mixiユーザー(id:2438654)

2016年04月10日22:59

1145 view

東京春祭ワーグナー・シリーズ『ニーベルングの指環』第2日《ジークフリート》

2016/4/10日 15:00- 東京文化会館

演奏会形式/字幕・映像付

■出演
指揮:マレク・ヤノフスキ
ジークフリート:アンドレアス・シャーガー
ブリュンヒルデ:エリカ・ズンネガルド
さすらい人:エギルス・シリンス
ミーメ:ゲルハルト・シーゲル
アルベリヒ:トマス・コニエチュニー
ファーフナー:シム・インスン
エルダ:ヴィーブケ・レームクール
森の鳥:清水理恵
管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル )
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
映像:田尾下 哲

東京春祭のワーグナー・シリーズ、私はマイスタージンガーから行き初めて今年が4年目。毎度かなり質の高い公演がお手頃な価格で観られるということでお気に入りなのですが、今年はリングシリーズ始まって以来の最高の満足度でございました!

ジークフリートってリング4部作の中では今一つ地味なイメージだったのですが、こんなに面白くて休憩込みで5時間があっという間とは!

とにかくシャーガーのジークフリートが最高!この方40台半ばということなのですが、なぜにこんなに若々しいのか?!演奏会形式で衣装もつけていなかったにも関わらず、無垢で向こう見ずでしかも純粋な若者ジークフリートそのもの。歌いながら身振り手振りはもちろん、視線の送り方、はてはダンスまで、まさに熱演!可愛らしくて、母性本能くすぐられまくりでした〜。最初からテンション高くて最後まで持つのかしら?と心配になったけど、最後まで全くテンション落ちず。いやーすごい。

今更ながら春祭のプロフィールを読んだら、オペレッタで長く活躍していらしたのですね。なるほど、それであの洒落た演技に納得です。来年のバイロイトではパルジファルを演じる予定とのこと。似合いそう、観てみたいなー。

実は私、幸運にも彼のことを、昨年末のバッティストーニ指揮×東フィルの第九、今年2月にバレエ目当てで行ったハンブルクでのさまよえるオランダ人のエリック、と立て続けに舞台で観ることができています。どれもよかったのですが(ご興味のある方はこれまでの感想をご参照ください)、ジークフリートは役へのはまり具合がそれらと比べ物にならないくらい、いい!

そしてミーメのシーゲルも素晴らしかった。この方、衣装がなくてもミーメっぽいのも凄い^^; けど、歌も安定してるし演技も細かくて、愛情深いかと思いきややっぱり油断ならない微妙な小男ミーメを最高に好演。この演目、ジークフリートとミーメがよくないと面白くないんだなぁと実感させていただきました。

二人以外の歌手の皆さんもとてもハイレベル。そして、オケも超よかったと思います。歌手の熱演と、キュッヒルさん、そして緩急ある情熱的な演奏を目指した(と思われたのですが)ヤノフスキにしっかり応えて、思い切りのいい、情熱的なワーグナー。私はこういうの好き!

そして、字幕もよかった。キャラ毎に言葉尻が微妙に変えてあって、ワーグナーを知り尽くした広瀬さんならではの、字幕だけでキャラクターが浮かび上がってくる素晴らしい内容でした。

日本でこれだけのワーグナーが、あんなお手頃な価格で聴けるなんて。春祭の主催者および運営スタッフの皆さんには、心から感謝です。でも、リングシリーズが来年の神々の黄昏で最後というのは、超悲しい・・・。キャストはどうなるのかな。いずれにせよ、来年も楽しみにしています!

*シャーガーがバイロイトでパルジファルを演じるのは、2017年からでした、訂正いたしました。
8 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する