介護事故の法律相談 自立型ケアハウス 岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲
質問1
11年前にわたしの父におきた出来事です。軽費老人ホームに入居していました。自立型ケアハウスです。体調不良となり、わたしが最後のは7月23日の午前8時で、体調が悪いといっていました。翌日午前1時に病院に転送され、急性硬膜下血腫と診断され緊急手術を受けましたが後遺症が残りました。もうすこしはやく搬入されていれば後遺症が軽くなっていたかもしれないと思うと無念です。老人ホームの医療機関への搬送義務違反として不法行為責任や債務不履行責任はないのでしょうか。
回答
おとうさんとしては現在入居中の老人ホームを訴えるというようなことはやりにくいかと思われます。不法行為の3年の時効はすぎていますし、債務不履行の10年の時効も退所のち10年と解釈すれば時効にかかっていないかもしれませんが、どう判断されるかわかりません。また、時効にかかっていないとしても11年前のカルテ等が散逸していて立証に困難も予想されます。
また、自立型ケアハウスという点でも、搬送義務がすぐにはでてきません。自立型ケアハウスにおいては医療スタッフが必要とされていないのです。入居者の体調管理は自己管理が原則です。入居者の体調不良に際して救急車を必要とする場合には救急車を要請し、そのような場合でなければ入居者の家族に連絡して入居者本人またはその家族による対応にゆだねれば足りる、という名古屋地裁平成17年6月24日 最高裁HP という下級審判決があります。
岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲
介護事故の法律相談 内部障害者の更生施設に入所していた心臓機能障害者の急性心筋梗塞による死亡 岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲
質問2
わたしの親戚が先天性の心臓疾患があり、障害者の更生施設に入所していたところ、施設内の自室で急性心筋梗塞で死亡しました。安全配慮義務違反を調べるのは、だれが主体となるべきでしょうか。施設に安全配慮義務はないでしょうか。
回答
施設の安全配慮義務は親戚のかたからみれば、施設に対する安全配慮請求権です。亡くなった方(法律用語では被相続人といいます)の権利義務は相続人にひきつがれるのが原則です。配偶者はつねに相続人になります。こどもがいれば配偶者とこどもが相続人になります。相続の順序・割合は民法900条が規定しています。
安全配慮義務ですが、更生施設の場合は自己管理を前提にして生活訓練職業訓練をする施設なので、自己管理を期待できない特段の事情なき限り入居者自身の健康管理第一であり、施設は医療機関と同レベルは要求されないものとされています。
急性心筋梗塞を予想できたかどうか、自己責任で健康管理ができない状態であったかどうか証拠をみて検討することになります。
岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲
介護事故の法律相談 介護事故でみておきたい証拠 岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲
質問3
質問2の続きです。
わたしも親戚の相続人であることがわかりました。一般的には介護事故を弁護士に相談する場合、どのような証拠が集まっていればよろしいのでしょうか。
回答
最初の相談段階では相談者がやってくるだけでかまいません。そのあと、安全配慮義務違反が認められるかどうか、損害はいかなるものか、訴訟をおこすかどうかを判断するときには関係者の証言・当時ある証拠となる書類・みることのできる現場は全部みておいてほしいものです。
施設側に証拠保全をした際にみるものとして、ケアプラン、個別援助計画書、サービス担当者会議関係資料、家族からの聞き取り票・面談票、一般状態調査票その他個別援助計画書作成のためのアセスメント資料、個別援助計画のモニタリング資料(実施状況報告書等)、カンファレンス会議等の会議資料、介護記録、生活記録等、被害者の介護状況・生活状況を記載した記録、介護状況の日々のチェック表、ワーカー側の連絡帳、ワーカー間の連絡記録、看護記録、食事処方箋、食事日誌、リハビリテーションに関する資料、人員配置図、職員の分担表、割り当て表、シフト表、組織表等事故時の担当者その中億膳の担当者や引き継ぎ関係がわかる資料、ひやり・はっとシート、事故防止委員会の検討、応急措置マニュアル、等のマニュアルとマニュアルの使い方に関する資料、職員教育に関する資料、嘱託医作成カルテ、内部用事故報告書、市町村への事故報告書、その他事故情報資料などがあります。
岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲
介護事故の法律相談 糖原病によるてんかん発作の疾病をもつ入院患者の入浴中の死亡事故 岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲
質問4
難病とされる糖原病に親戚のこどもがかかりました。てんかん発作の持病もあるようです。病院で入浴中看護師が離れた際に溺死する事故がおきました。
回答
看護師が入浴中離れていたのか、離れていたならその理由はなにかを検討する必要があります。質問3のうちシフト表や介護記録が重要になります。
参考になる判例として、死亡原因が看護師の過失として障害保険金の支払いが認められた大阪高裁平成11年9月1日判例時報1709号113頁があります。
岡山市 岡本法律事務所 所長 弁護士 岡本哲
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