mixiユーザー(id:21613123)
2016年03月05日15:03
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久しぶりに書いてみる
澤さん嘆く「プレッシャー全然行けてない」
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塀内夏子の作品「Ｊドリーム」の登場人物に富永朗というキャラがいる。恐らくモデルは、当時の日本代表の正ＧＫの松永成立。所属がジェフだから、当時はやはり日本代表だった下川健一がいたのだが、彼は２番手だったし、大事な試合で退場した事が、後に書かれたり、何より塀内夏子自身が松永を取材して、作品にしたり、名前とかからすれば、やはりモデルは松永なんだろうかと。
さて、富永についてだが、ＧＫというひとつしかないポジションを任される人間の心情描写がよく書かれていて、好きなキャラでもある。そんな彼の画像のシーンと併せて好きなシーンであるのが、最初のシリーズで若く、身体能力にも恵まれた上條が出てきて、強烈なライバル意識を剥き出しにしていたシーン。
元々が孤高な性格で、あまり周囲には受け入れにくい存在だったものの、実力と実績は申し分なく、正守護神の座を長く守ってきた。だが、国際試合で苦渋を舐める度、ゴールを割られる度、そして激しい競り合いを繰り返すうちに、腰が悪くなり、慢性的な症状に悩まされる様になる。
対する上條は、イギリスからの帰国子女で、190�其瓩た搬稜塾呂函⊆農犬離團奪舛亡靴貎討靴鵑惜楹陛�なＧＫという設定。当時の日本は芝のグラウンドなど殆どなく、コースに飛んだボールを跳んでキャッチするのは痛みを伴うところではあったのだが、それに対する恐怖心が全くない為、思いきりのよいセービングが出来るところが武器だった。但し反面、極端に内気な性格の為、声を出せないという致命的な弱点もあったのだが。
そんな対照的な二人だが、当然、プライドの高い富永からすれば、最初は「声も出せない奴にＧＫが務まるわけがない」と見下していたが、代表監督のレネが上條の才能を買っている事が気にくわなくて、かなり毛嫌いしていた。
Ｗ杯予選を前にした親善試合で富永が腰痛を悪化させて、大事を取って、ベンチに下がった時、代わりに入った上條の圧倒的な才能を目の当たりにして、「あ、俺はいつかこいつに追い越されるかも知れない」と痛感する。プライドの高い富永だけに、その受け容れがたい現実に、彼は鬼のような形相で試合を眺めていた。
それからの富永の上條に対する敵愾心は相当なものだった。自分が守護神だというプライド、上條の才能に対する嫉妬、その間で揺れる心理描写が、ＧＫというポジションの過酷なドラマを上手く表していた。
最終的には富永がポジション争いを制するのだが、最後の発表を前に上條の才能を認めた富永は「いつか力で叩き落とされる時が来るのかも知れない。それが上條だというのなら、それは受け容れる。だが、簡単には譲らない」とまで覚悟を決めた姿は、ひとつしかないポジションを争う選手の心理描写としては、的を射ていたのかと思う。
そしてそれは、ベテランと若手の関係性として見るのなら、どの世界にも当てはまるはずだ。
翻ってなでしこジャパン。世界一に輝いたメンバーは、間違いなく卓越した存在だが、そんな彼女らにも、いつか引退の時は来るし、衰えが隠せなくなる事もある。Ｗ杯優勝の翌年、日本で開催されたU-20Ｗ杯で３位になった田中陽子や猶本光らの世代の活躍を見た私は「彼女らのライバルとなるのは、試合に敗れたドイツの同世代の選手ではない。Ｗ杯優勝した世界一の選手たちが、当面のライバルとなる。上の衰えや引退を待って手にしたポジションには価値がないし、それは世代交代とは呼べない。世界一のなでしこジャパンの選手たちを力で叩き落として、初めて世代交代が成功したと言える。惨敗したドイツより遥かに強力な相手だが、力で奪い取れ」とコメントした。
だが、最後まで、それは叶わなかった。
不世出の名手である澤の引退は、確かに一時代の終わりを告げた。その澤が言った「苦しいときは私の背中を見て」は、確かに澤の偉大さを現す名言だ。だが、背中を見てるだけでは、いつまでも越える事は出来ない。言葉は乱雑かもしれないが、澤に引導を渡す選手が出てこなかった。それが敗因だとすれば、それは残念でならない。
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塀内夏子の作品「Ｊドリーム」の登場人物に富永朗というキャラがいる。恐らくモデルは、当時の日本代表の正ＧＫの松永成立。所属がジェフだから、当時はやはり日本代表だった下川健一がいたのだが、彼は２番手だったし、大事な試合で退場した事が、後に書かれたり、何より塀内夏子自身が松永を取材して、作品にしたり、名前とかからすれば、やはりモデルは松永なんだろうかと。
さて、富永についてだが、ＧＫというひとつしかないポジションを任される人間の心情描写がよく書かれていて、好きなキャラでもある。そんな彼の画像のシーンと併せて好きなシーンであるのが、最初のシリーズで若く、身体能力にも恵まれた上條が出てきて、強烈なライバル意識を剥き出しにしていたシーン。
元々が孤高な性格で、あまり周囲には受け入れにくい存在だったものの、実力と実績は申し分なく、正守護神の座を長く守ってきた。だが、国際試合で苦渋を舐める度、ゴールを割られる度、そして激しい競り合いを繰り返すうちに、腰が悪くなり、慢性的な症状に悩まされる様になる。
対する上條は、イギリスからの帰国子女で、190�其瓩た搬稜塾呂函⊆農犬離團奪舛亡靴貎討靴鵑惜楹陛�なＧＫという設定。当時の日本は芝のグラウンドなど殆どなく、コースに飛んだボールを跳んでキャッチするのは痛みを伴うところではあったのだが、それに対する恐怖心が全くない為、思いきりのよいセービングが出来るところが武器だった。但し反面、極端に内気な性格の為、声を出せないという致命的な弱点もあったのだが。
そんな対照的な二人だが、当然、プライドの高い富永からすれば、最初は「声も出せない奴にＧＫが務まるわけがない」と見下していたが、代表監督のレネが上條の才能を買っている事が気にくわなくて、かなり毛嫌いしていた。
Ｗ杯予選を前にした親善試合で富永が腰痛を悪化させて、大事を取って、ベンチに下がった時、代わりに入った上條の圧倒的な才能を目の当たりにして、「あ、俺はいつかこいつに追い越されるかも知れない」と痛感する。プライドの高い富永だけに、その受け容れがたい現実に、彼は鬼のような形相で試合を眺めていた。
それからの富永の上條に対する敵愾心は相当なものだった。自分が守護神だというプライド、上條の才能に対する嫉妬、その間で揺れる心理描写が、ＧＫというポジションの過酷なドラマを上手く表していた。
最終的には富永がポジション争いを制するのだが、最後の発表を前に上條の才能を認めた富永は「いつか力で叩き落とされる時が来るのかも知れない。それが上條だというのなら、それは受け容れる。だが、簡単には譲らない」とまで覚悟を決めた姿は、ひとつしかないポジションを争う選手の心理描写としては、的を射ていたのかと思う。
そしてそれは、ベテランと若手の関係性として見るのなら、どの世界にも当てはまるはずだ。
翻ってなでしこジャパン。世界一に輝いたメンバーは、間違いなく卓越した存在だが、そんな彼女らにも、いつか引退の時は来るし、衰えが隠せなくなる事もある。Ｗ杯優勝の翌年、日本で開催されたU-20Ｗ杯で３位になった田中陽子や猶本光らの世代の活躍を見た私は「彼女らのライバルとなるのは、試合に敗れたドイツの同世代の選手ではない。Ｗ杯優勝した世界一の選手たちが、当面のライバルとなる。上の衰えや引退を待って手にしたポジションには価値がないし、それは世代交代とは呼べない。世界一のなでしこジャパンの選手たちを力で叩き落として、初めて世代交代が成功したと言える。惨敗したドイツより遥かに強力な相手だが、力で奪い取れ」とコメントした。
だが、最後まで、それは叶わなかった。
不世出の名手である澤の引退は、確かに一時代の終わりを告げた。その澤が言った「苦しいときは私の背中を見て」は、確かに澤の偉大さを現す名言だ。だが、背中を見てるだけでは、いつまでも越える事は出来ない。言葉は乱雑かもしれないが、澤に引導を渡す選手が出てこなかった。それが敗因だとすれば、それは残念でならない。
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