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2016年02月23日07:46

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無意味な教員免許更新制度(抄訳)

■免許持たず32年教壇に=55歳女性、高校で保健体育―山形
(時事通信社 - 02月22日 19:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=3864077


免許を持たずに32年教壇に立っていたということは、逆に言えば免許を持っていなくても32年も問題ない授業ができていたということですね。
授業に問題があれば、当時の生徒や保護者からクレームが付いたはずです。

教職課程は修了していたということで、実質的には教員として問題の無い教育活動ができていたということでしょう。
免許更新制度以前に「不適格教員研修制度」というものがありましたから、問題のある教育活動をしていればそれに引っかかっていたはずです。

記事の女性の場合、免許申請のときに体調不良で手続きができなかったのが教員免許を持ってなかった全ての原因でしょう。
後日でも申請できていればこういう問題は起きなかったのですが。
とはいえ、後から申請というのは、想像しただけでもなかなかやりにくいものです。

免許更新制度がはじまってからこの問題が浮かび上がったとのことですが、逆に言えば、
32年間教壇に立った教育の成果より、
教員免許という紙切れ1枚の方が大事であるということが計らずとも浮かび上がったということでしょう。


教員の資質向上を目指して教員免許10年更新制度が発足したわけですが、教員の資質向上には通常の研修と、問題ある教員には先述の「不適格教員研修制度」の適応で十分だと思います。
それでなくても「不適格教員研修制度」適応者には「病気」(おそらくメンタル疾患)で適応されている例が含まれています。
メンタル疾患の場合は特別な対応が必要で、まずは十分に休ませ、復職時にはまた通常の業務を行う必要から最近では各都道府県で「試し勤務」等がなされる例が多いようです。


どんな制度を作っても結局運用するのは「人」です。
記事の山形の先生の場合、見つかった時点でもう一度審査し、教員として適格なら採用時からさかのぼって免許を認めたら問題は起きなかったのではないでしょうか。
原因は免許申請時の体調不良だけなのですから。


「不適格教員研修制度」もですが、
全教員を巻き込んだ「教員免許10年更新制度」は、教員免許を持つすべての教員と免許更新のための講義をする大学教員の負担を増やしただけで、ほとんど意味はありません。
文科省は「更新講義を受けて良かった」という声しか公開しないようですが、大学教員の中には「現場を知っているのは小中高の先生方なので、我々(=大学教員)の方が教えてほしい」という声もあるそうです。


現実を知らず過去のイメージでしか判断できない安部晋三氏により導入された教員免許10年更新制度、研修により幾ばくかの知識は得られるでしょうが、現場の生徒と接する時間が減る、研修を受けるため負担が増えるというデメリットを考えると、全く意味はありません。


元々終身免許だった教員免許を勝手に10年のみ有効にしてしまった安部晋三氏(当時の文科相・伊吹文明氏も同罪)は憲法違反に値する重罪を犯したのではないかと考えています。


教育界が荒れているのは、社会の変化によるところが大きく、現実を知るのは現場の小中高の教員です。
大学教員はその事実を元にいろいろ理論を作りますが、大学付属の小中高は成績優秀な生徒が通うところが多いです。
もっとも問題になる俗に言う底辺校に関する問題は、大学教員の目にはほとんど届きません。


そういうわけで、教員免許更新制度は全くの無意味どころか、全教員を巻き込んで負担を増やしたということで害でしかない、というのが私の結論です。
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