貧困

■倹約家も浪費家も「老後破算」の恐れあり
(ニューズウィーク日本版 - 03月22日 17:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=171&from=diary&id=3909819


この頃、食べ物を捨てない、という運動が世界的にはやっているようで、大変望ましい変化である。私は中年以後、アフリカの貧しい国へ始終出かけたので、食べ物がない、という苦労がどれほどのものか、嫌でも見る機会が増えた。
だから最近の日本で、貧困が増えている、子供が貧困に苦しめられている、などという記事が出ると、逆についていけない。貧困というのは、定義がはっきりしている。「今晩の食べ物がないこと」を言うのだし、子供の貧困は、多分雨の漏らない家で眠れない、お金がなくて医師にかかれない、教育を受ける時間もないほどの幼児労働に従事させられる、というようなことだ。大学へ行く資金がないなどということが貧困ではない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新潮４５　４月号　P１２　曽野綾子