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2016年04月11日17:04

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結果ありき

■父親の元自衛官に禁錮4年6カ月判決 大分4児焼死
(朝日新聞デジタル - 04月11日 14:02)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3941395





単純に「刑が軽すぎる」、「死刑でいい」等のコメントを述べる方は残念ながら失当であり軽率だ。

本件記事を全く理解できていないと言わざるを得ない。

本件事件の被告人はそもそも「重過失失火と重過失致死傷の罪」に問われたのであって、放火罪に問われたわけではない。

そして、重過失失火罪(刑法第117条の2)の法定刑は「3年以下の禁錮又は150万円以下の罰金」、重過失致死傷罪(刑法第211条後段)の法定刑は「5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金」であるから、仮に当該行為を最大限重い罰則(併合罪の適用)であっても、その法定刑は7年6月以下の懲役または禁錮にしかならない。

当該公判における検察の論告求刑が禁錮5年ということから、併合罪の適用があったかどうかまでは分からないが、少なくとも単純に重過失致死罪においては最も重い刑罰を求刑したことになる。

一方で犯罪行為には残念ながら軽重が存在する。

すなわち刑罰にも軽重が存在するということだ。

それは法が犯罪行為を類型化し、それによって例え結果が同じ(この場合は人を殺した)であろうとも、その結果に至るまでの過程をも重要視するということに他ならない。

極端な話し、法は「通り魔殺人」と「老老介護の末の殺人」では例え結果は同じ(人を殺した)でもその過程が異なるから、当然に同じ求刑および判決とはならない。

つまり、「人を殺した」という結果だけでは必ずしも死刑が妥当かどうかは分からないということである。

だからこそ、殺人罪以外に致死傷罪が存在するのであり、罪名に応じた罰則が規定されているのである。

「人を殺した=死刑」ならば、正当防衛や正当行為であっても必ず死刑にしなければならなくなり、犯罪が成立する3大要件(構成要件・違法性・有責性)も何もあったものではない。

それは法とは言わない。

単なる「私刑」であって、必ず統一性が取れなくなり(恣意的になるということ)致命的なほころびが生じる。


上記のことから、冒頭に述べたように単純に「刑が軽すぎる」、「死刑でいい」等のコメントを述べる方はその趣旨が「重過失失火罪および重過失致死傷罪の適用は妥当ではなく、放火罪を適用するべきであった」や「未必の故意も含めた殺意を認定し殺人罪または放火罪で起訴するべきであった」等であるならば妥当だが、そうでないのであればコメントとしてはいささか短絡的である。
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