佐藤優: 私は菅直人さんをもう一回評価しないといけないと思っています。3・11の福島原発事故は、菅直人さんが総理だったから極端な人権侵害は起きなかった。彼によって憲法を超えるような事態の時に、人権が担保されたという一点において、私は菅直人という政治家をもう一回きちんと見直さないといけないと思うのですよね。みんな彼に対して悪口ばかり言うんだけれども、そうじゃなくて、彼は彼なりに歴史的な使命を果たしたんですよ。
佐高信 3・11の時に東電に乗り込んだっていうの、私はあれは逆に評価するってある週刊誌に言ってしまったのね。
佐藤 それでしかも彼は怒鳴るという形でやったんだけれども、超えてはいけない線、例えば令状主義であるとか、非常事態だから行政命令を出して東電職員を強制的に働かすとか、そういうことはやってないわけですよ。もし菅さんじゃない。人権感覚が希薄な人が総理だったならば、相当酷いことをやったと思いますよ。
佐高 そう、例えば今の安倍だったらね。
佐藤 安倍さんにその腹があるかどうか別として、野田前総理でも相当、乱暴なことがあり得たと思う。
佐高信＆佐藤優著『喧嘩の勝ち方』P177〜p178
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3976470
与野党幹部は３日放送のＮＨＫ番組で、憲法改正について議論した。与党側は大災害や有事の際、政府に強力な権限を与える緊急事態条項の新設に向けた議論を進めるよう訴えたが、野党側は慎重意見が目立った。
自民党の高村正彦副総裁は、憲法改正に取り組む項目について「大災害時の国会議員の任期（延長）や選挙に関する規定（変更）は憲法を改正しないとできない」と述べ、緊急事態条項の必要性に言及した。自民党が２０１２年にまとめた憲法改正草案では、首相が緊急事態と宣言すれば、内閣は法律と同じ効力を持つ政令の制定が可能で、国民は国の指示に従わなければならないと定めている。
公明党の北側一雄副代表も「緊急事態の際に衆院が解散されていた場合の議員任期延長の特例については議論すべきだ」と述べ、具体的に議論を進めるべきだとの考えを示した。
これに対し、共産党の志位和夫委員長は「自民党の草案を見ると、首相の判断で国会にも諮らずに緊急事態の宣言ができる。緊急権で権力を自由にしてしまうのは危険な毒薬だ」と述べ、反対した。おおさか維新の会の片山虎之助共同代表は「検討するのはいいが、それより国民にとって切実で緊急な問題がある」と述べた。
民進党の岡田克也代表は条項の是非には触れずに「与野党で合意形成を目指す流れが変わった。最大の理由は憲法改正に慎重な人たちを『無責任だ』と公言する安倍晋三首相の態度にある」と述べ、安倍政権下での憲法改正論議には応じない意向を重ねて示した。
夏の参院選で憲法改正が争点になるかについては、高村氏は「主要な争点にするかどうかは国民が決める事だ。政治家が勝手に主要な争点とは言えない」と語り、北側氏も「争点にはならない」と述べ、いずれも否定的な見方を示した。
一方、岡田氏は「安倍首相の眼目は９条改正だ」と警戒感を示し、志位氏も「憲法改定の是非は大きな争点になる。野党共闘の主題として訴えていきたい」と強調した。【加藤明子、松本晃】
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