2016/2/11 木祝 新国立劇場オペラパレス
◆Men Y Men
音楽： セルゲイ・ラフマニノフ
編曲： ギャヴィン・サザーランド
振付： ウエイン・イーグリング
マイレン・トレウバエフ、貝川鐵夫、福田圭吾、
輪島拓也、小口邦明、小柴富久修、原 健太、
�盒彊豕院�渡部義紀
◆ラ・シルフィード
音楽： ヘルマン・ルーヴェンシュキョル
振付： オーギュスト・ブルノンヴィル
演出： 大原永子
シルフィード： 小野絢子
ジェームス： 福岡雄大
グァーン： 木下嘉人
エフィ： 堀口 純
マッジ： 本島美和
指揮：ギャヴィン・サザーランド
管弦楽：東京交響楽団
新国のダブル・ビル、最終日に行って参りました。最近は新国にもたくさんファンの方がついていらして、キャスト違いで観に行かれている方もお見受けします。最近バレエ公演の客入りについては思うところが多いのですが、安定的に客数を動員するためには個々のダンサーにファンがつくことが大切なのかも、と思ったり。そうすれば演目を多少冒険しても、「私の●●さんが出るなら観る！」というケースが増えるよなあ。
そういう私はここのところいろいろ物入りだったので1日だけですが、今回もまた新国の公演のレベルの高さには感心させられました。
最初の作品、Men Y Men はウェイン・イーグリングの作品。初めて観ますが、男性の群舞で振付もなかなか私の好みな感じでした。短い作品だったけど、組体操的な要素も多くてみんな全力だったでしょうね。生身の上半身をさらしての男性群舞、セカンドキャストでこれだけやれるのは今の日本のバレエ団では新国だけかな。（最近は観てないけどKもできるかも？） そりゃ、欲を言えばきりがありませんが、男子が弱い日本のバレエ団、親心としてどうしても応援の目で見たくなります。トロイゲームよりはこっちの方が好み。こういうの、踊り込むとまた違う味が出てくるはずですけど、公演回数が少ないからそこまでいかずに終わっちゃいますね。もったいないなあ。
名前は分からないのですが、背が小さいけど可愛い顔をしたダンサーさんが、重心低く粘っこく、しかもキレある踊りで気に入りました。最初の方でマイレンと組んでた方です。どなたか、わかる方がいらしたらぜひ、教えてください。
＊追記：私が気に入ったダンサーさん、渡部義紀さんという方だと教えていただきました♪教えてくださった皆さん、どうもありがとうございました。
さて、メインディッシュのラ・シルフィード。ブルノンヴィル版だけあって振付は古いなぁと感じるところも多いしストーリーも他愛ないのですが、こんな作品も新国のダンサーさん達が踊ると途端に面白くなる！
とにかく小野絢子さんのシルフィードが愛らしい。彼女のシルフィードは、少女のような純粋さでジェームズに透き通るような恋心を持っている、何か人間とは異なる精神構造を持った本当の妖精さんに見えました。エフィとの結婚を邪魔するときも怨念や嫉妬心が全くないし、ジェームズにつかまって死んでいくときも悲惨じゃない。お茶目でちょっといたずらっ子で、ふるふるしながらステージを舞ってる姿を観てその愛らしさに思わず抱きしめたくなりました。あの難度の高い振付をこなしながら苦労を全く感じさせずに、そんなことを思わせてくれるとは・・・。さすが絢子ちゃん、もう脱帽です。
ジェームズ役の福岡くん。この方は本当に最近、真ん中にふさわしいオーラとテクニックがあるなと思わせてくれます。ジャンプが軽くて高くて気持ちいい。難しいブルノンヴィルの振付を美しくこなしていく姿、小野シルフィードに相応しいジェームズでした。（まあ、きっとバレエファンの中には、あれはブルノンヴィルじゃないと言われる方もいらっしゃると思いますが、普段からこの手のものを得意としているバレエ団じゃないですし。）
あと、印象的だったのが本島さんのマッジ。この人ってこんなに演技上手だったんだ、と役者としての才能にびっくり。最近は全幕バレエの主役を演じられる機会も少ないですけど、この方はステージ上での存在感がとても大きい貴重な存在、今後も彼女ならではの役を演じていってほしいな、と切に思いました。本島さんはファンも多いのですね。この日のカーテンコールの拍手は主役の小野＆福岡ペアに匹敵する大きさでした。
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