先住犬、ひめが死んで七年が経った。
私にとって、特別な犬だった。
小さい頃から動物が好きで、犬が好きで、ずっと親にせがみ続けて小学5年生の頃に我が家に来た。
私は中学一年の時に病気になった。以後3年間記憶がない。
ひめだけが、闘病の心の支えだった。
きっとあの時ひめがいてくれなかったら、私はきっとこの世に今はいない。
四浪で大学に入り、私の卒業を見届けてくれたかのように、
卒業する3月の今日、ひめは死んだ。
あれから色々あったな。
卒業してから、生きている感覚なんてなかったし、記憶もあまりない。
ただ言えるのは、ひめがいてくれたから、私が生きていて、
ひめがいてくれたから、今レイがそばにいてくれる。
そんなレイももう6歳。
もう6年もレイと一緒にいるんだな、と時間の感覚があまりなくぼんやり思う。
ただ、レイがいてくれたから、今の私があるし、
レイがいたから、今の妻と出会うことができた。
まさか、動物のお医者さんと結婚するなんて思わなかった。
レイが引き合わせてくれた。
今はもう、あまり人生や生きているということに問いかけをしなくなった。
今、妻がいて、レイがいる。
その日常を大切に過ごしていこう、淡々とそれだけである。
妻と出会い、動物病院開業という共通の夢もできた。
その夢を抱きながら、今を過ごしていきたい。
あれから、もう7年。7回忌。
もう、ひめとはいい意味でお別れする時なのかもね。
ひめも自由に生きて、
私も、昔とは違った新しい今を生きている。
今日お参りをしてきたけど、お参りはこれで最後にしよう。
新しい人生を生きるために。
新しい今を生きるために。
妻とレイと夢を大切に育みながら。
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