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2016年04月21日21:47

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Exchange a Smile

すみれが咲きますってえと春を告げちゃったりするそうで、
楽しかったり悩ましかったりもするそうで、
人の心を酔わしちゃったりもしちゃったりするそうですが、
それより花粉が収まりかけてひと心地の鉄鋼と鋼鉄です。

先日、縁あって宝塚歌劇を見に行ってきました。
人生初の宝塚でございます。
まさに"すみれの花咲くころはじめて君知りぬ"です。

演目は雪組公演 浪漫活劇 「るろうに剣心」。
理由は原作の「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」が好きだからでございます。

宝塚歌劇に関しましては恥ずかしながら全くの門外漢。
たまにテレビに出演されているタカラジェンヌの方々をお見かけして
男役の方格好良い。娘役の方華やか。試験とか大変ぽいというイメージ。
生のジェンヌさんやジェンヌさんの舞台を拝見するのは初めて。

今まで踏み入る機会がなかった世界でございましたので
果たしてどんなものかしらという好奇心もコミコミで行ってきました。

実に華やか煌びやかで楽しませて頂き、大変興味深うございました。
大変興味深うございましたのでここから思った事を箇条書きです。
お話の本筋に触れたり、「るろうに剣心」を知ってる方向きな事も織り交ぜて
書かせていただきます。だって「るろうに剣心」好きだから。何卒ご容赦のほどを。

●実際の会場の印象

・最初普通に発売日に前売りを買おうとしたら瞬殺。
だもんで今回は当日券。二階最後方立ち見とはいえ\1500は超お値打ち。
舞台の動きが一望できて絶景。でもジェンヌさんたちのお顔がよく見えない。

・実際に東京宝塚劇場に行きますとお客さんはおしなべて女子づくし。

・女性ばかりの中にマスク姿の男が二人という妙な背徳感。
行き交う女性の怪訝な二度見の視線が刺さって痛い痛い。

・清潔感あるロビーのシャンデリラやら赤絨毯な長階段やら自動演奏のピアノやら、
グッズショップに入ると「行ってらっしゃいませ」、
出ると「お帰りなさいませ」とスタッフさんが言ってくれるやら、
劇場に入った途端にまー普段触れる事の無い世界で妙に緊張しました。

・パンフレットが\1000。ありがたい。

・ホールに入るとオーケストラピットがあってビビる。オケピも初めて。

・開演直前のアナウンスは男役の方がかっこよく担当されていたのですが、
このアナウンスの時点でお客さんは静聴。すばらしい聞く姿勢。

・休憩時間が30分というのも女子にやさしい。でもトイレめっちゃ混んでる。

●お話

・実写映画1作目(というか読み切り1作目)をベースに前半の話をミックスした感じ。
単行本でいうと4巻までのエピソードをいい感じにひとつなぎにされており、
幕末編を少々+偽抜刀斎騒動+すったもんだで門下生+斬左編+御庭番集編に
藤田五郎警部補をトッピングし、そこにオリジナル要素という感じの内容。

・オリジナル要素として登場したのは、実在した新撰組隊士の加納惣三郎。
司馬遼太郎先生の小説「新撰組血風録」では隊士を翻弄する妖しの前髪美隊士で、
大島渚監督の「御法度」では松田龍平さんが演じられていました。
実際は女遊びにハマって辻斬りしてたら粛清されたというお方だったそうで。
今回はその辺りを掘り下げつつ、独自の解釈を交え、さらに鵜堂刃衛的立ち位置で
人斬りの業を剣心に問いかけるというキャラクターで、「るろうに剣心」好きとしても
新撰組好きとしましてもとても面白い存在になっていて脱帽でした。

・加納惣三郎がメインの敵役になっている分、
同じく幕末の影を背負って明治に生きている左之、蒼紫様、斎藤達の活躍は控えめ。

・妙さんや燕殿達が軽くアヘン漬けにされかけている光景は割と衝撃。

・弥彦ちゃんと燕殿がまったく絡みが無くて少々残念だったのですが、
後半も後半に本筋が進んでいる脇で台詞が無いながらストロベリっていて嬉し。

・屋内から屋外に出るのがセットの回転で表現されてて驚き。

●キャラとキャスト

・剣心の「おろ」がアニメ版とも実写映画版とも違うアプローチで楽し。

・薫殿の声が若干ハスキーなのも"らしく"て 横山智佐さんみたいなお声で素敵。
袴姿だから真宮寺さくらさんみたい。

・左之助の斬馬刀がすごい。けどただの気のいいあんちゃんになっちゃってる。
おはぎは食べないでほしかった。

・弥彦ちゃんの演じ振りが本当に子供みたい。演じた彩みちるさんは
新人公演で薫殿を演じられているそうで、それも魅力。

・蒼紫様の立ち姿が麗しい。あまり目立たなかったのが残念。しかも最初から小太刀二刀流。

・異形異様の御庭番衆をどうするかと思ったら、名前の元ネタ通りの能面被って出てきて興奮。

・実写映画版の時もそうでしたがこういう話に斎藤一を絡めるのは難しい。
キメどころ以外は刀を右手で扱ってたり、自分の正義より明治政府に従ってる感。
作中でも実写化でも飼いならされない壬生狼ぶりは実にジョーカーな存在でございます。

・辰巳が刀を使っている! 術式・無敵流なのに!

・観柳が原作よりもマイルドな性格になっていていい塩梅の存在感。
彩凪翔さんが実に生き生きとガトガトと演じられていて楽しかったです。

・ラジオドラマ以来、アニメ化、映画化の際は存在が省かれまくっていて
とても不憫だった比留間喜兵衛がやっとこさ登場。しかも多西親分に変わって組長に。

・「るろうに剣心」好きとしましてはあの"人斬り"我介さんの登場に嬉しく驚き。
あのキレると何をしでかすかわからない我介さんが、しかも髪型もちゃんと原作通りに。

●歌

・アニメ版の歌はANIMETALが手がけた楽曲や山田ひろしさんが作詞された曲以外は
ほとんど作品と関係無い歌ばかりだったのですが、今回はミュージカルなので
ちゃんと作品に沿った歌が歌われるのでとても安心。
特に御庭番衆の歌はカッコよく、「これがガドリング砲」はぶっ飛んでて良かったです。

・さすが天下の宝塚。歌力の凄さは言わずもがなですが、
激しい殺陣や軽やかなダンスをしながら歌われている様子は圧巻でした。

・妙さんがパワーボーカルだったとは。

・印象的だったのは神谷活心流を紹介する「人を活かす剣」。
まさか原作でも後半に登場する奥義まで織り交ぜているとは思いませなんだ。
それどころか連載終了後に描かれた番外編の内容まで入るとは。

・本編終わってからの宝塚名物のレビューパレードも。
名物の大階段、シャンシャン、ラインダンス、大きい羽根を堪能。
短い時間ながらも大人数でのダンスはそれはそれは華やかでした。
最後にこれまで歌われた曲がメドレーで歌いつながれて行くのにも圧倒。
「懐かしくってヒーロー」みたい。

・アンコールもカーテンコールもなく終わったのも清しかったです。

実に華やか鮮やか煌びやかで楽しませて頂きました。
さすがの100年越えの伝統。多くのファンの心を話さないというのも頷けました。

台詞がそのまま使われていたり、歌に別エピソードの要素が織り込まれていたり、
アクションも原作を思わせるものだったり、あまり掘り下げられなかった部分に
スポットが当てられてたりと、原作ファンとしては嬉しい事づくし。
元が暗い話なので全体的に明るい作風にアレンジされていたのも良かったと思います。
"エンターテイメントの基本は笑顔とハッピーエンド"という
和月先生の理念をしっかり守っていたのが非常に嬉しかったです。

ただ原作ファンゆえにどう話をまとめるのかが気になってしまい、
純粋に宝塚の歌劇を楽しみ切れなかった部分があるので、
次の機会はそのあたりを気をつけたいと思います。

去年の歌舞伎に次いで今年は宝塚と見聞が広がりました。
年齢を重ねると行動するのが億劫になるのを実感する昨今ですが、
まだまだ初めて触れること、ものが多くございます。初めてボーイズです。
まだまだ色々と経験を積んでいかねばと思いました。

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