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2016年03月06日17:24

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動物病院 獣医師 経営

動物病院の開業。
獣医について詳しく知ると、獣医の親って本当に金持ちが多い。
私は慶応卒ですが、慶応生の親は金持ちが多いと言われますが、
獣医はその比較にならないですね。

妻は、ごく普通の一般家庭で、奨学金をとって獣医になっています。
大学で綺麗にわかれるそうです。苦学生とぼんぼんと。

ぼんぼんは開業しやすいですよね。


そういえば、妻の勤務先の元獣医師が近隣にて新規開業するようです。
開業を考えている私たちからすると、興味津々。
その獣医師自体に特別な思いがあるわけじゃないですが、どのように開業したのかを知りたい。

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その獣医師の親は二人とも人間の看護士らしいのでボンボンではないです。
獣医スキルがどの程度かは知りませんが、新規開業します。
手持ちの情報では、開業での借入金は4000万円らしい。
テナント開業からすると、相場よりも高め。
そのうち、3880万円を使ったそう。

ということは手残り120万円。
自己資金がどれだけあるのかが気になります。


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獣医師のスキルが売上に結びつくのは2、3年後。
動物病院は、特に口コミが大きいので、広告宣伝で売上は伸びません。
とにかく最初の2年は我慢。
起業する人にとっては当たり前ですけどね。

動物病院の成功の道は一つ。マンパワーだけ。
どれだけすぐれた獣医師なのか。技術、人格、営業力全て問われます。

その上で書いた獣医師がどれだけのマンパワーを持っているか知りませんし、関心はありませんが、運営は気になります。


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動物病院産業自体は、社会的に見て低固定費産業です。
1つの病院当たり、1300万前後の医療機器が必要になりますが、売上規模と運営形態を考えると、低固定費産業、変動費産業ですね。運営上の設備投資額も少ないですし。

離陸さえ上手くいけば、変動費産業はリスクが少ないので銀行借入はしやすいです。

まあでも、借入できるのと、運営できるのは別です。


そもそも、変動費産業と言っても、イニシャルで1300万の設備投資は必要ですし、
内外装の設備投資も、飲食店に比べると高いです。
なので、開業初期の設備投資額は高くなります。

ここを踏み間違えると、恐らく失敗します。
変動費産業であるけれど、イニシャルの設備投資で、大体3300万はかかると言われています。
上の獣医師の例だと、3880万使っています。

損益計算書上は変動費産業ですが、イニシャルの固定費は高いです。
それを回収するだけの売上を立てねばなりません。
売上を立てるといっても、動物病院で営業活動なんてしませんから、基本的に待ちです。
開業後一年間は、確実に持ち出し。
つまり赤字で、自己資本を食いつぶしながら、自分にも給料が払えない状態になります。

まあ、ここまでは良い。

そこから、固定費の恐ろしさが待っています。
ここを分かっていない獣医師が多いようですね。
妻の知り合いが開業して早めに閉院したのも、固定費にやられたんでしょうね。

開業後一番重荷になる固定費が、家賃と人件費。
家賃は変えようがありません。テナント開業だと家賃の値段が重要になります。
それ以上に重荷になる固定費が人件費。

人は雇うと労働法上、解雇するのには苦労します。
中小は簡単に解雇できる、といわれますが、それでも解雇は大変です。

一般的に動物病院の売上高は、獣医師含む、従業員数×1000万が売上高になります。
これは、安定した経営ができている場合の数字です。
開業したてはこうはいきません。

妻の話を聞くと獣医師はどうやら、多くの人が、動物看護士を多数使いたがるようですね。
動物看護士がいれば、自分の業務は楽になりますからね。

だけど、人件費負担は非常に重い。
1人雇うだけで、年額最低250万の固定費。
2人雇えば、500万。最低でね。

4000万の借入をした場合、20年返済で、年額230万。
こうやってみると、4000万の借入よりも、人を雇う方が固定費が高いんですよね。
家賃が月額20万だとしたら、年額240万。

この場合、従業員2人雇うだけで、人件費、家賃、返済で1000万円の支出です。
自分の給料も変動費も入れないでね。

1000万円の固定費を払う為には最低1700万は売上ないといけません。

こう考えると、従業員がゼロだと、固定費は500万、半分で済むんですよね。
それだけ人件費のインパクトは大きい。

変動費産業だからといって、こういった固定費をしっかり管理しないと痛い目を見ます。


そもそも持ち出し、つまり初年度は赤字確実なので、自己資金量が大事になります。
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上の獣医師は120万が借入残金。新規開業の運転資金の最低金額が500万といわれています。
どれだけ、自己資金持っているんでしょうかね。


妻の話を聞いて思うのですが、獣医師は経営に疎い。ちゃんとした税理士つけるべきですよね。


結構なひとが勘違いしていますが、銀行借り入れの返済金は損金ではないです。
つまり経費にはならない。まあ、常識ですが。

その為、利益管理しないとだめです。
黒字だけどキャッシュがないだと、撃沈。
法人税・事業税はしっかりきます。

法人税を納めるキャッシュがなくて、銀行に駆け込んでも絶対に貸してくれません。
最近の銀行は短期借入に関してかなり厳しいですからね。
友人も短期借り入れでそうとう苦労しているようです。

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4000万借金する時は、すごく勇気がいると思います。頑張って返済しないと、と。
従業員1人雇うのは、気軽です。
ですが、上の例の通り、年額かかる費用は、従業員を雇う方が高いです。

ここらへんの感覚というか、計算というかはとても大事です。

4000万借金するよりも、従業員を雇う方が重いのです。


このことは、よく妻にも分かっていて欲しいですね。



ちなみに、上の獣医師は従業員を3人雇うらしいです。
会計のお姉ちゃんもいるそうです。

開業して間もない時、あまり客(患者)がこないのに、会計のお姉ちゃんは何してるんでしょうか。




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