mixiユーザー(id:2438654)

2016年06月18日00:37

1080 view

ザハロワ&レーピン パ・ド・ドゥ for Toes & Fingers

2016/6/17金 19:00- サントリーホール

ザハロワ&レーピンのガラ公演、観てまいりました!スティーヴン&フランチェスカのロミジュリとかぶって、うーんしくじったか・・・と思っていたのですが、これはこれで観ておくべき公演だったかと。楽しかったです!

以下、バレエファンなのでダンス演目のところのみ、それぞれに感想を。

◆モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136より第1楽章
フェスティバル・アンサンブル(リーダー:南紫音)

◆Distant Cries
振付:エドワード・リアン
音楽:アルビニーノ/オーボエ協奏曲 ニ短調 作品9-2より第2楽章
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ、ミハイル・ロブーヒン
演奏:ワディム・レーピン、フェスティバル・アンサンブル

どこかで聞いたことあるタイトル、と思ったら案の定、2012年のバレエフェスのときにザハロワ&メルクーリエフで観ていました。今回もメルクリさん連れてきてほしかったなあ!ザハロワ&ロブーヒンって、この前観たライブシネマのエギナ&スパルタクスじゃないですか。この作品、もっと二人の間に感情のやりとりがあった方が素敵だと思う。私はロブーヒンは苦手です・・・。

◆メンデルスゾーン: ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲 二短調より 第2、3楽章
演奏:ワディム・レーピン、フェスティバル・アンサンブル

◆Plus. Minus. Zero
振付:ウラジーミル・ヴァルナヴァ
音楽:ペルト/フラトレス
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ、ウラジーミル・ヴァルナヴァ
演奏:ワディム・レーピン、フェスティバル・アンサンブル

これは、すごくよかった。ザハロワは、最近、時々ギエムの姿がかぶるときがあるのですが、この作品では特にその感じが強かったです。身体的な特徴や能力も似ているのですが、それだけじゃなくて、本人の中にある強くて真っ直ぐな自我が本当にそっくり。ザハロワのフォーサイスが観たい。
そしてそのザハロワ以上にすごくよかったのがヴァルナヴァ。小柄なのだけど、ロシアのダンサーにしてはとてつもなく、柔らかなコンテンポラリーな動きが上手くて目が釘付けになりました。ネットでちょっと調べたら、彼、サンクトを拠点に活動しているダンサー&振付家で、これも彼の作品なのですね!こんな人連れてきてくれてありがとう♪

◆クライスラー: 中国の太鼓
演奏:ワディム・レーピン、フェスティバル・アンサンブル

◆Revelation
振付:平山素子
音楽:ジョン・ウィリアムズ/「シンドラーのリスト」より ※録音演奏
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ

この公演で、これが白眉だったと思います。実は以前にこれを一度観たことがあり(こちらもネットで検索したらどうやら2009年のことらしい)、そのときもかなり感動したので今回、楽しみにしていました。いやー、凄かったです。
以前観たときは、きれいだなぁという印象が強かったのですが、今回はとてもとても力強くて!Revelationは見方によっては苦しみを描いた作品かもしれないけど、私にとっては、素子さんの持っている女性ならではの力強い生命力、苦しみを乗り越えていく力、が魅力的な作品。そこが、今回は素晴らしかった。ザハロワの人としての成長、これまでの人生が凝縮されたような演技でした。魂持っていかれました。これだけでも観に来た価値がある。

◆チャイコフスキー:レンスキーのアリア
演奏:ワディム・レーピン、フェスティバル・アンサンブル

◆モンティ:チャールダーシュ
演奏:ワディム・レーピン&フェスティバル・アンサンブル

◆瀕死の白鳥
振付:ミハイル・フォーキン
音楽:サン=サーンス/白鳥 
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ
演奏:ワディム・レーピン、フェスティバル・アンサンブル

Revelationの力強さからは一転、正しいロシアバレリーナのザハロワ様。クラシックは今回、この作品のみ。Revelationの余韻が残っちゃってちょっと世界に入れませんでしたが、ザハロワの白鳥は姿形的に完璧だなぁ。

◆ポンセ(ハイフェッツ編):エストレリータ
演奏:ワディム・レーピン、フェスティバル・アンサンブル

◆レ・リュタン
振付:ヨハン・コボー
音楽:バッジーニ/妖精の踊り op.25
バレエ:スヴェトラーナ・ザハーロワ、ドミトリー・ザグレビン、ミハイル・ロブーヒン
演奏:ワディム・レーピン、フェスティバル・アンサンブル

コボーさんのレ・リュタン。最初に登場したのはロブーヒン、日本語も交えてレーピンと楽しい小芝居。次に出てきたザグレビンが素晴らしいテクニックとリズム感でびっくり。彼、元ボリショイで今サンフランシスコバレエのソリストなのか。最後に可愛い衣装のザハロワ様。ダンスは暗い作品が多かったなか、最後は観客を楽しませようとこの作品を持ってきたとは、ザハロワ可愛いなあ。
とはいえ。これ、2012年にコジョカル、マックレー、ポルーニンっていうほぼ最強トリオで観ちゃっていて、まあそれと比べるとザハロワとロブーヒンはやっぱりこの手のアシュトンっぽいリズムは苦手だよね、しかも何なら本家は今上野でロミジュリやってるよね・・・とつっこみ入れながら観てしまいました。
でも、最後はレーピンとザハロワがラブラブってオチだし、みんな楽しそうだったからいいか!

最後は、チャルダッシュの音楽の一節にのせて、4人のダンサーがちょこっとずつ得意技を見せるアンコールつきでした。

さて、私はこの公演、とても楽しかったです。ザハロワの身体能力はやっぱり凄いし、それだけじゃなくて精神的にもとても深くなっていて、どの作品も流石だなという感じ。昔の、マリインスキーの姫だった時代の彼女より、現代的な強い女性になった彼女の方が、私は好き(逆の嗜好の方もたくさんいらっしゃるのは百も承知、その方々の嗜好に異をとなえるつもりは毛頭ありませんことご理解いただきたく)。あと、いつもクールな彼女が、観客を楽しませようとしている姿は、何だか新鮮でした。

そして、レーピンのヴァイオリン、初めて聴きましたがすごいヴィルトゥオーゾっぷり。抒情的な曲よりは現代曲や速い曲の方が似合うのかな、という印象で、ペルトのフラトレスと、あとチャルダッシュがよかったな。後者は謳い方が流石おロシアの方、という感じでした!

ザハロワが会場から大きな拍手をとるたびに、そんな彼女の姿が誇らしくてたまらないという感じでニコニコだったレーピン可愛い。こんな素敵な音楽でバレエを観られることって本当に貴重、いいものを見せていただきました!
3 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する