早朝散歩で、通りすがりに白モクレンがほころんでゆく様子を日々に見ていた。
枝々から早く飛び立ちたい白いオームたちのように、蕾はふくらみ、花弁は開いていった。
…春の足は早い。開花の後は、花弁はさび色になって散っていく。
じきに萎びてからからになって地面の一部になる。
開花時には、それぞれの花の中から、見えない鳥が飛び立っていくのだと思うようになった。
黎明の大気の中を。ダイヤモンドの光を投げ放つ朝日の中を。
その鳥たちの名は…多分、『希望』。
輝かしい朝に、その見えない小鳥が降り立つ窓辺は『サイワイ』である。
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