郊外の高級温泉療養ホテルに投宿している映画監督グイド・アンセルミ。彼はここで、自伝的な新作の準備をしている…ことになっている。脚本家もプロデューサーも女優たちも集結しており、あとはキャラ割り当てと映画の結末を書き上げれば即撮影開始だ。女優たちの役柄は、「妻」「愛人」「サラギーナ」という感じ。ちなみにサラギーナとは、グイドが幼少期に出会った娼婦である。
しかし、グイドはイマイチ撮影に乗り気ではない。だいたい、撮りたかったものかどうかもよく解らないうちにどんどん製作が進み、しかも映画の結末に登場する宇宙船の発射台を実物大でプロデューサーが作ってしまったものだから、そのスケールのデカさに何だか引いてしまったのだ。というわけでノラリクラリと撮影を延期しているのだが、そんな中、実際の愛人カルラと、妻ルイザが現場に到着。うるさい女優たちや実生活の女たちに囲まれて、夢の中に作ったハーレムや幼児期の母たちの記憶などに逃避していくグイドだが、やがてストレスは限界に達してしまう。そこに、遅れて合流した女優が1人。それはグイドが惹かれているスター、クラウディア・カルディナーレだった…
フェリーニの代表作「8 1/2」。スジはあるようなないような、何とも不思議な作品です。
会社でもプロジェクトでも何でもいいけど、何か大きなシステムがあって、その中心に自分がいると仮定してみてください。周りの人間たちは俺を頼ってあれこれ言ってくるけど、俺自身がよく把握していない…てなことってありません?それがストレスになってしまっていくことも…グイドと同じ年齢のmackには、痛いほど解って可笑しくなる作品でした。女の妄想に逃げるのも同じでしたね(笑)。とりあえず俺、ここにいるけど、先のことは解らねーなーという実存主義的なコメディと捉えました。映画史に残るシュールさは、必見。
(ブルーレイのみ所有ソフト:73枚目)
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