両津「むぅ、BGMを追加するならここだな(カチカチ」
中川「先輩?パソコンで何やってるんですか」
両津「おう、中川。こち亀がめでたく連載40周年を迎えてな。200巻も目前だ!そこで…」
中川「それは動画編集ソフトですよね?」
両津「そうだ。これを期に、こち亀をさらに世に広めてやろうと思ってな」
中川「なるほど!この派出所のPVを作ってるわけですね」
両津「いや違う。いま人気のヒットアニメにこち亀のBGMを付けてるんだ」
中川「いま人気のヒットアニメ?どういうことですか?」
両津「こち亀を知らん若い層に広めるには、
他のアニメを利用してMADを作った方が早いってことだ」
中川「マッド?」
両津「簡単に言えば二次創作の動画だ。海外ではAMVなんて言われてるな」
中川「つまり、
いまヒットしているアニメにこち亀のBGMを付けて、こち亀の魅力を知ってもらうわけですか」
両津「その通り。今じゃMADを見てもらう絶好の場もあるからな!さてエンコして…」
中川「でも先輩。そういう動画でこち亀を知ってもらうのは、色々とまずいんじゃないですか」
両津「この際それは言いっこなしだ!
知名度を上げて、もう一発儲けるなら、この機を逃す手はないからな」
中川「結局、金なんですね…。先輩、いま借金どのくらいあるんでしたっけ」
両津「借金の話はするな!そのセリフはお前にだけは言われたくない」
中川「ですが…。本当にそのMADを公開するんですか?考え直しましょうよ、先輩」
両津「うるさ〜いっ!もう作っちまったもんはアップするしかねぇだろ!おら〜っ!」
遊☆戯☆王
Fateシリーズ
艦これ
頭文字D
PSYCHO-PASS
弱虫ペダル
ガールズ&パンツァー
エヴァシリーズ
ラブライブ!
両津「ハハハ、ほら見ろ中川!再生数がどんどん上がってるぞ」
中川「凄いですね…。MADにこれほど人気があるなんて」
両津「こち亀の知名度もグングン上がっていくぞ!わしの腕にかかれば一攫千金も夢じゃ…」
部長「こらぁ〜!両津の大バカ者はおるか!!」
両津「げっ!ぶ、部長ぉ〜!?今日は非番のはずじゃ!?(エスケープ連打」
部長「お前がバカげた動画を投稿しとるからだ!勤務中に仕事もせんと何をやっとる!」
両津「ど、動画?やだな〜、部長。なんの話ですか?
わたしはパソコンで報告書を作っていただけです。言いがかりはよしてください」
部長「嘘をつけ!
他所様のアニメにあんなふざけたBGMを付けたがるのは、お前しかおらんだろうが!」
両津「ナニィ!?そりゃ偏見でしょ!
わし以外にだって、こち亀が好きすぎて動画を作ってしまう熱烈ファンなら山ほどいますよ!」
部長「…両津。
わしは、あんなBGM、とは言ったが、こち亀のBGMとは一言も言っとらんぞ(ニヤリ」
両津「……げげぇっ!部長にまんまとハメられたぁ!?」
部長「ばかもーーーん!!やっぱりお前だったか!今度という今度は減給だああ!!」
両津「ぎょえええええ!!」
中川「ほら、言わんこっちゃない」
両津「ですが部長!
部長はアニメなんて見ないはずでしょ!どうしてわしの動画を見ようと思ったんですか!」
部長「孫の大介にな。日本軍が好きならガールズ&パンツァーは見ておけと言われたんだ。
ガルパンはいいぞ!」
両津「ここでそんなセリフが聞けるとは思ってもみませんでしたよ!
まさか部長がアニメを見るなんて」
部長「それから、警察官なら見ておけと言われてサイコパスもな」
両津「刑事ものなら他にもたくさんあるでしょ!よりによって部長にサイコパスを!?」
部長「孫娘にはラブライブをすすめられたな。最近よくカラオケで一緒に歌うんだ」
両津「あんたの好みは演歌と軍歌だろ!そりゃさすがにキャラ変わりすぎだ!」
部長「ときに両津。
お前には自転車乗りの才能があると思うんだが、ロードバイクに乗る気はないのか?」
両津「はいはい、弱虫ペダルでしょ!
もういいですよ!部長がアニメにハマってるのは十分わかりましたから!」
中川「若い層をターゲットに作ったはずの先輩の動画が、まさに部長に直撃したわけですね」
部長「いかんいかん、その動画のことだったな。
両津、貴様というやつは…。ことごとく名作のイメージをぶち壊しおって!」
両津「ぶ、部長ぉ〜!もう勘弁してくださいよぉ〜…」
部長「い〜や、許さんぞ、この大バカ者!
減給に加えて、お前には名作アニメを見て報告書を書いてもらう!」
両津「なにぃ〜〜っ!アニメの報告書だぁ!?なんですかそれ!」
部長「お前のパソコンならブルーレイも見られるだろ。
名作アニメを貸してやるから、それを見て書いておけ」
両津「いやですよ!そんなのアニメがつまらなく… ブルーレイまで買ったんですか部長ぉ!?」
部長「おお、孫たちにせがまれてな」
両津「嘘つけ!絶対あんたが見たいからだろ!
だいたい報告書ってなんですか!アニメってのは酒をぐいっとやりながらですね」
部長「何を言っとるバカ者!いいか、よく聞け両津。
劇中で起きた事実を書き起こして、吟味した結果、
どのような結論に辿り着くのか、何が得られるのかを書き記す!
それが作品に対する理解をより深め、お前のバカな行為を反省することにも繋がるんだ!」
両津「なんじゃそれぇ!わけがわから〜ん!!(泣」
部長「動画もいま削除しておけ、両津。わしが忘れんうちにな」
両津「えぇっ?そ、そんなぁ〜…。せっかく苦労して完成させた、わしの力作…」
部長「早く消さんとパソコンを没収するぞ!」
両津「…没収?
別に構いませんよ。それならブルーレイも見れないから、報告書も要りませんね!」
部長「心配するな。そのときはわしの家のプレーヤーで見てもらうからな」
両津「げげげぇ!?部長の家でアニメ見て報告書とか、嫌すぎる!!」
部長「嫌なら早く消すことだ」
両津「わ、わかりましたよ〜…。はい消しました!(カチカチ」
部長「よし、中川。両津が隠さず全部削除したかチェックしてくれ」
両津「げげげぇ〜〜っ!?ちょ、ちょっと待ってくださいよぉ!鬼ですかあんたは!」
部長「後で麗子くんたちにもチェックしてもらうからな。両津をかばっても無駄だぞ、中川」
中川「だそうですよ、先輩」
両津「わかった、わかりましたよ!
キレイさっぱり消しゃいいんでしょ!えぇ〜〜〜い!!(ッターン!」
部長「よしよし。それじゃ、いつも通り始末書も提出しておくんだぞ!」
両津「そ、そんなぁ〜〜〜…!
ちくしょう〜〜〜!もうこち亀のBGMなんてこりごりだぁ〜〜〜!!」
完!
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