『すべては、あなたがどうしたいのかってこと。
それであなたが見る現実が変わってくる。あなた方は、いろんなことを考えすぎて、自分が本当にしたいことがわからなくなってしまうのよね。だから訳がわからなくなってきたら、まず自分の気持ちを整理することからはじめてみたら?
自分はどうしたいのか?
他のことはいいの。まず自分はどうしたいのか。
それさえはっきりと分かれば後は簡単よ。すぐに解決する。
今回の場合は夫と一緒にいたいのか? もうイヤだから別れたいのか? それがはっきりしないから、感情がグチャグチャになってしまったのよね。いつも、自分にとって何が大切かをしっかりと認識しておくと、何が起きてもグチャグチャになることはないわ。
だって、この人のことが好き、ずっと一緒にいたい、という根本的な自分の気持ちがわかっていれば、その人のことを理解しようと思うし、相手に対して尊敬と感謝の気持ちを忘れないでいられるでしょ? 変なプライドもなくなるし、意地を張ることもしなくなる。
そしてね、あなた方は不倫だ、浮気だって大騒ぎするけど、不倫って何? 浮気って何? それって、あなたは私のものなんだから、よそ見したらだめなんだからね、っていうことでしょ? 人は誰のものでもないわ。誰も自分以外の人に対して干渉することは出来ないのよ。わかる?
だから、結婚しているんだから他の人に目を向けてはいけない、なんてことはナンセンスだってこと。結婚してれば相手は私のものだから安心、なんて考えているから2人の関係がおかしくなるのよ。結婚という制度に入ろうが入るまいが、そういう考え方は2人の関係にはまったく関係ないってことよ。
本来、セックスは自由なもの
古代の縄文時代のころは、そんな結婚制度なんてなかった。
つまり、誰かを約束とか制度で縛るなんて概念はまったくなかったわ。だからまあ、今風に言えばフリーセックスよね。気が合えば、誰とセックスしても構わない。そこにはつまらない罪悪感なんてなかった。だから不倫だの浮気だので、男女がもめることもまったくなかったわ。
でも間違えないでね。フリーセックスと聞くとあなた方はきっと、原始的な、いわば動物的な社会だったからでしょ、って思うかもしれないけど、それは違う。縄文時代は決して原始的な社会ではなかったし、とても素晴らしい文化と文明を持っていたの。精神性も非常に高かったのよ。
フリーセックスだった、って言ったけど、それは誰とでも構わずということではないの。
縄文の子たちにもパートナーはいたの。でも結婚なんていう制度はなかったし、今のあなた方のセックスに関する感覚とはずい分違っていたわ。彼らはセックスに関して、とてもオープンだった。
つまりあなた方の社会のようにセックスは隠微なもの、隠すもの、恥ずかしいもの、という捉え方はしていなくて、食べることと同じように楽しくて、喜ばしいもの、素晴らしいものと思っていたの。
セックスは、パートナーとの素晴らしい愛のエネルギーの交換だから、変に恥ずかしがることもなかった。そして彼らは、愛のエネルギー交換としてセックスを捉えていたから、愛のエネルギー交換のないセックスはしなかった。つまり、いわゆる体だけの関係なんて考えはまったく持っていなかったの。だからパートナーとの関係を大切にしたわ。
でもどんな関係であっても、変化しない関係というものはないから、お互いにそれぞれエネルギーが変わったと思ったら、さっぱりとパートナーとの関係は終わらせて、次のパートナーを見つけていったの。縄文の子たちのパートナーとの関係には、何の約束も束縛もないから、関係が終わっても何の感情的な摩擦もなかった。この人は私のものだから、っていう概念もなかったから、関係を終わらせるときも、とてもさっぱりしたものだったわ。
大陸から「所有」の概念を持った人々が入って来た
では、そんな自由な生活を送ってきた人たちに、結婚という概念がいつできたか?って不思議に思うでしょ? そう、結婚という概念ができたのは、弥生時代と言われる頃になってからよ。縄文の終わり頃にね、日本に住んでいる人たちとは違う民族が、大陸からたくさん渡って来るようになったの。その人たちが持ち込んだのが、「所有」という概念なの。縄文の頃には所有という概念はまったくなくて、すべて共有していたから、すべてがみんなのものという考え方だった。
そこに所有という概念を持った民族が入って来て、土地を区切り、ここからここまでは自分の土地だって主張し始めた。これが弥生時代のはじまり・・・。こうして、すべてを共有していた平和な縄文時代は終わってしまったの。
土地を自分のものだとした人たちは、そこで獲れたものやできた作物もすべて自分のものだと主張したの。そして、力の強い人たちがケンカを繰り返し、強い人がどんどん所有する土地を広げていった。力のない人たちや、争いに負けた人たちは、力の強い人の土地で働かせてもらって生きていくしかなくなった。こうして貧富の差ができていったの。そして力の強い人、つまりケンカの強い人はほとんどが男性だよね。
でもどんなに力が強い人でも、必ず死が訪れる。
どんなに財産を持っていても、死んだらおしまい、持っていくことはできないでしょ。だから自分が死んだ後、自分が必死に戦って手に入れた土地や財産がどうなってしまうのか? それが次に彼らの心配事になったってわけ。当然、自分が死んだ後、誰か他人がそれを横取りするなんて許せなかった。誰かに取られるなら、自分の子どもに継がせたい。そう思ったわけ。
でも、ここに問題があった。
女なら、自分が産むから生まれた子どもが自分の子どもだという確信が持てる。でも、男は自分が産むわけではないから、自分の子どもだという確信が持てない。そこでどうすればいいか?、と考えた。そうだ、自分とだけセックスする女を探せばいいんだと思いついた。自分とだけセックスする人なら、その女が産む子は絶対に自分の子どもだとわかる。その子に財産を継がせればいい。
結婚制度のはじまり
それで権力者たちは、自分とだけセックスするという約束をしてくれる女性を探したの。その代わりに、自分の財産であなたを一生面倒を見ます。あなたの生活は保障します、ってね。これが、結婚制度のはじまりなの。つまり、お互いの利害が一致する契約ね。
土地と財産を手に入れた男性は、確実に自分の血を継いだ子どもが欲しい。
一方、女性は土地と財産を持っている権力者に一生庇護してもらい、安心して暮らしたい。その利害の一致した契約が、結婚制度ってこと。
だからそういう結婚制度には、所有の概念がとても強く影響しているでしょ。
夫は確実に自分の血を継いだ子どもを妻に産んでもらわねばならない。だから妻が他の男に近づくことをとても嫌がる。そして妻のほうも同じ。夫が他の女のところに行って、そこに子どもが出来たら自分の立場が危うくなる、だからお互い自分だけじゃなきゃいけない。そこから浮気だの、不倫だの、不貞行為だのという考え方ができたの。
本来、セックスなんて自由なんだから、取ったの取られたのと言うこと自体がおかしいのよね。でもそこに所有の概念が入り込んだために、男女の関係が難しくてややこしいことになってしまっているってこと。その考え方が今も根強く残っているために、あなた方が苦しむ原因になっているの。
浮気、不倫、なんてナンセンスな考え方だってこと。
だってお互いは誰のものでもないんだから。男女の関係は本来、とてもシンプルなものなのよ。好き? 一緒にいたい? それだけで十分なの。
それを忘れなければ、何も問題は起こらないの。
あなたは、あなたのパートナーとどうありたいか? それをもう一度、2人で話し合ってみてね」
さくや
book『他人の引き寄せ体験ほど役に立つものはない。』
ミナミAアシュタール著 リンダパブリッシャーズの本
抜粋
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