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2016年02月09日18:51

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フジ土曜深夜「武道館」

「武道館」
土曜23:40 - 翌0:05(25分)
2016年2月6日 -(8回)
原作:朝井リョウ 脚本:和田清人
出演者:Juice=Juice
演出:佐藤源太、淵上真人
フジテレビ、共同テレビジョン、スカパー!
http://www.fujitv.co.jp/budokan/index.html
http://www.bs-sptv.com/budokan/

よくあるアイドル物か、疑似ドキュメンタリーかと思って、あまり期待しないで、録画を1.5倍速で見てみたら、予想外に面白かったです。

派手なステージと地味な日常生活の対比が、わりとチープな演出で撮影されているところも、妙にリアリティがあって、引き込まれました。ドラマだから、それなりにデフォルメされているのですが、この手のドラマにありがちな安易なデフォルメに走らず、リアリティーをきっちり担保しようとしていたように思います。

見終わってから調べたら、原作は「桐島……」の朝井リョウ。ちょっと前に、加藤シゲアキと対談しているのを読んだばっかりですが、その加藤シゲアキの「傘を持たない蟻たち」の後継ドラマが朝井リョウなのは偶然……?

脚本の和田清人は、2012年にテレ東深夜でやっていた「撮らないで下さい!! グラビアアイドル裏物語」で脚本チームの1人だった人ですが、あのドラマは、嘘くさい疑似ドキュメンタリーの典型みたいな作品だったので、このドラマに関しては、脚本家よりも原作者に着目した方がよさそうです。

(酒井順子の書評)
http://hon.bunshun.jp/articles/-/3595

原作は、アイドル業界の細部を、外側にいる部外者の視点から、違和感を抱きながら観察している小説のようです。

ところで、第1話で特に感心したのが、恋愛禁止の掟を破ったアイドルの謝罪動画のシーンです。

この動画を見た芸能事務所のチーフマネージャー(木下ほうか)が、カメラ割りに着目して、「土下座したところでカメラが切り替わるということは、あらかじめ土下座することがわかってて撮影している。恋愛発覚は本当かもしれないが、この映像は計算だ」と指摘・分析していました。

カメラ割りを見るというのは映像分析の基本中の基本といえるセオリーです。ボクも去年、法政大学で稲増龍夫教授のゲスト講師をした時に、「テラスハウス」の話題を出して、これとまったく同じ話をしました。「パンツが見える、といった瞬間にパンツが見えるアングルにカメラが切り替わるのは、ちゃんと台本があるからだ」と。(笑)

しかし、ドラマに限らず、テレビや雑誌やネット上で、映像分析の話を目にすることはほとんどありません。こういう分析法が世に知れ渡ると、世間に氾濫している疑似ドキュメンタリー(およびバラエティーのVTR)の大半に、台本があることが一目瞭然になってしまうからかもしれません。

唯一の例外と思われるのが、昨年放映された「山田孝之の東京都北区赤羽」で、映像分析の視点で見ても、台本があるようには見えないカメラ割りになっていました。もちろん、実際には台本があるわけですが、素人騙しの疑似ドキュメンタリーとは一線を画していたと言えます。ただ、このドラマについて、それを指定した人をボクは見たことがありません。

こうしてみると、前述の木下ほうかのセリフは、疑似ドキュメンタリーに対する宣戦布告のようにも思えます。疑似ドキュメンタリーの嘘くささに対して、このドラマでは、フィクションだからこそ描けるリアリティーを追及する――というような。

まあ、まだ第1話なんで、この先どうなるのかは、よくわからないんですけどね。
ちなみに、スカパーでは、地上波バージョンには出てこない映像・シーンを加えたロング・バージョンが放送されるみたいですが、そういうところはアコギですね〜。

そういえば、このドラマにも吉沢亮が出てきた。最近よく見かけるけど売れっ子なの?
今回は(フジでは?)悪人じゃないみたい。

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