1980年、私は高校2年生で柔道部をやめて音楽にのめりこんでいた頃
立川の楽器屋で週遅れで150円で音楽雑誌「プレイヤー」を買っていた。
この雑誌では毎年12月頃に読者投票による年間ランキングが発表されるのだが、この年のランキングで目を見張る意外な出来事があった。
それは国内ベストアルバム部門で松田聖子のアルバム「SQUALL」がこの時期ブレイクしてたYMOや高中正義、RCサクセションなどのアルバムとともにランクイン
そして松田聖子も国内女性ボーカリスト部門でカルメンマキ、金子マリ、八神純子、松任谷由実などに混じってランクインしたのだ。
この年は松田聖子が「青い珊瑚礁」でブレイクした頃で歌番組で涙を流さないで泣いて「ぶりっ子」と呼ばれてた時代
この現象は当の「プレイヤー」の読者にも理解できない人が多かったようで、翌月号には何で松田聖子なんて入るのか?という怒りをあらわにした投稿もあった。
これに対し「このギター、テメエが弾けるものなら弾いてみろ!」という反論の投稿があった。
その曲がこれ
アルバムタイトル曲の「SQUALL」
https://www.youtube.com/watch?v=BJfNxxJ2VfM
このちょっと前までハードロック一辺倒だったアマチュアギタリストの嗜好は、多様化しラリーカールトン、リーリトナー、高中正義、渡辺香津美といったフュージョン系のギタリストにうつっていき、スタジオミュージシャンに注目が向けられた時期でもあった。
ベンチャーズのエレキブームの時代以来、女の子にもてたくてギターをはじめる男の子は多くいたが、松田聖子の曲をやることで女の子と一緒にバンドができて近づけるようになった。
当時の女の子はぶりっ子と呼ばれた聖子をバカにしながらも聖子ちゃんカットにしてて、バンドに誘うとイヤがりながらもライブ当日にはフリフリの衣装で出てきたものだった。
そんな印象的なギターを弾いていたのが
松原正樹氏
https://www.youtube.com/watch?v=JgTqeCdknFg
言っちゃ悪いが(そう言いながら)
ラリーカールトン、リーリトナー、TOTOのスティーブルカサーといった人気ギタリストが(当時は)イケメンであったのに対し
松原氏や今剛といった方々は(失礼ながら)当時からオッサンであったわけで
でもそんなオッサンが松田聖子のような女の子の横でギターを弾いているのがサイコーにカッコよく見えたのであった。
この方の日本の音楽業界の貢献度はハンパじゃなく高いのだ
その影響力は私達が35年たった現在でも当時の音楽を演奏している事実を見ても伺える。
時代は流れ80年代終わりから90年代、2000年代にかけて打ち込み主流となり音楽がつまらなくなってしまったが、そんな中で一流のミュージシャンを集めかっこいい音楽をやり続けてくれた
https://www.youtube.com/watch?v=aCUjR41_E0k
その超然とした姿勢と活動にどれだけ励まされたことか?!
今も音楽をやり続けていけたのはこの方達のおかげだと思ってる。
2月8日未明に亡くなったとのこと・・・
謹んでご冥福をお祈りいたします。
追悼セッションをやるつもりです。
決まり次第告知しますので、多くの方のご参加お願い申し上げます。
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