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2016年05月06日08:01

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「子ども」の問題でないことだけは確か、思想の貧困

■感情表現は「キモい」「ウザい」「ヤバい」3ワードのみ 子供たちのボキャ貧が深刻化
(産経新聞 - 05月05日 20:09)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=133&from=diary&id=3978654

語彙が貧しければ、思想のみならず事実の表現も多様な段階の伝達が困難になる。
しかし、この記事自体が「説明原理としての言葉」に対する反省に欠けていて的外れの俗論にしかなっていない。
そういうつもりで書いちゃいないでしょうが。
よく使われるどんな言語でも、「自国語の」辞書を作ってみると他国語起源の単語のほうが多い。
英語でも日本語でもそう。
使用頻度で見るとまた別なのだが、見出し語数で言えばたとえば日本語なら漢字2字の熟語が相当多い。これらの起源は古いものではなくここ150年間にヨーロッパ系の言語からの訳語として導入されたものが主流となっている。つまり、200年前の通常の日本語話者はこうした語彙を持っていなかった。
乱暴なことを言えば、むかしの「書物をそもそも読まない」庶民の語彙が豊富であったという証拠はない。逆であった可能性のほうが高いだろう。
「自己の労働の収奪が当然のようになされていることへの深刻な疑問」を一般の農民が持ち、同様の環境にいる人たちと共有できたんですか?ということを考えてほしい。
とても難しかったろうと思う。
その思想を表現する語彙がどんなものであるかという事実が傍証となる。
どんな「ボキャ」も獲得過程が必要であって、その環境に欠けていることには「親などの近しい人たちの語彙」も含まれる。本質的かもしれない。
発信側にいるというのは大変有利な立場なので、それを有効に使うという潜在的な責任もあるといえる。
記者には猛省をうながしたい。
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