今回はこれでヨシだと思う。

正論が正解という訳ではないという話

認知症JR事故死 家族側が勝訴
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3876939

いや、色々な意見がありますよ。
こんな前例作ったらわざと痴呆老人を徘徊させて事故死させるように仕向けるだろ・・・とか
JRはあくまでルールに則って訴訟した訳だから判決がおかしいだろとか
これ、すべて正論ですわ。
間違った事は言ってません。

ただ、今回の件はこの判決が一番しっくりくるかなぁとは個人的には思います。
多分上の正論を言ってる人って介護、特に認知症の介護をしていない人達だと思うんです。
自分は既に両親を介護し終えた立場ですが、介護は精神面・肉体面・財政面全てにおいて物凄くキツイんです。
こちらの予測不可能な事が頻繁に起こるんですね。
普通の介護でもです。
自分達がごく当たり前にやっている事、例えばトイレやお風呂も介添えがないとできないとか、山のように押し寄せてきます。
「んなの、自分でどーにかしてくれよ」
介護をしている人が喉元まで出かかる言葉です。でも言えません。

これ、普通の介護の話です。

これが認知症となるとさらに大変になります。
相手の行動パターンが読めないですから。
自分の時間なんてないし、絶えず注意をしていないといけない。
２４時間体制ですよ、それを毎日。

今回は奥さんが疲れから５分位うたた寝をしてしまった時に起こってしまった悲劇です。
認知症介護で２４時間緊張している状態、しかも自ら要介護1で、そんな人にうたた寝したせいで事故が起こった。どうしてくれるんだって、誰が責められますかね?

確かに「だったら施設とかに入れるべきだ」とかありますけど、国は基本的には「在宅介護主義」なんですよね。介護できる人がいるなら、在宅で介護すべきですって感じです。

言ってる事は『お涙頂戴』ですけどね、でも日本人ならこの感覚はわかると思うんですけどね。

て、JR東海は今回の最高裁判決を受け入れるとの事。
ここで、例えばこの奥さんから賠償を受け取ったとしても風評的な意味でマイナスになると思う。
逆に一歩引いた事で、少なくとも『漢気』は上がったんじゃないかと思います。

正論ではあるけれど、それが必ず正解という訳ではない・・・という事なんでしょうね。