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2016年02月20日09:31

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補遺編3・繰り返しになるので面倒な人はもう読まなくていいです/宮崎県立芸術劇場『三文オペラ』上演中止の謎の謎

 のんさんから「この日記、まだまだ続きそうである」と書かれちゃったけど、ちゃんと予測されてたんだろうなあ、また件のやつが絡んで来るって。前回の日記で、「私の日記を読んでも書いてあることが理解できていないのかも」と書いたのだけれど、まさにその通りだった。もう根本的に何をどう問題にしたいのか分からない難癖のつけぶりである。
 こうなると何度繰り返して説明をしても、相手は絡むことだけが目的だろうから、討論にも何にもなりゃしないのだが、もうこれは「補遺」で、特に読まれなくても構わないので、一応、相手の支離滅裂ぶりだけ指摘しておく。

> Retweeted chaghatai (@chaghatai_khan):
> つーか、本源国法説を採るのであれば、アメリカなどがTPPで保護期間の延長を求めてくる必要ないじゃない。アメリカの実演者から見れば、日本の原著者の権利が強くなるだけになっちゃう。

 「本源国法説」を採用していると考えられるのは、宮崎芸術劇場ほか、これまで『三文オペラ』の上演許可をドイツ本国に求めてきた日本の各劇場、劇団の方だ。だから上演中止に至ってしまったわけで、なのに中止になった後で「パブリックドメインだあ」と騒ぎだした出演者の言に矛盾が生じていることが、私が日記を書き始めた動機だ。
 この矛盾に誰も答えようとしていない、というのが私の批判の中核で、この批判に対する反論は、今のところ全くない。この chaghatai 氏も同様。
 「本源国法説を採るのであれば、アメリカなどがTPPで保護期間の延長を求めてくる必要ないじゃない。」と反論した気になってるのも困ったもので、保護国法説で著作権侵害されまくったら困るから、欧米が70年に延長しようとしてきたってことはずっと書いてきてるよ。私が書いてることをそのまま返して反論した気になっているというのは、どういう論理構造をしているのか理解しがたい。日記を読んでも理解できてないんじゃないかと判断しているのはまずこのためである。
 日記をちゃんと読めていれば、問題点は、保護期間を一律にできなかった「ねじれ」によるものだと理解できるはずだ。欧米は「70年に延ばせ」と延々言い続けてきていて、日本は「行政的には」、それを拒否し続けていたのだけれど、実際には今回の件も含めて、『三文オペラ』を上演してきた劇団は、「70年」の保護期間を受け入れて来ていたのだ。それはこれもずっと書いてきた通り、現場の人間は「やっぱ、むこうが70年と言ってるものを、50年で終わりにしちゃうのはずるいよな」、と考えてきたからだ。
 条約の文言だけで物事を判断しようって、頭でっかちな対応を、日本の劇団は取って来なかったのだ。その意味では、今回、宮崎芸術劇場が、ドイツの中止要請を受諾したことは非常に紳士的だったと言える。しかし同時にこれは、「本源国法説」を宮崎芸術劇場が採用したという「事実」でもある。
 慣習であれ何であれ、「契約」を結んだ事実がある以上、もしも裁判になった場合、条約の文言よりも「著作権が継続中という合意が双方によってなされている」という判断が下される可能性が高いことは、法律に疎くても見当がつくことだと思うし、そう書いてたんだが、ここまで詳しく書いても理解できないようなら処置無しである。
 

> Retweeted chaghatai (@chaghatai_khan):
> もちろん、私も専門家ではないが、黒澤明とチャップリンの例の持ち出し方が判例の論理構成に拠っていないので、ブログの方もあまり変わらないレベルだと思っている。

 もう一つ、この人に読解力が全くなくて、ただ難癖を付けたいだけの人間なのだなと判断したのがこのくだり。実はチャップリンと黒澤明の例を出したのはわざとで、一種の言葉の罠である。普通に文章の意図を理解しようと読む人は引っかからないが、そうでない人はここで絡んでくるように仕掛けておいたのだ。
 なんとなれば、「判例」については、この例を持ち出す前に、保護期間の差によって裁判が行われた判例は「ない」と私ははっきり書いている。だからこれは「判例に拠るための引用」ではないことは普通に読めば理解できるはずなんだが、見事にそこんとこを読み飛ばしてくれたようだ。
 裁判が行われなかった理由についても縷々説明している。そもそも「判例を作りたくない」意志が、欧米諸国、日本の双方にあったのだ。どちらが勝っても負けても後味の悪いものにしかならないことは、もうこれまでの説明で充分だと思うのだが。
 チャップリンの例は、別にドイツと日本のどちらが正しいかについて述べたものではなく、著作権継続の判断が、原著者国と利用国との間で認識のズレが生じる場合があるという「補説」を述べたに過ぎない。だから著作権に関しては、「個々のケースごとに状況は違うので、『裁判で争ってみないことには分からない』」と書いたのであって。
 今のところ、こんな簡単な言葉の罠に引っかかっちゃったお気楽な人はこの方だけであるが、こうして自分の読解力のないことを指摘されても、絡み屋さんのことだから、自分の根性の悪さは棚に上げて、「そんなやり口は卑怯だ」とか「言ってる意味が分からん」とかまた言ってくるか、憎まれ口だけ叩くことになるんだろうなあ。
 いや、もう、のんさんには申し訳ないけど、そんな低レベルなやつの相手とか、いつまでもしたくないんだけど。問題にすべきは、やっぱり、宮崎芸術劇場が、いつまでも説明責任を取ろうとしないばかりか、出演者が「パブリックドメインだあ」と叫んでいるのをなぜ制止しないのか、それとも劇場が煽って言わせているのか、そこんとこだと思うんだがね。

> Retweeted chaghatai (@chaghatai_khan):
> 製作側に何の瑕疵もなかったなどと主張したいわけではなく、批判するのに日独の著作権保護期間の差を持ち出すのは筋が悪いと申し上げたいだけです(その帰結としてドイツの著作権管理者がまだ機能していることは大きいと思いますが)。

 うん、その保護期間の差を持ち出して「パブリックドメインだあ」と叫んでる出演者たちがおかしいって、私ゃずっと言い続けてるんだが。

> Retweeted chaghatai (@chaghatai_khan):
> おう。まさか少数説を持ち出されて論破された気になるとは思わなかったぜ…。

 少数説ではないどころか、実際に諸劇場、劇団が「本国法説」に準拠していることはこれまでに述べてきた通り。だからベルヌ条約が締結された当時と、現在とでは事情が違うって書いてるのに、どこまで読み飛ばせば気が済むんだこの人は。行政の方針と、演劇人の実態との乖離もこの問題を複雑にしている原因なのだ。
 最初から、ドイツに許諾なんか求めなければよかったんじゃないの? と言われればその通り。でもそれを求めちゃって、契約まで交わした以上は、もう後戻りはできないので、だったらやっぱり「パトリックドメインだあ」の連呼はさせちゃいけなかったと思う。
 絡み屋さんのことだから、これでも「実態はどうあれ、条約の文言が大切なんだ、学者の法判断の方が大事なんだ、私は法解釈の問題を述べてるんだ!」とかまだ文句を付けてくる可能性もあるが、そんなことが、問題の解決に何ら寄与しないことは明白だろう。

 私に反論するのは簡単で、日本国内で、欧米から保護期間を無視したために著作権侵害の訴えをされたけれども勝訴した「判例」を挙げればよいだけの話である。私も全ての判例を知ってるわけじゃないから、ちゃんとアレの芝居の時には戦って上演許可を得ることなく公演が打てましたって例があれば、今回の『三文オペラ』も上演すべきだった、という意見に変更するよ。
 でもそのときは「ならどうして宮崎芸術劇場は『三文オペラ』を堂々と上演しなかったのか」って批判することになるけどね。
 いずれにせよ、「製作側に何の瑕疵もなかったなどと主張したいわけではなく」どころか、責任の全ては宮崎芸術劇場にあるのだ。

 のんさん、どうでしょう。まだこの日記、続くと思いますか?
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