4月30日
偉大なる逆説
病気で苦しんだ遺産、そして回復の遺産は、一人のアルコホーリクからもう一人のアルコホーリクへ次々に手渡されてゆく。この遺産は神から私たちに与えられた贈り物であり、それを自分と同じような人たちに手渡すことが私たちの一つの目標である。今日、世界中のAAメンバーが積極的にその活動に取り組んでいる。
12のステップと12の伝統 204ページ
AAの偉大なる逆説とは、ソブラエティという貴重な贈り物は、私がそれを手渡してゆかない限り維持できないということである。
私にとって第一の目的は、飲まずに生きることである。AAの中ではそれ以外の目標はなく、私にとっては生きるか死ぬかの重要な問題である。この目標への方向を変えれば、私は失敗する。けれどもAAは私一人だけのものではない。まだ苦しんでいるアルコホーリクのものである。多数の回復中のアルコホーリクは、仲間のアルコホーリクと分かち合いを続けることでソブラエティを守っている。私が回復する方法は、私が仲間たちと分かち合いをするとき、私も彼らもハイヤー・パワーの恵みの中で成長し、そして私も彼らも幸せな目標へ続く道を歩いているのだということを示すことである。
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「今日を新たに」 2004年5月31日 翻訳改訂版発行
AA日本ゼネラルサービスオフィス(JSO)発行
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4月30日
AAプログラムは、信仰のプログラムである。ソブラエティに生き続けるために、私たちは自分より偉大な力に信頼を置かなければならない。私たちはアルコールに無力であるが、自分の飲酒の問題を神のみ手に委ね、神が新しい生き方に必要な力と勇気を与えて下さると信じたとき、飲酒の問題は威力を失う。宇宙の神聖なる原理、神と呼ばれる方への信仰は、AAプログラムのエッセンスである。
私の信仰は揺るぎないか?
黙想
私たち一人一人は神の子供である。だからスピリチュアル(霊的)な成長は無限に約束されている。季節で言えば、若者は春のようなものだ。収穫の秋はまだ先であるが、花はもうすぐ開くことが約束されている。私たち一人一人の中に神性の輝きがある。誰もが神のスピリット(霊)の一部を与えられていて、それはスピリチュアルな訓練によって育てられていく。約束された喜びが満ちていることに気づこう。神の愛の日光浴の中で求めるなら、限りない祝福と喜びと素晴らしい変化は私のものとなる。
祈り
私の中に与えられた、あなたの輝きを育てさせて下さい。その結果、生命の限りない約束を味わうことができますように。
ホームカミング社 「一日二十四時間」より
※私の独り言※ 自分がアルコホーリクになったということを知って喜んだという人はいないでしょう。ところが、回復していこうとしてきた経験、苦しみ悩んできた経験というものは、経験として次にAAにやってくる人たちの役に立つものであり、それらの人たちに惜しみなく手渡していくものだったのです。私のスポンサーは、よく「無償で与えられたものは、無償で与えていく」と言っていましたっけ。
回復の経験、希望の経験、苦しみの経験、どのような経験であっても、それは私たちが次の人に手渡していくべき贈り物であって、一人のものではない、ということをつい忘れてしまうことがあります。でも、思い起こせば私も何も知らないでAAに来たときに、そういう経験を手渡されて「持ち帰りたいものだけ持ち帰って、そのほかのものはここに置いて帰ってください」と言われました。それがなかったら、私もここまで歩んでこられなかったでしょう。使ってくれるかは分かりませんが、手渡すだけは手渡そうという気持ちは、人の役に立とうという気持ちと同じなのでしょう
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