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2016年07月06日18:52

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セブンの功績。

ウルトラマンシリーズ半世紀の歴史に『セブン』あり その功績に迫る
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=4079041


こんな誰もが知ってる特撮ヒーロー、今頃ワタシなんぞがぐだぐだ解説しても野暮なんでしょうが・・・やっぱ書かずにはいられませんな〜。


「ウルトラマン」は大ヒットになったんですが、撮影スケジュールが足りなくなって9ヶ月での終了を余儀なくされてしまいます。
しかし企画課長の金城哲夫さんは、むしろホッと一息つける思いだったそうで。既にこの時、次回作制作の内諾をTBSから得ていたのでした。

毎回怪獣が出る展開には食傷気味だった金城さん、次は全く違う路線で行きたいと考えてたんですが、怪獣ブームが収まってないこの時期にそういう展開は、周りの声が許してくれなかった。少しでも儲けになる怪獣ものにしてくれと。

金城さんは何とか新味を出そうと、宇宙に目を向けました。
そして宇宙ステーションを舞台にしたスペースオペラものを企画として提出された。
宇宙に目を向けたのは

・ウルトラマンの怪獣は、宇宙ものに人気が集中していること
・同時期に放映されていた輸入テレビドラマ「宇宙家族ロビンソン」がニールセン調べで36%の高視聴率をマークしていたこと。
・ハリウッド他の映画界もこの時期一斉にSFものに傾倒していったこと(かの名作「2001年宇宙の旅」公開は、ウルトラセブン放映開始年の7月でした)

こういった事象が背景にありました。

しかし宇宙ものでは販売戦略上難しいので避けたいと局側からの要請で、地球で宇宙からの敵を迎え撃つ形となり(カプセル怪獣の原案もこの頃出来た模様です)今よく知られるウルトラセブンの形が出来ました。
同じ時期の名作「サンダーバード」も強く意識して、メカなどもスタイリッシュで凝ったウルトラホーク一号なんてのが脇を固めました。


準備期間中は「タケダアワー」、東映制作の「キャプテンウルトラ」を放映してました。
さて円谷プロはこの作品をどう見てたか?上原正三さんの「金城哲夫 ウルトラマン島唄」からつづってみます。



「見たかい」
「見た見た。チャチいな、特撮」
「ま、予定通り半年で終わりだね」


これが第一話放映翌日の円谷プロ社内での反応だったそうで。
上原さんこうも書いてらっしゃいます。「我が敵にあらず」と。

コレが影響したのか、キャプテンウルトラは26話予定が2話短縮されて24話が最終回となり、ウルトラセブンは10月1日に放送開始が繰り上がりましたが、問題なく放送されました。



今では信じられん事ですが、このウルトラセブンは放送開始当時は新聞から随分ボロクソに叩かれてたそうです。
ウルトラマンと変わり映えしない、サンダーバードには特撮技術が及んでない、ドラマ部分が幼稚に過ぎると。
まあ今第一話を見れば、言われてもしゃあない場面あるにはあるんですが、それにしてもずいぶんな書き方・・・
金城さん謙虚に「反省あるのみ」と、その実闘争心燃やして次々に制作をこなしていったんですが、視聴率はみるみる下がっていき、10パーセント台にまで落ち込んでしまった。

そこでTBS側はプロデューサーを橋本洋二さんに交代。
来て初日から橋本さん、こんな先制パンチを見舞った。
「隊長は、出動しか言わないのですか?」
要は毎回同じせりふを言わせるだけではロボットと変わらない、何かしらの人生背負って劇中に登場するんだから、というわけ。
この頃金城さんは「マイティジャック」の制作に忙しくなり、まだ新人だった上原さんと市川森一さんにその分が振り当てられて、橋本さんの指導のもとお二人はメキメキとシナリオライターとしての力をつけていったのです。



随分前置きが長くなりました。
ウルトラセブンの特長、それは「宇宙人から見た地球人」の視点という、物語上の明確な特長があったという事。
これは主役モロボシダンが、とある地球人の姿を借りた宇宙人であるという設定だからこそ出来たこと。
そしてダンの性格を、まるで高校生のような純粋で青臭いものにした。
地球人にとっては当たり前と思っても、彼にとっては認められないこと、しかしなんとか間を取り持とうという彼の理念は、相手側や時には地球側のエゴによって消え去ってしまう。

ウルトラマンのハヤタ隊員はこういう人間臭いところをあえて取り除いてたんですが(その分はギャグメーカーたるイデ隊員が背負っていた)ダンには敢えてそのまま立ち向かわせた。
こうすることで視聴者に正義やら何やらの意味を問うたわけですね。
「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」で有名な「超兵器R1号」、関根恵子さんの儚い演技が印象深い「盗まれたウルトラアイ」、そして後年あまりにも有名になった「ノンマルトの使者」なんてところは、こういった路線の最たるもの。



有名な放送禁止話「遊星より愛を込めて」、ワタシはネット上で見れました。
別に差別的な要素は無いと思うんですが、敵のデザインがアカンかったんやろな・・・
メトロン星人があぐらかく話、あれ実は実相寺さんが「海外に販売するから、日本のドメスティックなもんはなるべく出さんように」との局のお達しを無視して卓袱台登場させたもんだから、実相寺さんしばらくセブンから干されたなんて話残ってます。
その実相寺演出で有名な「第四惑星の悪夢」、上原さんはこの天才演出家と組むとき、天才は苦手なので緊張したそうな。
「生原(印刷されてない原稿のこと)は読みづらい」と言い残してどこかへ行っちゃった。しかもいきなり決定稿だって。なんと投げやりなと憤慨した上原さんですが、実際に出来上がった映像見て驚いたそうで・・・
本来はこの話、予算管理でチマチマしてきた円谷プロに活を入れるつもりで、上原さん今までの怪獣・宇宙人総出する派手な脚本書いたんですけど、やりすぎと怒られて(元々ダメ元で書いたそうです)こういう怪獣の出ない話になりました。


松坂慶子さんが本格的に役者を始めたのもこのセブンの「悪魔の棲む花」でした。
上原正三さんはミクロの決死圏にヒントを得てこのお話書いたんですが、細目の美人さんをと監督さんに頼んでたのに、ラッシュを見たらやや太めの健康少女だったのでガッカリだったと回想されてました(笑)

佐々木守さんも欠番12話ともう一本「勇気ある戦い」を書いてます。
車を食いまくるロボット・クレージーゴン、これは佐々木さんが大の車嫌いだったことから生まれたもの。
セブンはキングジョーといい、メカものには苦戦しました。このときも自らが弾丸になってようやく倒せた。


ウルトラセブンは最初活動時間の制限なかったんですが、ポール星人とガンダーの作戦によってエネルギーに制限が設けられて、それからは額のビームランプが点滅するようになります。
緊張感を持たせようといえ番組強化策なんですが、あんなちっちゃいの点滅しても分からんわなー(笑)

藤川圭介さんはウルトラシリーズになると異色作を書くことか多いんだそうで、その最たるものが前後編「セブン暗殺計画」ですね。
エネルギーを無くして十字架にはりつけになるヒーローという、まさに絶望の局地たる絵を見せてくれたんですが、しかしガッツ星人って詰めが甘いのね(笑)
最後は地球側の工作に引っかかったことが致命的になり、復活したセブンに敗れた。よくこんなマヌケで「如何なる戦いにも負けたことない」なんてほざいたもんだわ(笑)



数々の名エピソードを生んだセブンも、なんと過労というそれまでのヒーローに無かった大ピンチを迎えることに。
それがこの作品を名作といわしめた決定作「史上最大の作戦」ですね。



https://youtu.be/J01fJwYSAsE

この最終回、実はダンとアンヌの背景はアルミホイルだったそうでorz
シューマンのピアノ協奏曲に載せて最後の戦い。これこそ説明不要ですわな。
ボロボロになったセブン、マイティジャックの失敗で文字どおりボロボロだった金城さんの姿と言えなくもないですね。
その後故郷の沖縄に帰るのも、この最終回は予言してたんです。




あーあホントに長くなったわ(笑)
最後に一つ。ウルトラセブンとは地球警備隊七番目の男って意味。
でもダンもいるから二重に数えてんのね(笑)
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