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2016年02月29日17:12

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落語覚書/立川志らく独演会 元祖・幕末太陽傳

2月26日(金)19:00開演@銀座ブロッサム


 立川らく次「黄金の大黒」
 立川志らく「居残り佐平次」
 仲入り
 立川志らく「品川心中」


年末のドラマ『赤めだか』の影響は意外と大きく、
職場の落語を一度も聴いたことの無い若い子たちが
「志らくを観たい!」というので、珍しく7人の大所帯で。

この会は『シネマ落語』ではない。
が、日活の名作映画「幕末太陽傳」からの二席。
元々映画自体が落語の「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」「お見立て」
などをひとつの話にまとめたものだから。
その中からメインの二席を、いわば『逆輸入シネマ落語』に。


●らく次「黄金の大黒」

立川志らく一門は立川流で一番弟子が多いが、6番目の弟子で二つ目の40歳。多分。
「黄金の大黒」が始まったのでビックリしたが、前座じゃないからね。
2番目の店子が吃り気味で、スキャットマン風になっちゃうとこが、オリジナルの味?


●志らく「居残り佐平次」

マクラでは、色々なところで喋ってはいるだろうが、やはり『赤めだか』について。
濱田岳のおかげもあり、あのドラマで「志らくって天才だったんだ」ってイメージが
定着してしまったらしく、ウチらのように観たい客がチケット争奪戦らしい。
独演会はね。一門会だと急にチケットが余るとか…弟子に金払う価値はナシ?厳しい!
ただ、あのドラマのラスト、談春の芝浜にたけしが「それでいい」ってのは間違いで
ホントは「そんな噺ばっかりやってると、歌丸になっちまうぞ!」が正解らしい。
談志のものまねでやってくれた。

志らくは談志が好きなので自分も好きになったが、落合とフランキー堺は後に
談志が嫌いになってしまった。
落合は金の話ばかりだからで、フランキー堺は二人会で自分の持ち時間奪われて。
が、自分は嫌いになれないと。
映画「幕末太陽傳」でフランキー堺が演じた、落語界のスーパーヒーロー佐平次。
この役のフランキー堺はあまり好きではないらしい。病の影があるから。
佐平次は好きで楽しくて居残りをしていなくちゃあいけない。

てんで、まぁかなり奇行の目立つ佐平次に。
勘定の段になると「ぴーっ!」だの「すいっちょん」果てには「赤ちゃん、赤ちゃん」。
サゲは師匠談志とは違って、あくまで痛快な花魁も憧れる人物のままで。


●志らく「品川心中」

見世の板頭(トップ花魁)お染、寄る年波には勝てずお茶を引いてばかり。
紋日にかかる大金の都合がつかず、心中でもしなきゃ格好がつかないとその相手を
物色して、ひとり者の貸本屋の金蔵、通称「馬鹿金」「アバ金」に白羽の矢が。
志らくの金蔵は、常にくだらない駄洒落を言うキャラになってた。。。

死に損なった金蔵がお染に復讐する「下」も通しで。
早口の志らくだからこそ、「品川心中」通しがなんと約45分で演じきった。


同じ品川の遊廓が舞台の噺を2つ続けて…ってのが珍しい。
だけども、なぜ分けたまま演ったのか。『元祖・幕末太陽傳』と謳うならば
志らくなら、佐平次を主人公に1つの長い噺にも出来たんじゃ?
川島雄三のフランキー堺を、志らくならどう演じるかに期待してたんだけども。
過去にはそれで演った会もあったはずだよね。ちょっと肩透かし。。。
幻の川島エンディングでも演ったら、ちょっとした革命だったのに!
…いや、マニアック過ぎて、ウチの子らはポカーンでしょうな。。。

プログラムの行間を読むと、志らくは談春の売れ方が羨ましいみたい。
もっと露出するため、ワタナベエンターテインメントに移籍だって。
でも、談春みたいに役者では売れないだろうからなぁ。
昔みたいにマスに露出するなら、今の志らくの強みを出さないとね。
この会も「己の落語にプレッシャーをかける」会だったようだけど、
自分にはイマイチ汲み取れなかった。。。


さて、落語初体験のウチの若い衆の感想は?

「あの口調に最初は馴染めなかった」「ギャグがあんまり笑えない」
「最初の人(らく次)より、志らくが面白かったのは分かった」…等。

まぁ、初めての落語が志らくで廓噺ってのは、ちょっと可哀想だったかな?
「遊廓行ったことないんでわからない」…多分、見てる人誰も行ってないよ。
「キャバクラって言うか、銀座のクラブみたいな感じですか?」…って、
女の子にキラキラした目で質問されて、説明しにくいわ!

「今度は志の輔が観たい!」って、確かに志の輔からのが良かったかもね?
…って、チケット獲れないって!!

挙げ句の果てに「マニアックなところで笑ってましたね」と言われた。
いや、抑えてたつもりだけど…「でも会場も笑うところが同じでビックリ!」
う〜ん、多分もう少し落語を知ったら、同じところで笑えると思うよ。


そのまま、和の雰囲気を引きずった呑み屋のお座敷へ。
それでも「いのど〜ん!」とか「するってぇと何かい?」なんて、すっかり
落語の世界にはハマったらしく、楽しい呑みに。
「終電ないかも〜っ!」「また行きましょう!!」と慌てて解散。

もう一回ぐらい落語を聴きに行ってくれれば、本当に好きになってくれるかもね。








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