2016/3/8火 18:30-
2016/3/9水 18:30-
東京文化会館
振付・演出・ナレーション：ジョン・ノイマイヤー
※『作品100−モーリスのために』以外すべて抜粋上演。
※音楽は録音音源
【第一部】
『キャンディード序曲』
（『バーンスタイン・ダンス』より）
ロイド・リギンズ、レスリー・ヘイルマン、
有井舞耀、コンスタンティン・ツェリコフ、
菅井円加、カーステン・ユング、ほか
『アイ・ガット・リズム』
（『シャル・ウィ・ダンス？』より）
シルヴィア・アッツォーニ、
アレクサンドル・リアブコ、ほか
『くるみ割り人形』
エミリー・マゾン(3/8)/フロレンシア・チネラト(3/9)、ロイド・リギンズ、
エレーヌ・ブシェ(3/8)/アンナ・ラウデール(3/9)、アレクサンドル・トルーシュ
『ヴェニスに死す』
ロイド・リギンズ、カロリーナ・アグエロ、
アレクサンドル・リアブコ
『ペール・ギュント』
アリーナ・コジョカル、カーステン・ユング
『マタイ受難曲』
ロイド・リギンズ、ダリオ・フランコーニ、ほか
『クリスマス・オラトリオ��-�広機�
ロイド・リギンズ、パトリシア・フリッツァ、
レスリー・ヘイルマン、クリストファー・エヴァンス、菅井円加、レナート・ラドケ、ほか
【第二部】
『ニジンスキー』
アレクサンドル・リアブコ、エレーヌ・ブシェ、アレッシュ・マルティネス、
パトリシア・フリッツァ、ロイド・リギンズ、ほか
『ハムレット』
アンナ・ラウデール、エドウィン・レヴァツォフ
『椿姫』
第2幕のパ・ド・ドゥ
アリーナ・コジョカル、アレクサンドル・トルーシュ
『作品100−モーリスのために』
アレクサンドル・リアブコ、イヴァン・ウルヴァン
『マーラー交響曲第３番』
シルヴィア・アッツォーニ、
カーステン・ユング、ほか
さて、ガラの感想を。実は、衝撃的なほど感動し過ぎて言葉にならないのではないかと思ってました。初日は終演後膝がガクガクに。一週間近くたってやっと気持ちも落ち着いてきたので、何とかこの気持ちを表現できるように頑張ってみようと思います。
ガラと銘打たれていますが、寄せ集めではなく一つの作品でした。作品と作品の間にはノイマイヤーの語りが入りますが、それはマイクから聴こえてくる声であり、舞台上はほとんど暗転せずに移り変わっていきます。ノイマイヤー自身の声によって語られるのは、彼のこれまでの歴史。バレエとの出会い、創作に対する考え方、影響を受けた偉大な先輩達、そして愛。その語りに合った作品が抜粋という形で登場し、カンパニーのダンサーも総出です。
最初のタイトルコール、"The world of John Neumeier"は、ジョンご本人がマイクを持ってステージに登場。彼が下がっていくと同じ衣装を着たロイドと入れ替わる形になります。つまり、ロイドはこの作品の主役であるところのジョンの役。
『キャンディード序曲』〜『アイ・ガット・リズム』、バーンスタイン＆ガーシュウィンというザッツアメリカな音楽でミュージカルのように明るくて楽しい幕開け！大好きなMGMミュージカルの世界をハンブルクのダンサーで観てるみたいな感覚でとっても贅沢！ロイド、このときは10才くらい若く見えてびっくりしました。彼もジョンもアメリカ人なんだよねーと実感。大好きなサーシャの燕尾服＆シルクハットのコスプレも素敵だったわぁ♪
次はジョンがバレエを始めたときのわくわく感を表現した『くるみ割り人形』。幕が上がると、ステージの奥にシルエットでバーレッスンをしているダンサーが浮かび上がる・・・。このシーン、音楽とも相まって大感動するんです、いつも。ジョンは音楽の使い方が本当にうまくて、踊りだけで表現してるんじゃないんですよね。くるみではクララの憧れのバレリーナ役のエレーヌがものっ凄く素敵でした。彼女はこれまでずっとクララでこの役は初役だとか、こっちのほうが似合いそうな気がします。あ、ちなみにここまでステージ出ずっぱりのロイドは、このシーンではドロッセルマイヤーになってます。
さて、次はノイマイヤーの創作風景を少しのぞいてみましょう、ということで『ヴェニスに死す』でアッシェンバッハ（ノイマイヤーのバレエでは振付家）が振付をしているシーン。アッシェンバッハの頭の中で生み出された振付そのものがconceptという人ではない役で、サーシャとカロリーナでした。ロイド、衣装を着替えず、ネクタイをとったり、ちょっとシャツを緩めたり、ということと、表情と仕草だけでどんどん役を移り変わっていきます。すごーい。
以降、振付の題材というテーマで作品が続きます。まずは、神話。『ペール・ギュント』からは手のひらの上に女性を立たせるという超難度のリフトがあるパドドゥ。コジョカルならまだ軽いけど、バレエフェスのときはエドウィンが大柄なアンナを立たせてて大変そう、と思ったっけな。
続いては信仰の悦びを表現するバレエとしてバッハの大曲への振付から２つ、『マタイ受難曲』と『クリスマス・オラトリオ��-�広機戞�マタイからはオープニングのシーンとペテロの否定。とうとうここでロイドはシャツをだらりとゆるめ、手を腰のあたりで十字架に交差させてキリストに変化します・・・最初はジーン・ケリーだったのに！マタイ受難曲はとてもよい作品でDVDも出てますが、結構舞台のあちこちを使って踊ったり演技したりしてるので、映像だけだと本当のよさが伝わりにくいよな、と思います。今度再演があるのですが、全く新しいキャストになるとかロイドが言ってました。興味津々。
そして第一部のエンディングは、圧巻のクリスマス・オラトリオ。若手のコールドのダンサーがはちきれんばかりの元気のいい踊りを見せて、まさにこれこそ信仰の悦び！という感じでした。ここで光ってたのはAleix Martinezと菅井円加ちゃん。円加ちゃんのジャンプ高くてびっくりしましたよ！彼らはこういうエネルギッシュな踊りでは本当にピカイチです。気持ちよかったー！
第一部ここまで、息もつかせぬ展開で、予想していなかった第一日目は本当にびっくりしました。すっごいジョン！
そして、休憩を挟んで、更にジョンの作品の深い部分をたどる第二部へと続きます。第二部は、別立てにします。
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