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2016年02月18日11:52

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◆▼ ◎ 物語を考えてみた (第1764-1回)

新しい物語です
暇なときにでも、読んで頂けると幸いです
面白かったら「イイネ」や「コメント」等をして頂けるとありがたいです(^_^)

※ライトノベルのような文章が好きな方は、好みが合わないかもしれません
※雰囲気が伝われば面白いと思います

前作
タイトル「電車の向かう先…」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1937084250&owner_id=31691303


タイトル「列車の向かう先…。サイドストーリー」

――

私はこの世界で多くの時間を過ごし、多くの人に出会えました
その人達から様々な事を聞き、様々な事を感じたりもしました
でも、まだ私には分からない事がある
それは何?と問われれば、はっきりと答えることは出来ません
でも、モヤモヤとした何かが私の心の中にずっと残っているのです

星の形をしたストラップをくれた男の子がここを去った後、私は線路の先を眺めていました
透き通った海とその水面下で見え隠れしている線路のコントラストはスゴく綺麗で、私はその美しさに何度も、ため息をついてしまいました

時々、思うことがあるのです
この先に何があるのだろうって…

私は無性にその線路の先が気になり、ちょっと歩いてみようかなと思いました

慎重に駅から線路の上に降りて、私は電車を追いかけるように歩き始めました
周りの景色を鑑賞しながら、しばらく線路の上を歩くと、景色が少しずつ変化し、空は秋の雰囲気へと変わっていきました

そんな秋空の中を歩いていると、視線の先に「なつ」の駅と同じ形をした駅をを見つけました

『あれは駅なのかな…?』

早足でその建物に近づくと、そこは落ち葉が床に敷き詰められた「あき」と書かれた駅でした

私はその駅によじ登り、そして、力を抜くようにため息を吐いて後ろを振り返ると、不思議なことに、さっきまで見ていた景色が変わり、完全に秋の雰囲気へと変わったのです

その景色は夏と違った美しさで、それと同時に寂しさも含まれていました

私は駅に付けられていたベンチに座り、その景色の感動を心に焼き付けました

『綺麗…』

そう呟いた時、右手の方から大きな笛の音が響き渡った
その音のした方向を見ると、影のような黒い人に車掌さんの制服を着せたような人が立っていたのです

『駅員さんなのかな…?』

その影の人は、車掌さんがよくやるであろう左右の線路の先を指を差す動きを行い、何かを確かめました
すると、線路の先から「フォン!」という大きな音が鳴ったと思うと、電車が車体を小さく揺らしながらやって来たのです
電車は駅に近づくと、ゆっくりとスピードを落として停車しました

ドアが開き、私は誰か降りるのかな?と待っていましたが、誰も降りることはなく電車はドアが閉まると再び、どこかへ向けて走っていきました

『あの電車、どこへ向かってるんでしょうね?』

思わず私は影の車掌にそう聞きました
しかし、影の車掌は私の問いかけには全く答えることはなく、電池が切れたロボットように黒い顔を景色の方へ向け続けていました
表情は全く分からなかったけど、それはどこか寂しそうに見えました

そのまま、ずっと影の車掌を見ているとその車掌は指をゆっくりと持ち上げて、目の前を指差しました

『えっ…なに?』

私はその先を見ましたが、気になるような物は何もありませんでした

『何もないけど…』

そう言いながら視線を影の車掌に戻すと、驚くことにその車掌は消えてしまっていました

『あ、あれ…?』

周辺を見渡して探しましたが、見えるのは綺麗な秋空だけでした…

その後、秋空を好きなだけ目に焼き付けた私は、再び線路の上を歩いてみることにしました
水の中に沈みそうな線路の上を歩き続けると、さっきと同じ形をした駅を見つけました
その駅の名前は「ふゆ」という名前で、私が駅の上に登ると、景色は冬空の雰囲気へと変わりました

その景色は、空気が澄みきっているのか、光がくすむことなく降り注ぎ、それはそれは美しかった

私はベンチに座り、その景色を眺め始めた
見ている景色は変化する事のないモノだけど、私の心を埋めるのには十分でした

しばらく、その景色を眺めていると、私の頬に冷たい何かが付きました
驚いて空を見ると、快晴のはずの空から雪が降っていたのです
白い雪は少しずつ積もっていき、私が瞬きをする度に床を白く染めていました

『わぁ…綺麗』

そう思った時、サクという音と共に足跡が歩くようについていき、電車を待つ位置で止まりました
普通に見たら、その光景は恐怖を感じるでしょうが、不思議と怖くはありませんでした
逆に懐かしく感じたのです

昔の自分も学生の頃に、雪の上に足跡を付けた事がありましたから…

しばらく足跡を見ていると、遠くの方から電車が来る音が聞こえてきました

その電車は速度を落として駅へ停車すると、足跡はその電車の中へ入っていました
そして、再び電車はどこかへ向けて発車していきました

私は、その姿を複雑な気持ちで見送ってから、思わず床に積もった雪を一掴みして雪玉を作りました
そして、それを『バカ野郎…』と言いながら、目の前の水に向かって投げました
すると、雪玉が水に触れたとたん、水は一瞬にして凍りついてしまったのです
私はとても驚きました
なにせ、本当に一瞬で水が凍ったのですから…

凍った水は降り注ぐ光を雪に反射させ、光り輝きます
それは本当に美しいと感じました

それから、少しして私は次の場所に向かうため、凍った線路の上を歩き始めました
その道を滑らないように歩き続けると、凍った水が液体の水に戻り、ポカポカとした陽気を感じることの出来る雰囲気に変化していきました
そして、視線の先に桜のが満開で生えている木と「はる」と書かれた駅が現れたのです
その駅に登ると、桜の花びらが駅の床にたくさん落ちていました
そして、ベンチに座ると足元に風が吹き込み、桜の花びらが宙へと舞い上がりました
それは、まるで花びら1つ1つに込められた想いが舞い上がるかのように…


スローモーションのようにゆっくりと舞い降りる桜の花びらは、私の中に眠っていた空白の感情を呼び起こしました
それは言葉には出来ない懐かしい感情…

私は思い立ったように立ち上がり、再び水の上に桜の花びらが浮く、線路の上を歩き始めました

そして、少し歩くと見た事のある駅を見つけました
それは「なつ」と書かれた駅でした
でも、良く見ると同じのようで同じじゃありませんでした
どれだけ時が経とうと、けして変わらなかった夏の景色が変わっていたから…



―――
どうも僕です(⌒〜⌒)

今回は、あるマイミクさんの要望により
ある話の違う物語を書かせていただきました

いつもお世話になってるので恩返しという感じですね(^_^)
気に入っていただけると嬉しいのですが…

好き好きが分かれてしまうでしょうが
こんな世界観を楽しんで頂ければと思います(^^)

次回も読んで頂ければ幸いです(^_^)v
―――
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