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2016年03月13日19:43

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ニコラウス・アーノンクール

こっちにも書いておこうかな。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06H3F_W6A300C1CZ8000

ちなみに、先週の土曜日に、プログレッシブロックバンドEL&Pのキース・エマーソン氏が亡くなったというニュースも聞いて、
なんだか先週はすごい週だったな…。

ネットでアーノンクール氏についての書き込みを見るとグスタフ・レオンハルト氏やフランツ・ブリュッヘン氏の名前も出てくるけど、
自分の中ではこの二人は既に歴史上の人物になっていて、もしまだご存命だったとしても、「あれ、まだ現役で活躍してたんだっけ」って感じなんだけど、
アーノンクール氏は自分の中ではまだ現役で活躍している音楽家だったので…。

ぼくがアーノンクール氏率いるウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏をはじめて聞いたのは、中学3年くらいにNHK-FMでだったと思う。
ヘンデルの合奏協奏曲か何か。

バロック音楽の古楽器というかオリジナル楽器というかピリオド楽器による演奏は、ぼくが中学1年くらいのとき(1983年ころ)でもわりと聞かれるようになっていたと思う。
ジョン・エリオット・ガーディナー率いるイングリッシュ・バロック・ソロイスツとか、トレヴァー・ピノック率いるイングリッシュ・コンサートとか、ロンドン・バロックとか…。
なんかイギリスばっかだけど。
あとは、クリストフぁー・ホグウッド率いるエンシェント・ミュージック室内管弦楽団とか、トン・コープマン率いるアムステルダム・バロック管弦楽団とか…。

この古楽器というかオリジナル楽器による演奏を聞くのは、ぼくはどちらかというと苦手だった。

まずは楽器の音色が素朴というか。
バロック・フルートとというかフラウト・トラヴェルソとか、現代フルートよりも音がリコーダーっぽいというか透明感がある感じはするんだけど、なんだか物寂しく聞こえるというか。
バロック・ヴァイオリンも、現代ヴァイオリンよりもアタックが強いというか乱暴に聞こえるというか。
ちなみに、聞いた話では、バロック・ヴァイオリンの弓は、現代ヴァイオリンの弓ほど等均質ではなくて、弓を引いていくと音が小さくなっていくようになっているのだとか。

そして何よりも受け入れがたかったのが、楽器のキーが違うこと。
現代では標準ピッチといってAの音は440Hzで合わせるんだけど、
古楽器では当時の標準ピッチは415Hzだったということで、Aの音をこれに合わせている。
これは現代よりもだいたい半音低い音になる。
なので、普通に演奏を聞いていると、調が違って聞こえる。
例えば、この曲はロ短調だと思って聞いていると、実はハ短調だったりする。

それで、先に書いたウィーン・コンツェントゥス・ムジクスによるヘンデルの演奏も、現代楽器の演奏に聞き慣れている耳には、なんだか雑に聞こえるというか、あんまりぴんとこなかった。

それから何年かして、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏によるバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調」を聞いた。
こちらの演奏はけっこう丁寧な演奏に聞こえて「この楽団、バッハ演奏はけっこういけるかも」と思った。

その後、1988年ころだったと思うんだけど、NHK教育の「芸術劇場」でウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏によるバッハのブランデンブルク協奏曲全曲演奏を見た。
アーノンクール氏の解釈によるいろいろと工夫のこらされた演奏だったと思う。
その中でもおぼえているのは、
一つは、ブランデンブルク協奏曲第3番の第1楽章と第3(?)楽章の間におかれている即興演奏の部分をチェンバロ独奏でなくヴァイオリン独奏を採用したこと。
この部分、現代楽器の演奏ではチェンバロソロ、古楽器の演奏ではヴァイオリンソロによる演奏を見かけることが多いんだけど、
アーノンクール氏の解釈では、「この曲は弦楽器をたたえる協奏曲なのだからこの部分はヴァイオリンを使うのが適している」とのこと。
確かこのときの演奏では、ヴァイオリンは奥様のアリす・アーノンクールだったかな。
もう一つおぼえているのは、ブランデンブルク協奏曲第4番の第2楽章でリコーダーを2階で演奏させたこと。
この楽章のリコーダーのパートは「フラウト・エコー」といってオーケストラの演奏するフレーズを山びこのようにリコーダーが繰り返す。
アーノンクール氏は、リコーダーを2階で演奏させることにより、より立体的な響きをねらったらしい。

それからずいぶん時間がたっちゃうんだけど、
2001年ころ、バッハのマタイ受難曲のCDを何か買いたい名と思って探していたら見つけたのが、アーノンクール氏が2001年にリリースしたCD。
2000年のバッハ没後250年にあわせて録音したとのことで、彼の最新の解釈がこめられた演奏とのこと。
細かいことはあんまりよくわからないんだけど、すばらしい演奏だと思う。

それから、アーノンクール氏によるヘンデルのメサイア、バッハのミサ曲ロ短調、スメタナの「わが祖国」などをCDで聞いた。
スメタナの「わが祖国」も、アーノンクール氏による独特の解釈がこめられているらしい。細かいことはあんまりよくわからないけど。

アーノンクール氏は何年か前に来日していてコンサートもやったらしいんだけど、
ぼくは行って聞くことはできなかった。
一度でいいからアアーノンクール氏の演奏を生で聞いてみたいとは思っていたけど、
もう亡くなってしまったので、それもできないですね…。
せめてこうやって氏について思いをめぐらせるか、CDなどで過去の演奏を聞くくらいで…。

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