsky
Choreography: John Neumeier
The King: Ivan Urban
Princess Natalia: Carolina Agüero
The Man in the Shadow: Dario Franconi
私も大好きな作品の一つ、「白鳥〜幻想のように」から、ナタリアとのすれ違いの哀しいパドドゥ。この作品、サーシャとティアゴの主演は観たことあるけど、イヴァンは初めて。カツラをつけて登場(さすがにルートヴィヒ役だと髪がないのはまずいのね・・・)、それはイマイチ似合ってなかったけど、この人は動きやスタイルが本当にきれいだなぁと思いました。最近ほとんど踊ってないので、踊りは少しあやしいところもあったけど、役に気持ちはこもっていたので許す。この作品、しばらく上演されていないのですが再演してほしいです。
excerpt from Bells
Music: Sergei Rachmaninoff
Choreography: Yuri Possokhov
Victoria Jaiani, Temur Suluashvili
ジョフリーバレエの長身の美しいペアによるしっとりしたパドドゥ。きれいで飽きなかった。でも、どんなストーリーのどの部分なのかは全く分かりませんでした・・・。
Entwine
Music: Philip Glass
Choreography: Russell Maliphant
Alessandra Ferri, Herman Cornejo
フェリとコルネホのマリファント作品、Entwine。これ、既視感があったのですが・・・ギエムかしらと思ってググっても情報見当たらず。でもすごくよかったです。フェリは女優ダンサーと言われてるけど、明確なストーリーのないコンテも素晴らしい!二つの体が創り出す滑らかなフォルムの変化。惹きつけられました。
excerpt from Nijinsky
Music: Frédéric Chopin, Dmitri Schostakowitsch
Choreography: John Neumeier
Vaslav Nijinsky: Alexandre Riabko
Romola Nijinky: Hélène Bouchet
Stanislav Nijinsky: Aleix Martínez
Bronislava Nijinska: Patrizia Friza
Nijinsky as Petrushka: Lloyd Riggins
and Ensemble
そして、ニジンスキーからの抜粋。「ノイマイヤーの世界」ガラで上演された部分とほぼ同じ。この作品に入る前にノイマイヤーが9月に再演することを話すと、会場から拍手が。みんな待ってたんだよね。
サーシャのスタート時の集中力は日本公演以上で観る方も息ができないくらいだった。彼のこの役に対する思い入れはやっぱり半端ないと思う。見てるといつも、本当に彼自身が狂ってしまったのではないかと心配になる。そしてロモラ役のエレーヌも素晴らしい。アンナ・ポリカルポヴァの当たり役でもあったけど、アンナよりもエレーヌの方が耐える女のイメージが強く、ニジンスキーとのすれ違いはより哀しく見える(アンナはいいとこのお嬢さんだったロモラの元のイメージに近くて、それも好き)。そしてパトリシアのニジンスカ、強くてかっこよくて大好き!ロイドの哀しいペトルーシュカも含め、このキャストが9月再演でそのまま見られますように!(チケットとっちゃったし)
excerpt from VIVALDI or What you will
Music: Antonio Vivaldi
Choreography: John Neumeier
Ensemble
重苦しいニジンスキーの後は、打って変わって明るいフィナーレ。ヴィヴァルディの音楽に載せて、シェイクスピア・ダンスという作品の最後の、シルクハットと赤鼻で全員が踊る楽しい作品。ついさっきまで狂気の淵に沈んでたのに衣装そのままでシルクハットと赤鼻つけただけでニコニコしながらお茶目に踊れるサーシャ、あなたのその切り替えの早さはほんと、なんなんですか・・・!サーシャとシルヴィアが真ん中で全ダンサーがステージに出てきておしまい!
カーテンコールではソロを踊ったダンサーに大きな大きな花束が渡されて、滝のような紙吹雪。これで休暇になるので、ダンサーもみんな嬉しそう。終演後は劇場の中でパーティーだそうで出待ちもできなかったけど、本当に楽しい楽しい公演でした。
ありがとう、そしてお疲れ様、ジョンとハンブルクバレエ!来シーズンも楽しみにしています。
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