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2016年06月25日02:05

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友だちっていいね  

友だちっていいね  埼玉県新座市  橋本 淑江(27才)
 私は五才のとき、原因不明の高熱で右半身が不自由になりましたが、小中高と普通学級に通い、卒業することができました。それでも、体育の授業は見学が多く、クラスメートからにらまれる事もありました。小学校ではそれでよくても、中学,高校ともなるとペーパー試験だけではなく、実技試験の単位をとらなければ進学・進級ができなくなるため、私はできる範囲で授業に参加していました。あれは高校三年生のバスケットの授業中、三人でグループを組み、パスの試験が行われた時の事でした。他のグループはいともあっさりとスムーズにパスをこなしていくのに、私はというと、ボールがあさっての方に行ってしまったり、うまくキャッチできなかったりと、グループの友人に迷惑をかけてばかりです。そしていよいよ本番、テストは連帯責任です。一人の失敗も許されません。私は夢中でボールを追いかけましたが、体が思うように動かず、結果は散々でした。私は体中が熱くなり、額からは汗が流れ落ち、息はハアハアで、「どうしてこんな簡単なことが・・・」そう思うと自分が情けなく、泣きたい気持ちでいっぱいでした。「ごめんね」とつぶやいた私に、友人は、「何いってんの、友達でしょ!」と言ってくれたのです。今まで、そんなことを言ってくれる友人は一人もいませんでした。私は初めて友人のありがたさ、優しさや思いやりを受けたような気がしました。熱いものがこみあげ、さっきまでの悔し涙はうれし涙にかわり、大声で泣きたい気持ちでいっぱいになりました。あれから十年,今でも彼女の優しさや思いやりは忘れることができません。

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