｢百万本のバラ｣について

僕はかねがね、あの百万本のバラという歌について、いくつか腑に落ちないと思っていたところがある。
https://www.youtube.com/watch?v=dOHF8FuNyC4
まずは、加藤登紀子｢百万本のバラ｣でも聴いて落ち着いて欲しい。

では、ちょっと歌詞を見てみましょうか。


■百万本のバラ■


小さな家とキャンバス　他にはなにもない

貧しい絵描きが　女優に恋をした

大好きなあの人に　バラの花をあげたい

ある日街中の　バラを買いました

百万本のバラの花を　

あなたに　あなたに　あなたにあげる

窓から　窓から　見える広場を

真っ赤なバラで　うめつくして・・・・・



ある朝彼女は　真っ赤なバラの海を見て

どこかのお金持ちが　ふざけたのだと思った

小さな家とキャンバス　すべてを売ってバラの花

買った貧しい　絵描きは

窓の下で彼女をみてた

百万本のバラの花を

あなたは　あなたは　あなたは見てる

窓から　窓から　見える広場は

真っ赤な　真っ赤な　バラの海・・・・・・


では、とりあえず、バラって幾らぐらいするのかと。
まぁ、安いところでは１９８０円なんて超格安なところもありますが、当然もっと高いところもある訳です。
更に、１９８０円のバラのクオリティとは信頼出来るのか？と言う部分もあります。
恋をした女優さんにあげるんですから、品質には或る程度以上こだわりたいところです。
そこで、百本のバラを格安で提供しているお店、東京花小街さんのホームページを見てみる事にしましょう。
http://www.hanakomachi.com/giftflower/
ふむ、３８８０円（税別）です。

しかしながら、貧しい絵描きは、１００万本もバラを買います。
１万倍です。

３,８８０円 × １０,０００ = ３８,８００,０００(円・税別)
消費税（８％）だけで、３,１０４,０００円になります。
合計、４１,９０４,０００円
もう、ＡＫＢ４８のＣＤを３００万円分まとめ買いするヲタとかが可愛く見えるレベルです。

良いですか？
貧しい絵描きは、小さな家とキャンバスを売って４２００万円を花屋に支払う訳です。
東京花小街さん、大儲けです。
でもですよ、小さな家とキャンバスを売ると、それなりに仲介手数料やら何やらが掛かってくるはずです。
第一、明日から生活すべき家がありません。
住む場所も確保しなければなりません。
引っ越し費用も発生してくるでしょう。
納税申告も必要になってきます。
その経費を勘案すると、＋１５００万円ぐらいの家とキャンバスを手放した計算になるでしょうか。

５７００万円の、家とキャンバス。

果たして、それは｢貧しい絵描き｣と言えるのか？と。
両親が残してくれた家に住みつつ、｢自称画家｣を名乗るニートみたいな身分の人となりがなんとなく想像出来てしまいます。

で、ニート画家のキャンバスがどれぐらいで売れるのか？という問題ですが、まぁゴルゴ１３でも現れない限りは｢それを全部くれ。｣などとは誰も唐突に言わないだろうと思われます。
それでもまぁ、大甘に見て１００万円ぐらいで全部売れた事にします。
家（土地付き）で５６００万円。

５６００万円もあったら、群馬県じゃ相当でかい家が買えます。
しかしながら、あくまで貧しい画家が売ったのは小さな家とキャンバスです。
恐らく、街に近いところかと思われます。
で、見つけたのが、これ。
http://suumo.jp/jj/bukken/ichiran/JJ010FJ001/?ar=030&bs=021&ta=13&sc=13123&kb=5000&kt=6000&tb=60&tt=70
東京都江戸川区一之江７丁目
都営新宿線「一之江」徒歩6分
2LDK
５４８０万円。
１２０万円もお釣りが来ます。
しかも、東京花小街　葛西店にも比較的近いです。
わざわざ女優さんがやってくるとは思えませんが。

しかし、である。

出会いはそれで終わり　女優は別の街へ

真っ赤なバラの海は　はなやかな彼女の人生

貧しい絵描きは　孤独な日々を送った

けれど　バラの思い出は　心に消えなかった

・・・うーむ、切ない。
切ないけど、惚れちゃったんだからしょうがないよね。
男なら、負けると分かっていても戦わなければならない時があります。
その男の生き様というものは理解出来る一方で、一時の感情に流された結果に老後はナマポ生活とかヌルいことを考えているようだったら、ちょっとシメてやりたくなる気はします。

それにしても、絵描きが惚れた女は、こんな一世一代のアタックをおふざけと思っちゃうような女優さんです。
｢え？どっかのお金持ちのイタズラでしょ？これ。超ウケるんですけどー。｣
とか言って、無慈悲に写メとか撮りながら、どっかのイケメンとシャンパン飲んでる姿が目に浮かぶようで、何とも言えない気持ちになります。

とりあえず、｢ニートは女優に恋するな｣と言う教訓を、加藤登紀子は僕らに教えてくれているのでしょう。
左巻きの割に、ずいぶんな事を言いますよね。
でも、これが資本主義です。
あははははははは。

・・・え？ロシアの歌なの？これ？

因みに、１００万本のバラってどんだけの量になるのだろうか？と言う話ですが、こちらをご覧下さい。
http://www.huistenbosch.co.jp/event/rose/gallery.html
現在は１２０万本との事ですが、数年前まで１００万本を売りにしてたっぽいので、まぁそこから推察していただきたいなと。
テーマパークでイベントが出来るレベルです。
そもそもに、この思いつきを事業化するぐらいの勢いが無いのならば、安易に家なんか売っちゃダメだという気がして参りました。


バラの花言葉は「数」でガラっと変わる！ 17本のバラは「絶望的で挽回できない愛」て意味なのです / 6月2日は「ローズの日」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=114&from=diary&id=4022634