歌を歌っていて、たいへんうれしいことに、
「言葉の選びかたが独特ですね」と言っていただけることがあります。
もちろん「ありきたり」と言われるよりはずっとうれしいのですが、
けっして奇をてらったり、凝った表現をしようとしているわけではなくて、
ただ、とにかくいちばん「しっくりくる」言葉を選んでいるだけなのです。
それでも「独特」と言ってもらえるのは、
ふだん会話するときとか、ほんとに大まかに言葉を選んでいるからなんじゃないかと思います。
たとえば「海辺」「岸辺」「浜辺」「渚」「波打ち際」なんて似たような言葉がたくさんあって、
その中から、ふだん使う言葉はだいたい決まってくるんじゃないかと思うんです。
ほとんどの場合「大まかに」意味が通じればいいので。
ただ、歌を作るときは、「ここは『岸辺』じゃなくて『浜辺』だな」とか、
あるいは「あんまり使わない言葉だけど『汀』がいちばんしっくりくる気がする」とか、
脳内に浮かんでいる景色にいちばん近い言葉を選びたい、
そんなふうに思ったりするのです。
何年も前のお話ですが、メイさんが北海道・知床で行方不明になり、そして戻ってきて、
その翌年のこと、
前年の一連のできごとについての歌を作っていたのですが、
どうしても、知床の空の色をあらわす言葉が出てこなかったのです。
とにかく単色なのは確かなのですが、「白黒」?「モノクローム」?どうもしっくりきません。
「グレースケール」もなんか違う。
そんなわけで、前年お世話になったかたがたにお礼するために、再び知床を訪れるとき、
その一節は宿題として持っていきました。
そして一年ぶりに知床の空を見て、見つけた言葉が、
「薄墨の空」でした。
そして「地の果ての情景」という歌ができました。
こんなふうに、言葉選びにえらく難儀したりします。
「浮かんできた言葉をそのまま書けばいいのに」と言われるのですが、
やまねこの場合、浮かんでくるのが言葉ではなくて景色なので、こんなことになるのでしょう。
この「地の果ての情景」という歌、いちど歌ったきり、ずっと歌われませんでした。
こんなに苦労して作ったのに(^^ゞ、
気に入ってなかったわけではなくて、ただ長すぎたのです。
(計ってみたら9分ありました)
しかも地味だし、通常30分前後のブッキングLIVEでは使い勝手が難しいというか。
それが先日うちの近所で、ふとこんな景色に出会って、
また薄墨の景色の歌を歌いたくなりました。
遅くなりましたが、6月30日、御茶ノ水KAKADOでのLIVEも、無事終了いたしました。
<うたった歌>
大地を往く者
蒼穹の天使
しずめのさくら
地の果ての情景
水の中のきつね
おかえり
Dear Love
「地の果て〜」から続く3曲は、知床の歌の中から。
聴いてくださったみなさん、ありがとうございました!
そして土曜日から海に出かけて、出会ったのはこんな景色。
やっぱり薄墨の景色にご縁があるのかな。
次回のLIVE、こんどの土曜日です。
7/9(Sat.)
高田馬場 四谷天窓.comfort →
http://www.otonami.com/comfort/news/
Open 12:30 Start 13:00
Charge \2,000+1drink
大きな窓から空が見える、天窓.comfortでの、昼下がりのLIVEです。
やまねこの出演は4組中3番め、14:10からの予定です。
そして、その次も決まりました☆
7/17(Sun.)
駒沢大学 FUN RUN → (公式サイトはありませんが、食べログで見つかります)
Open 11:00 Start 15:00
Charge ※飲食代のみ
田園都市線駒沢大学のカフェ&お惣菜屋さん?で、2度めのLIVE。
カフェは11時から営業してます。食べながら飲みながら、のんびり楽しんでください。
そのうち気がつけば梅雨も明けているのでしょうね。
この夏はどんな景色に出会えるか楽しみに。
もちろんみなさんと出会えるのも、楽しみにしてますね=^_^=
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