mixiユーザー(id:29835385)

2016年02月15日17:02

228 view

計画を死守する

介護殺人、加害者の7割が男性
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3851004

殺人に至らなくても「虐待」レベルまでを対象とすれば、さらに増えると思います。
この記事にもあるとおり、男性が介護を行おうとするときには、綿密な「計画」を作り上げてから介護をしようとする傾向が強くあります。
これらは、それまで「仕事」においてそうした行動を求められ続けてきた影響だと思われます。
もちろん、介護保険施設においてもきちんとした「計画」を立てて介護を行うのですが、これらの計画は実施した結果を各スタッフが再検討して、計画内容を修正して行きます。
確かに、誰にとっても一日24時間は平等なので、使える時間には限りがあります。
その範囲内で介護を行おうとすれば、それなりの事前計画が必要になります。
しかし、家庭内介護の場合、「計画」を「金科玉条」のごとく守ることに必死になっている姿が見られます。
例えば、

11:30 昼食準備開始
11:50 昼食盛りつけ終了
11:55 被介護者を食卓へ誘導
12:00 昼食開始(食事介助)
12:30 昼食終了
12:45 食器洗い終了
12:55 被介護者をトイレ誘導
13:00 排泄終了 自室へ誘導

綿密な計画ですが、この一部でも計画時間に狂いが生じると項目を変えずにその時間だけを取り戻そうと焦った介護になってしまうのです。
家事を永く行ってきた女性の場合は、家事が時間通り、決められた手順通りに進まないことは承知しているので、時間通り進まなければどこを切り離すかということを無意識的に調整しています。
「決められたことを決められた通りに行う」ことがビジネス社会の基本になるのでどうしても一度決めたことは守られなければならない、という思い込みが強くなります。
結果的に、決められた手順を妨害した「被介護者」に責任転嫁することで「計画の正当性」を守ろうするのです。
施設においても、そうした行動に出るスタッフが虐待行動に走ってしまうことがあります。
でも、誰のための計画なのか、ということを冷静に考えれば、守るべきは「計画」や「手順」ではないないことに気がつくはずなのですが、それが出来ないのも男性介護者の特徴です。
つまり、決められた手順を守り、成果を上げなければ、自分のやっていること(介護)の評価が低くなる、と思い込んでしまうのです。
中には、計画を作成すること、そのための道具を揃えることにばかり一生懸命になってしまうこともあります。
夫が妻を介護している場合、介護が大変だから何とか施設に入れて欲しいと言ってくるケースがあります。
その訴えにしたがって、妻を入所させると、それまで献身的に介護してきた夫が何もやる気をなくしてしまうことがあります。
夫にとって大変な介護でしたが、介護をしなければならない妻の存在が夫の生きがいになっていることがあるのです。

女性の場合は、本能的に周囲と協調して生活して行こうという傾向がありますから、困ったことが起こればすぐに周囲に相談するという行動に出ます。
男性の場合は、それが「私に任された仕事」と思い込み、他者に協力を求めることは「敗北」だと思ってしまうのです。
結果として、何とかやり遂げようと空回りしているケースが多く見られます。
ただ、女性であっても孤立して、支援のないところに追い詰められてしまうと、こうした男性と同じ道を辿ることもあるので、単純に「男だから」で分類することも危険であると思います。
1 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する