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2016年06月04日08:33

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増税延期会見の支離滅裂で心配される首相のアタマと神経(日刊デンダイ)より全文

いやはや、恐るべき感覚、感性と言うしかない。消費税増税延期を決めて、1日、記者会見した安倍首相のことである。

 厚顔、恥知らずだということはとっくの前から分かっていたが、それが病的なレベルに達している。多くの国民は「この人、大丈夫か?」と心配になったのではないか。それくらい支離滅裂、むちゃくちゃな会見だったのである。

 安倍が表明した消費税増税延期の理由とは、要するに、今はリーマン・ショックの時とは違うし、東日本大震災と熊本地震は同レベルではないが、世界的な需要の低迷、成長の減速が懸念されていて、サミットでもあらゆる政策を総動員することを決めた。議長国として、その責任を果たすために消費税増税を延期する――というものだ。

 よくもまあ、ぬけぬけと……ではないか。先のサミットでは世界経済危機という認識の共有ができずに、安倍官邸は前代未聞の赤っ恥をかいたのである。官邸は新興国の投資伸び率など、重箱の隅をつつくようなデータを用意して、「リーマン危機前と酷似」という認識を各国首脳に植え付け、それを共同宣言に盛り込もうとした。

もっと言うと、サミット前に安倍は欧州各国を歴訪、合意を取りつけようとした。しかし、米英独仏が反発。キャメロン首相からは「危機とまで言うのはいかがなものか」とたしなめられ、オランド仏大統領には「我々は危機の中にいない」といなされた。

 かくて、共同宣言の表現は大幅にトーンダウンし、英フィナンシャル・タイムズには「安倍氏が説得力のないリーマン・ショックとの比較を持ち出したのは増税延期計画だ」とまで書かれた。日本の大マスコミもいつになく、内幕に踏み込み、安倍の強引なサミット政治利用を批判した。つまり、国民はみーんな、サミットでの安倍独り相撲を知っている。世界経済危機がデッチアゲだとわかっている。

■不自然極まりない意味不明会見

 それなのに、イケシャーシャーと「世界経済危機懸念」を持ち出して、増税延期を正当化、アベノミクスの失敗を糊塗するとは、ビョーキ以外の何ものでもない。

ゴマカすなら、もっとうまくやってほしいものだ。バレバレのネタで、黒を白と言う神経。ここにゾッとするのだが、果たして、経済評論家の荻原博子さんはこう言った。

「最初に、選挙のために増税凍結ありきなんでしょう。でも、前回、増税を見送った時に『次は必ず上げます』と言っちゃたものだから、慌てて理由を探して後付けした。だから、取って付けたような話しかできない。増税を先送りして、『社会保障の財源はどうするんだ』と突っ込まれても、抽象的な話しか出てこない。不自然極まりない記者会見でしたね」

 政治評論家の野上忠興氏は「誠意のカケラもなかった」と斬り捨てた。

「増税の公約を果たせなかった以上、その財源で賄うはずだった社会保障はカットされるわけです。まずは『すみませんでした』と詫びるのが筋でしょう。しかし、アベノミクスの非は認めず、逆にズラズラ数字を挙げて成果を誇った。例によって、野党批判まで口にした。失政を全く認めず、経済減速はすべて世界経済のせいにした。『先のG7ではあらゆる政策をやることになった』などと誇張して、増税延期を正当化した。しかし、こんな説明にはムリがあるから、麻生財務相などが延期に反対したのでしょう? それなのにむちゃな理屈を押し通して恥じない。会見での話し方もどこか高揚していて、マトモには見えず、心配になりましたよ」

 これが国民大多数の感想ではないか。

回避したいのは経済危機ではなく政治責任だろう

 経済の専門家の見方はもっと手厳しい。

「安倍総理は会見で『今そこにあるリスクを正しく認識し、危機に陥ることを回避するため、しっかりと手を打つべきだ』と言いましたが、サミットで首脳に配った資料は『今そこにない危機』を誇張するものでした。回避するのは経済危機ではなく、安倍首相の政治責任なのでしょう。安倍首相は世界経済のリスクを説明する際、新興国の経済減速を挙げていましたが、日本が消費税増税を回避したところで、中国の債務危機が解消するわけではない。百歩譲って、日本がマイナス成長を回避できても、1%未満成長がせいぜいですから、世界経済の成長にほとんど寄与しない。それよりも、世界経済にとっての最大のリスクのひとつは、日本の財政危機なのです。つまり、安倍首相がやっているのは世界経済危機を煽っているようなものです」(シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏)

安倍首相は会見で、有効求人倍率が全県で1を超えていることや、パート賃金の上昇を力説、アベノミクスの失敗を認めるどころか、これでもかと自慢話をしていたが、これも田代氏に言わせると噴飯ものだという。

「日銀が発表している資料、『需給ギャップと潜在成長率』を分析すると、日本の企業は国内での資本投入、つまり、設備投資が不足で、その分を労働投入、雇用で補っていることが分かります。本来であれば、設備投資も雇用も増えてこそ経済は回るのに、極めていびつな構造なのです。これが意味するところは、日本企業が設備投資を怠り、老朽化した設備をそのままにして、単純労働者の雇用を増やしているということです。こうした労働者は景気が悪くなれば、イの一番に切られてしまう。切れるからこそ、企業は設備投資ではなく、雇用で調整しているのです。アベノミクスで雇用が改善としたとしても、実態は決して喜べないのです」

■完全にイカれている三百代言首相のオツム

 アベノミクスが成功しているというのであれば、なぜ実質賃金が上がらないのか。雇用が改善しているのなら、なぜ内需に火がつかないのか。バブルを煽るだけのアベノミクスの限界、失敗なのであって、消費税増税延期は当然だとして、このアベノミクスのエンジンをさらにふかしたところで、どうにもならない。抜本策を先送りし、日銀の異次元緩和を加速化させれば、取り返しのつかないことになる。やっぱり、この内閣は総辞職させるしかないのである。

「もともとアベノミクスは幻想ですから、宗教のように『この道しかない』と言い続けるしかない。今さら『失敗でした』とは言えないのでしょうが、そこに持ってきて、世論がますます、安倍さんを勘違いさせているんです。アベノミクスの失敗は歴然なのに、それを頑として認めない安倍さんの支持率が下がらない。サミットでの我田引水もひどかったのに、また支持率が上がった。そのため、安倍さんは『弱気を見せたらダメ』『むちゃな論理でも強いリーダーを演出することが大事』だと思い込んでいるのでしょう。有権者がきちんとした判断を示さないと、勘違い首相の間違った感覚がますますエスカレートすることになります」(コラムニスト・小田嶋隆氏)

 自己愛の激しい首相が支持率に浮かれて、ますます増長、常軌を逸しているのが今の姿だということだ。異様で異常な強気の三百代言はオツムがイカれているか、真の詐欺師のどちらかだ。この会見でも支持率が下がらないようなことがあれば、日本全体が安倍同様、イカれていることになる。
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