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2016年06月08日21:06

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アカデミー作品賞を極める!60:『普通の人々』(第53回)




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ジャレット家はごく普通の一家…に見える。弁護士の父親カルビン、社交的な母親ベス、高校三年で水泳部に所属するコンラッドの三人。しかし彼らの間には常に不協和音が鳴り響く。実は1年前にヨット事故で長男バックが死亡し、そのショックでコンラッドは自殺未遂を起こしていたのだ。精神病院を退院したばかりのコンラッドを過保護なほどに心配するカルビンと、コンラッドと会話が噛み合わないベス。家で居場所を見つけられず苦しんだコンラッドは、精神医バーガーのカウンセリングを受けながら喪失感を乗り越えようとするのだが…


「普通の人々」。アカデミー作品賞受賞作の中で、最も地味な映画。にも関わらず、力強くエモーショナルで、季節や時の移ろいも的確に演出された完璧な作品です。主要キャストは四人…パパ、ママ、息子、精神医だけですが、彼らの会話と感情のキャッチボールがいちいち胸に響くのです。冒頭、ジャレット家の現在から描かれ、薄皮が剥けるように徐々に彼らの過去が明らかになっていく展開はサスペンスフルでもあります。今回見直して、アスガー・ファルハディ監督の映画を思い起こしました。一見静かで、でも着地点に至るまで緊張感が張り詰める家族劇であるというのが似てますよね。処女作で、いきなり卓越した演出力を発揮したレッドフォード、やはり凄い人です。

主演二人の名演も忘れ難く、
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主題歌、パッヘルベルのカノンも良くあってました↓
https://m.youtube.com/watch?v=LasPMn8fCFE


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