【とても】定点観測【悲しい】

　10代の頃　バカやってた仲間たち。
SNSも無かった時代、まだ、携帯番号が10桁だった頃。
友人のバンドと、その仲間達。


取り立ての運転免許。

どこへでも好きなところに行ける手段と、無限の体力で


県内のミステリースポットを　うろうろしたり
突発的に海が見たくなったり



私のスープラ　3人乗りでもきついのに、5人載せて
トランクに三人積んで(道交法違反　時効だから勘弁して）

河川敷での花火は気がつくと　水平発射して　撃ち合いになる。　
曳光弾みたいで綺麗だったな。

無茶をしたものである。
一歩間違えたら　ニュースに流れて　炎上の憂き目にあってたはず。


そうやってた　仲間達が　就職でバンドやめる　だとか、結婚したとか、
あいつまだ　音楽続けてるよ　とか。
就職したけど　またバンド　始めたよとか

子供が出来たよ　とか。



すべて、マクロで見れば、人の営みの流れ、自分たちは特別とおもっていたけど、なんら変哲の無い一集団に過ぎない。



自分たちが特別だ、俺ら集まりゃパーフェクト　ってのは、どこにでもある　例外なき大学2年生病だったのだな。


携帯カメラもろくに進化してなかった時代だから　写真は残っていないけど。

朝まで遊んで　夏の朝3時半頃の　明るみはじめた風景や、大晦日の初日の出が近所の公園だったのは　記憶に焼き付いてる。



「記念写真

それは、生と死の定点観測。

やがて　永久に欠けていく、不存在を焼き付ける。

写っていない人間、そこに写ることが出来なかった人間こそを記録する。」


そんなことを、大学の哲学の先生に教わったのだった。


2年も前に　その仲間内の友人が一人　欠けていたとのこと。
突然死。

友人の結婚式（私にとっては幼なじみ）の結婚式に、来ていたのに。
上等なスーツで、かっこよかったのになあ。
藝大出て　美術の先生になった　個展も開いた　と　聞いてたのに。

フェースブック　英語で更新してたりとか　ワールドワイドにご活躍の様子だった。


数日前に　坂戸で個展出すよ　の公告見て　、ああ　がんばってるなあとおもったのに。


まさか　氏名の横に　　1979〜2014　　って　見えてたはずなのに　気がつかなかった。　


そして、2年経ってから　訃報。
先の幼なじみから　の連絡で知る。
仲間内　皆　しらなかったみたい。　

まめに連絡は取らないけど、活躍してるはずだと　思い込んでいた。


知らせる間もない　ほど突然の死
葬式に出られなかったどころか　2年も経ってしまっている。

訃報がこなかったこと。
あれだけ　輝いてた人があっさりと　舞台から退場していること。

なにもかにも悲しい。