お父さんみたいなタイプかな

「お父さんみたいな人と結婚する！」　父親が女性の恋愛観に与える影響
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高校時代は荒れて手に負えない娘でした。

万引き・無断外泊・家出など一通りの非行をして親を散々苦しめてくれました。

万引きが発覚して、娘を連れてコンビニに行ったときのこと、

土下座して謝罪する僕を見て娘は非常にショックを受けた様子でした。

成績も超低空飛行、

高校卒業後、やっとのことで入った三流大学も半年続かず退学。

フリーターをしていたとき、一緒に犬の散歩によく行きました。

そしてある時「お父さん、わたし留学したい」と言い出しました。

ある程度予想はしていたのです。

このまま日本で暮らしていてもこの子は目標も見つからず、

相変わらず自信もなく劣等感に塗れて生きていく他ないんだろうなと。


娘の決心が固いことを確認して僕は背中を押してやりました。

カミさんは日本でダメな子が外国でやっていける訳がないと反対。

これが娘の最後のチャンスかもしれないと見た僕はオーストラリアに送り出しました。

それからの苦労は並大抵ではなかったようですが、

娘はただの一言も弱音を吐くことはありませんでした。

１年間の英語学校のあと、モナーシュのファインアートを卒業、

現地のアートスタジオで働き始めました。

以前の頼りなげで弱弱しいかと思えばすぐにキレる少女ではなく、

自信に満ち溢れた大人の女になっていました。

しかし日本でもメルボルンでも男っ気なしの娘が少し気になって、

里帰りした時に散歩しながら、「アンタは男嫌いか？」と訊いてみました。

娘は怒って「違うわ！同年代の男なんか頼りなくて魅力がない」とのこと。

「じゃあ、結婚するのはどんなのが理想のタイプなんや？」と訊くと

暫く考えたあと、

「うーん、お父さんみたいなタイプかな」と答えました。


４年前ずいぶん年の離れた男を強引に捕獲して

メルボルンで女の子二人の肝っ玉母ちゃんをしながら、

「もう二人子供生みたい！」と喚いています。



写真は娘の長女で難儀なことに娘そっくりです。