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2016年06月07日08:25

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ルソーとカント:命の選択

■雑木林にえい児遺体=死体遺棄容疑で捜査―鳥取
(時事通信社 - 06月06日 19:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=4029770

捨てられた赤ちゃんの御冥福を祈ります。 

岩明均の漫画『寄生獣』で、
主人公・新一が子犬の死体を
無造作にゴミ箱に放り込んで捨てる、
というシーンがあった。

パラサイトと呼ばれる怪物と同化した
主人公から、正常な感情が部分的に
欠落していく情況を、端的に表現したものだ。

岩明均は、『未完』という題の短編では
もっと直裁に、お腹の子を中絶した女性に
「堕ろしたガキだってただの肉」
というショッキングなセリフを呟かせている。

「生命とは何ぞや」という問いへの態度こそが
人間らしさの有無を証明する、という主張は
彼の作品に頻出するテーマだ。

日本の教師たちが近代教育学の祖として
崇め奉っているジャン=ジャック・ルソーは、
私生活では、愛人に次々と産ませた
5人の赤ん坊をすべて、
教会の前に投げ棄てている。

だから私はルソーのことを
「人間のクズやな〜」
と長年思ってきたのだけど、

ふと思い返してみると、
ルソーと同時代の啓蒙知識人の中には、
もっとひどいトンデモが沢山いた。

哲学界の「ミスター道徳論」ことカントに至っては、
常日頃から「死には死を」という
同害報復論を唱えていたくせに、
嬰児殺しについては、犯罪には違いないが
未婚の母が嬰児を殺すのは
一種の名誉殺人だから減刑すべきだ、
などとアクロバット擁護を図るような有様だった。

カントの脱線は、「女性擁護」も
一歩間違えれば「優生学」的思考へと
陥りやすい事実を示した好例と言えるだろう。

ま、カントよりは、
赤ん坊が拾われて生き残る道を残した
ルソーの方が、なんぼかはマシかもね。



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