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2016年03月27日01:00

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ノルディックウォーキングの「想定外」の事故

ノルディックウォーキングというのは、UP写真のように、先端が斜めにカットされた2本のポールを使って歩くスポーツなんですが。

*動画
Nordic Walking - la tecnica di Pino Dellasega
https://www.youtube.com/watch?v=4nnvg2nIumA
動画はたくさんありますが、動きの初歩の基本と発展形までの全体像がわかるのは、これがベストです。
なお類似のもので、ポールの先端が平らな、ポールウォーキングというのもありますが、動きが全く違います。

この「2本のポール」というのが、なかなか曲者で。
きちんと扱い方を身につけないと、事故につながる恐れがあるという警告です。

巷の指導者たちは、「免疫力がついて、ダイエットにも有効・健康に良い、穏やかな高齢者向け全身運動」と、効用だけを宣伝して、事故防止策を注意しません。
また始める初心者も、「普通に歩いて転倒しない者が、まさか杖を使って歩いて、転倒する」とは、まったく「想定外」だったでしょう。
しかしそこが盲点なわけで。

特に始めるひとが高齢者の場合(私が通っている区の体育館主催の公開練習では、参加者はほとんど60歳〜70歳代、80歳代がちらほら。若いヒトは、親の付き添いです)、「事故は想定外」ではなくて、「起こり得る」という前提で、事前に注意しておく必要がありそうです。


風も春めいた最近1か月で見た転倒事故は、2ケースとも似た感じのパターンで。
暖かくなって運動不足を自覚して、「最近都会で流行だから」と始めたのは、良いことなんですが。
で、「杖をつくのだから、安心安全だろう」と思い込むのも勝手なんですが。、

ポールを使うということは、「4本足で歩く」ということなので、初心者は「ポールの扱い方」から習うことになるのですが。
それを、1,2度経験した程度だったり、練習に間が空いたりすると、身体がうろ覚えで、3番目4番目の足であるポールの存在を無視して、勝手にむかしの癖で2本足に頼って歩いてしまって。

結果、バランスを崩して転倒してしまって、転ぶという事故が、立て続けにおきました。

*私は習い始めて10か月で。週1回の集団練習以外に、週3回程度5,6kmの自主練習で、ようやくポールを使って、肩甲骨の回転と、ポールに乗って股関節で重心移動出来る4本脚歩行レベルになりました。
「4本脚歩行」だから、全身運動と宣伝されるのですが、実際出来てなければ、歩いていても効果はないわけです(笑)

今はやらなくなりましたが、5年前までやっていた「月1ゴルフ」にくらべても、運動量が違います。
で、今70歳の私の運動神経は、脚の感覚を取り戻すだけで、そうとう時間がかかりました。
始めて最初の1か月は、週1回の公開練習に参加するだけで、体力的にも身のコナシも、「やっと」でした。
(それでも始めて1か月で、体幹が安定して、ゴルフのスコアが10upしてますから、効果があることは確かですが、これもヒトによるようで、「効果なかった」という小父さんも大勢います)

だから10か月ったっても、それでも時に、足の動きにモツレを感じることがあります。
今は、足を前に出す瞬間、「ポールに重心を乗せて、その反発力を使いながら、股関節の上で、身体を前に運んでます」ので、足だけに頼ってないので、モツレても、転ぶということはないのですが。

普段の歩きでは、ほとんど意識しませんが、筋力がないと、ポールも足も、正確に安定した場所に降りるということは、普通無いわけで。
惰性で降ろした先で、足首とかが揺らぐことはあるわけで。
足のモツレは、慣れた者でも、時に経験するくらい、ふつうにあることなわけです。

動きは、一見、簡単に見えますが、ノルディックウォーキングはスキーのクロスカントリー競技の夏場の練習から始まった、結構ハードなスポーツなわけで。
私は、冬場でも1時間半の練習で、大汗をかきます。
*ウィキペディアの説明
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0

転倒者の一人は、「杖をもったウォーキング」だから、「ウォーキングより楽だろう」と考えていたそうですが。
むしろ逆でして。
全身を柔軟に使いこなす運動なので、足だけに頼って歩いていた初心者にとっては、「肩甲骨を股関節のように使って歩く(ライオンや虎やチータが歩くときの、肩の動きを思い出してください)」ことを、身体がおぼえるまで、時間がかかるわけで。
その方は、いつもそばで練習しているウォーキングのグループに参加していたそうで、むしろポールが邪魔と感じる、身体の動きだったんじゃないのかな?

ノルディックウォーキングは、「杖をついたウォーキング」(ポールを前につく「ポールウォーキングが、この動きに近いです」)ではなくて、身体の重心移動では、競歩に近い動きのスポーツでなんです。

で、2人の転倒者は、練習場には、歩いて来たり、自転車で来たりしてましたから、特に日常生活で、ヒドイ衰えは自覚してなかったようです。
それだけに本人はショックだったようですが、すでに基本が無意識に出来るほどになっている指導者は、盲点をつかれた感じで。

初心者が、「どこでつまづくか?」を、正確に振りかえって、指導方法を再構成する必要があるでしょう。

指導者たちは、「そうゆうときは、ああしろ・こうしろ」といってましたが。
それが出来なかったから、転倒したわけで。
転倒に至るプロセスを分析しないと、何度でも、同じことは起きるわけです。

週1回1時間半の公開練習で、転倒が2回起きたということは、自分は転ばない指導者の事故分析が進んでないし、共有されてないということです。

で、転倒者は、ポールを持って歩きはじめて、最初の200mぐらいは普通に歩いてましたが。
やがて疲れが出て、脚がもつれ始めた途端、ポールの使い方をすっかり忘れてしまって、「トットットと前のめり」に歩きはじめて、そのまま止まらなくなって、パニックのまま前倒しに倒れてしまったわけです。

450mほどのサークルのウォーキング・コースで、2人もほぼ同じ地点で、倒れ込んでいて。
倒れ方も、ほぼ同じで。

指導方法は、初めにポールの扱い方を教えるのですが、後は「経験」してもらうしかないので、マンツーマンで伴走することはないので。
練習目標は、本人の意識に任されるし。
実際、「経験してもらって、月単位程度で修正する」が、基本指導になっています。

しかし練習参加者のほとんどの人は、自分の課題が何なのか、わからないし。
指導者に修正方法を聞いている姿も、滅多に見かけません。

これは集団で歩いてみての印象で、アンケートを取ったわけではないですが。
恐らく、転倒しないで歩いているヒトたちは、「ノルディックウォーキングのイメージ」そのものに、まずはいろいろあって。
要は、「歩いているから、運動になっているはず」という安心感に、安住している気配があります。

で、転倒者は、「ポールを持つ意味」を、「4本脚歩行のための支援ツール」に使う全身運動のための支援ではなくて、「転倒防止用」と解釈している節があります。
現に、指導者の資格を持つ小母さんで、「汗をかきたくない」と公言している方がいますが。
当然その方の動きをみていると、肩甲骨は使われていません。
つまり全身運動よりも、「汗をかきたくない」が優先されている動きなわけです。

「流行だから」「スポーツっぽいことしているカッコイ良い高齢者」イメージで飛びついた方の場合、近くのオリンピック公園で練習している姿を見ても、ファッション先行で、動きがおかしい例をいくつか見ていて。
「まだ慣れない、下手」は、OKなのですが。
ファッション先行のチャラチャラは、武骨な70歳の老人としては、「一緒にしないで」と、勘弁してほしくなります(苦笑)

代々木・原宿ですれ違うファッション・モデルは、姿勢と歩き方で、すぐに一流か三流かが、わかりますし。
すれ違いながら、互いの歩き方を目の端で追って、相互に「恰好良さ」確認出来るのは、楽しいです。


で、転倒者は、「ポールを手に持って歩く」段階で、身体の動きのバランスを失ったわけで。
「ノルディックウォーキングの練習以前」なわけですが。
これも、「ポールを両手に持って歩く」意味を意識しないで、いきなり「歩けば良い」と考えたことで、「普段の歩行運動を、ポールが邪魔した」現象を呼んだのではないでしょうか。

実は前から気になっていたのですが、指導者たちは、「ポールに重心を乗せる動き」の練習を、まったく無視しています。
上掲の動画では、両手で身体の後ろにポールをついて、体重を乗せて、身体を前に進める動きを、見せていますが。
これが、ポールに体重を乗せる運動の基本でして。
私はこの動画を見て、ポールへの体重の乗せ方を覚えました。
これを指導員は、教えていません。

だから、みなさんポールの扱い方が、千差万別というか、ヨチヨチ歩きが増えてしまう結果になっています。


で、転倒者の怪我は擦り傷程度でしたが、なまじ「想定外」だっただけに、転んだショックの方が大きかったようで、一人は車椅子を用意するほどで。
もう一人も、30分近く、ベンチからは離れられませんでした。

はじめ、自律神経系の突然の失調である迷走神経反射を疑ったのですが。

普通にみんなと一緒に準備体操してから、歩きはじめたわけですから、「腹部の不快感、腹痛・悪心・嘔吐・眩暈・頭痛」といった前触れ症状(前駆症状)があったわけでもないらしく。

要は、身体が慣れない急激な運動による、突然の疲労からの足のモツレ(足裏の着地点の揺らぎ?)で、パニックになっての、瞬間的な「ポールの使い方の忘却」が、直接の原因だったようです。
わずかに2例ですが、たまたまとはいえ、事故発生の場所が、スタート地点から200mというのは、偶然ではないでしょう。

一般に初心者は、肩が前にすぼまったまま(猫背)でポールをつかうので、地面に着いたポールの先端が、足に近すぎて、蹴り出した足にポールが絡みつくことがあって。
それが、パニックを誘発したかもしれません。

*「胸を張って、下腹をへこませて、肩甲骨を背中にすぼめて、股関節のように使いこなす(これはYouTubeの動画でさえ、出来ているヒトは少ないですので、巷の指導者では、かなりいません。

さらにこの動きを、慣れない初心者は、「疲れる」と平気で文句言います(女性に多いですー笑ー)」を身に着けるには、私は8か月の時間がかかりましたので、初心者では、ちょっと見た目は真似できても、いつでも肩の動きが、元の狭い動きに戻ることは、十分にあり得ます。

地方の協会では、この動きを軽視して、教えていないところもあると、聞いてます。
「健康に良い・老人医療費の軽減」とかいう政治的目的もあって、急な全国的普及が、色々な混乱をまねいているようです。

私の田舎の公共機関で指導を受けたヒトは、「そんな肩を使うことは、聞いたことが無い」と言ってました。
歩くことに関心が向かうと、ポールの意味が、軽視される傾向があるかもしれません。

しかしそれでは、形は真似していて、傍目からは見えなくとも、「肩甲骨を使って、股関節での重心移動」という全身運動の効果は、半減してしまいます。

もちろん熟練した指導者ですと、、腰の重心移動で、すぐに見分けがつきます。
でも多くの方は、自分が出来ているかどうか?誰も聞きません。

実は「股関節での重心移動と、肩甲骨の回転」は、連動していまして。
それぞれ身につけるのが難しい動きなのですが、どちっが未熟でも、歩行が足の平の蹴りだしに頼る結果になって、すると足の動きが足首で支えることになって。
しかし運動不足の老人は、足首が不安定で。
すると足裏とポール先端の着地の揺らぎが起こるので、可能性として「転倒は、いつでも起こり得る」と考えておいた方が、よさそうです。

*なおそれ以前に、歩きの安定が無いということは、「足指が広がっていないことによる、足裏の不安定現象」の結果であるかもしれません。
逆立ちするとき、手の指を広げて身体を安定させることからわかるように、足指がすぼまっていると、歩きが不安定になります。
これは「子どもの転倒事故」でも、注目されている現象です。

それを修正するために、ノルディックウォーキングでは「動きをゆっくり」と指導していますが。
それは指導者側のいいわけで、実際みなさん慣れてくると、どんどん早くなって。
動きが早くなると、みなさん「運動してる気分」になるようで、集団練習で自分の動きを確認しながら歩いている私は、いつもおばちゃんたちに追い越されています(笑)

で、どちらにしても、ノルディックウォーキングの場合は、「ポールの扱い方」の基本動作の練度不足が、転倒の原因と考えられます。


しかも、2人とも男性で。
体格も良く、むかしは運動に自信があった方のようです。

なまじ自信がある高齢者が、案外に厄介みたいで。
10回以下の練習で、身につけようと考えている方が多いです。
文字通り全身運動なだけに、パート、パートの正確さが、大切になってきて。
ひとつひとつを、正確に動かせるようにするのが、練習のコツで。
それを組み立て直して、全身運動なわけで。
「それを身につけるのに、1年はかかる」といわれるスポーツなんです。

だからパートの一つが狂えば、全身がバラバラになって、パニックになるのも、初心者には起きり得ることです。

不思議にヨチヨチ歩きの女性では、ノルディックウォーキングとは言えない動きですが、転倒事故は起きていません。
基本的に、動きが慎重なのかもしれませんが、勝手にノルディックウォーキングをポールウォーキングに翻訳しているとも、考えられます(笑)

で、実際ちょっとでも思うように行かないヒトは、男女とも、練習に来なくなりますから。
結果として、最低の動き練習を面倒に感じるヒトは、普通はいないですが、一方、そこで安心して、「歩いていれば運動してることになる」という段階で停滞しているヒトが多いのも、事実です。

実は私は、ポールを使って野山を走り回るのが理想なのですが、1年たって歩きの基本がやっと身についた状態で、まだ動きも体力も、走るまでは行きません。
70歳の運動不足のワタシが今やったら、確実に転倒事故をおこすでしょう。

「富士山でスキーしたい」とはいいませんが。
「少年のように、野山を駆け回る」のは、2年目以降の目標ですね(笑)

しかし死ぬまで健康で、「ポックリ死ぬ」ためには、「見栄とか張ってるヒマはない」って、後5年で後期高齢者になるワタシは思っているのですが。


「転ばぬ先の杖」という言葉がありますが。
「なまじ杖を使って、転ぶこともある」ってことです。

ゴルフのクラブも同じですが、ポールという道具もまた、身体の一部のように、身に馴染ませないと、使いこなせないわけで。

「想定外」とかいってる過剰な自己過信が、損なわれたときの自信喪失の方が、ショックが大きいようで。
それでも自己幻想を持ち続けられるヒトは、本人はシアワセでしょうが、周りが迷惑だし。
*ゴルフでの事故は、みなこの自分の技術への過信です。

今回の転倒者も、「初めての転んだ体験」で、リアルな現実にぶつかって、このまま一気に、老け込まなければ良いですが(苦笑)

次の練習で再会できれば良いですが、多分無理でしょうね。

*以上、自分の整理のために書きましたが、思いつくまま書いたので、あまり整理できてないですね。

やはり事故というのは、人災ですね。

やらなければ、事故は起きないのですが(笑)
乗り越えて、身につくことは、たくさんあるわけで。

高齢者の健康管理というのは、学校教育と同じで、関わる者たちが意識している以上に、半端な仕事ではないってことです。

最低、かすかな転倒から、指導法を組み立てるぐらいの努力をしないと、国民的運動には育だたないでしょうね。

指導員の中には、日体大出身の、かつて有名だったアスリートもいるようですが。
彼等は、高齢者になっても、流石にそこそこ基本は出来てます。
しかしなまじ自分が楽に出来るので、「つまづく素人の苦労」が解りません。

しかも、将来の身体的可能性も含めて、自分が理解している以上は、教えられないという限界があって。

ラジオ体操だって、しっかり動けば、立派な体操なわけで。

学校教育現場と同じくらい、指導者の教育が、改めて大事だと思いますが。
70歳の経験では、一番教育しにくいのが、「学校の先生」でして。

ガッコのセンセには、絶えず「なにかを、学ばせつづけ」て、「学ぶ立場」を体験させることが、「教える立場」の力量を広げると感じました。






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