ハンブルクバレエ2016来日公演について（8） ダンサー紹介 最終回

かなり間があいてしまいましたハンブルクバレエのダンサー紹介、最終回です。ここまでプリンシパル編、日本人ダンサー編としてきましたが、今回はその他のダンサー編。私の独断と偏見で、今このバレエ団で観るべきダンサーをご紹介します。

【リリオムで活躍しそうなダンサー達】

◆Sasha Riva サーシャ・リヴァ
バレエ団の公式ページ http://www.hamburgballett.de/e/bio/riva.htm

今回の来日公演の初日を飾る「リリオム」。その中にバルーンマンという役が出てきますが、その初演はまだコールドの彼。リリオムを初めて観たとき、そのルルベのキープ力に驚かされたものです。今回のリリオムの日本公演でも3回のうちおそらく2回以上は彼がバルーンマンを演じるのではないでしょうか。
長身で優しい顔立ちのダンサー。コンテンポラリーが得意で若いのに個性ある踊りをします。また、振付も得意の様子。私は彼の作品を生で見たことはないのですが、時々SNSなどにあがっている作品を観るとそちらの才能も豊なんだなということが分かります。

◆Aleix Martínez アレシュ・マルティネズ
バレエ団の公式ページ http://www.hamburgballett.de/e/bio/martinez.htm

2008年のローザンヌ国際バレエコンクールのゴールドメダリスト（余談ですがこの年高田茜さんも出てらしたんですね）。今はハンブルクバレエのソリストです。彼はローザンヌの後あまり背が伸びなかったようなのですが、あの確かなテクニックは更に磨きがかかっているのでは。バレエ団のレパートリーではテクニックが必要な役によく起用されています。リリオムではJulieの子供のルイスを初演。日本公演でもコジョカルの子供役として見られるようです。

【真夏の夜の夢で活躍しそうなダンサー達】

◆Karen Azatyan カレン・アザチャン
バレエ団の公式ページ http://www.hamburgballett.de/e/bio/azatyan.htm

先シーズンの2014年にミュンヘンバレエからソリストとして移籍してきたカレンは、ややエキゾチックだけど甘いマスクと完璧なテクニックを備えたとても魅力的なダンサー。本拠地ハンブルクではNDTに移籍してしまったティアゴ・ボアディンのパートを継いでいることが多いです。先シーズン、ほとんどすべてが初役という環境でたくさんの大役をこなしていて、その能力に驚嘆いたしました。彼は演技も上手だし色気もあるし、きっと素晴らしいノイマイヤーダンサーになってくれるのでは、と個人的にとても期待しています。真夏の夜の夢では、サーシャ・リアブコとのダブルキャストでコミカルなデミトリアスを演じる予定。楽しみです。

◆Christopher Evans クリストファー・エヴァンス
バレエ団の公式ページ http://www.hamburgballett.de/e/bio/evans.htm

今シーズン昇格したばかりの若きソリスト。全体的に身長が低いハンブルクバレエの男性ダンサーの中で、すらりと背が高く手足の長い彼はコールドの中にいても目をひく存在です。クラシックのテクニックに長けていて、Giselleでアルブレヒトに抜擢されるなど若手のなかでも目覚ましい活躍っぷり。今回の真夏ではライサンダーを演じます。

【番外編】

◆Emilie Mazon エミリー・マゾン
バレエ団の公式ページ http://www.hamburgballett.de/e/bio/mazon.htm

13年にバレエ学校を卒業してバレエ団に入学したばかり、20才をちょっと過ぎたばかりのコールドのダンサーですが、舞台に上がった時の存在感はピカイチ。テクニックもきちんとしているのですが、役が憑依しているのではないかと思うような演技力、ノイマイヤーダンサーの素質十分です。それもそのはず、彼女はあのジジ・ハイアットのお嬢様。二世としてジョンからもファンからも注目されてバレエ団の中でもいろいろと難しい軋轢とかがあるでしょうが、途中で折れずに育ってほしいな。今回全幕ものでは大きな役を演じることはないと思いますが、ガラではくるみにキャスティングされていますね。彼女はファニーフェイスでルックスもマリーにぴったり、楽しみです。


以上、独断と偏見でハンブルクバレエのダンサーさんをご紹介してまいりました。いよいよ来日公演も近づいてきましたが、もし時間があれば今度はノイマイヤー作品の魅力について書いてみたいと思っています。