■逮捕の田母神元幕僚長 本誌が直撃でつかんだネタ
(dot. - 04月20日 11:31)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=3956071
【失墜−田母神元空幕長逮捕(下)】“浄財”の認識あったのか 高級クラブ、婦人服…「まるで生活費」 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/affairs/news/160420/afr1604200001-n1.html
おかしい−。黙々とパソコンの表計算ソフトに向かっていた元航空幕僚長は、その数字に目を疑った。平成26年12月の衆院選に敗れて迎えた年末年始、そんな田母神俊雄(67)の姿があった。
陣営の資金をつかさどるはずの元会計責任者は帳簿すらつけていなかった。資金管理団体「田母神としおの会」の口座の通帳と、膨大な領収証を突き合わせる作業だった。
団体の26年の収入は約1億3200万円。同年2月の都知事選後には約6千万円の残高が確認されていたが、同12月の衆院選後の残高は限りなくゼロに。田母神は正月早々、陣営関係者らを呼び、声を荒らげた。
「5千万足りないぞ!」
田母神は27年2月中旬、2度にわたって、「正直に話さないと大変なことになる」と元会計責任者を詰問し、不明金の使途をただした。そして、記者会見で運動員買収を否定した上で、横領疑惑を公表した。
その1年後。田母神は側近の事務局長、島本順光(69)とともに、運動員買収の公職選挙法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されることになる。
×××
政治資金の流用、それは元会計責任者だけの問題だったのか。
「島本さんのボトルはカラにしないでくれと言ったじゃないか!」
東京・赤坂の高級韓国クラブ。元会計責任者はママに怒りをぶつけた。毎週木曜日は島本を慰労する「メンテナンスデー」。島本は韓国語のカラオケを熱唱するのが楽しみだった。使途不明になっている政治資金の一部は、そんな遊興費に費やされたとみられている。
使途不明金の総額は約5千万円。うち約2千万円は運動員の買収資金とみられるが、残りの使途について、ある陣営関係者は「まるで生活費のようだった」と振り返る。
高級スーツやコートなどに200万円近く、墓の修理費にも…。こうした証言に、田母神は「私の背広は3万円以下」と反論する。そして、強制捜査後の記者会見には、ある“仕掛け”をして臨んだという。
「何が200万だ。500万だ、と見せるつもりだったんだ」。疑惑を一笑に付したかったのか、田母神はスーツの裏地に「500万」と書いた紙を貼っていたと明かす。それは実現しなかったが、そんな田母神には、空自トップだったころ、自衛隊のイラク派遣を「一部違憲」とした判決を受け、「そんなの関係ねえ」と流行語を言い放った姿がかぶる。
×××
《秘書業務並びに原稿添削業務の月額100万円》
21年12月、田母神は交際相手の女性と契約を交わし、事務所に迎え入れた。この交際相手の婦人服代に「接待交際費」として支出していたとの証言もある。
田母神や島本に言われるまま口座から毎週50万円以上を引き出し、2人に渡していたという元会計責任者は周囲に「自分はキャッシュディスペンサー(現金自動支払機)のようだった」とこぼしていた。
田母神は公私混同とも取れる使途について、「私的な領収証であっても状況によっては政治資金から支出される場合がある」と釈明する。「1500万円近い金を資金管理団体や後援会に入れており、それを考えれば、横領といわれる筋合いはない」とも言う。
「浄財という認識がどこまであったのか」。これが検察幹部の率直な感想だ。田母神を支援してきた元後援会長も「若者が事務所で現金を出して『日本のために使ってほしい』という場面を見てきた」と振り返る。そして、続けた。
「その浄財を使ってしまった。日本が良くなるかもしれない、と思って出してくれたものだったのに…」
(呼称略)
◇
この連載は大竹直樹、今仲信博が担当しました。
ログインしてコメントを確認・投稿する