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2016年02月09日14:33

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人間だけ?

死んでから生まれ変わるまでの期間は平均4年5カ月 「生まれ変わり」の可能性
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=140&from=diary&id=3842500

そう「信じたい」という背景には、死後に対する不安感があるのだと思います。
人間の「脳」が処理できないものが「永遠」と「無限」という概念です。
脳自体が有限であるため、それを超える存在を正確には認識出来ないと言われています。
死によってアイデンティティーが「無」になることの意味が理解出来ないため、脳はそのことを考えようとすると不安定になります。
そのため、脳が納得するものを与えることで「仮の納得」をさせ、脳の動きを安定させようとします。
かつては、それが宗教の役割でもありました。

ところが近代に入って「科学」的な考え方が中心的になるにしたがい、それまでの宗教的な考え方を「非科学的」として排斥するようになりました。
それを取り除いた後に残ったものは、脳が処理できない概念でした。
現代人の漠然とした不安感の背景にそうしたものがあるように感じます。

そこで「非科学的」であっても死後への継続性を求めようとしたのがここにある輪廻転生としての考え方です。
ただ、輪廻転生を考える場合、二つの問題点があります。
一つは、輪廻転生によって「生まれ変わり」が行われるのだとすれば、現在存在している人たちはすべて「過去の人」だということになります。
つまり、今を生きている私たちのアイデンティティーが否定され、独自性というものが失われることになります。
すべては、過去からのコピーである、と。
しかも、そのコピー元はどこまで遡るのか、という問題にもつながります。
人間が現在のような文明の基礎を作ったのは約1万年ほど遡ると言われています。
それ以前になると、類人猿から猿人の時代へつながって行きます。
「生まれ変わり」の元はどこまで遡るのでしょう?

もう一つは、これらにも関連することです。
生まれ変わりの「元」が人類の始祖、さらに原始ほ乳類にまで遡ることになれば、なぜ、転生が人間だけに限られなければならないのか、という問題に及ぶのです。
人間と他の生物の間に境界線を引いて、垣根を設けることの方が不自然になります。
もし、輪廻転生ということが起こるのだとすれば、それは地球上のすべて生命との間で相互に起こるものと考えないと矛盾してしまします。
生まれ変わる先が昆虫や魚、あるいは微生物かもしれません。
逆に、昆虫や魚類、微生物が人間に転生するかもしれないのです。

人間だけが転生するという考え方は、人間を特別な生物と位置づけてしまい、自身を見失ってしまう危険があります。
人間は確かに特異な「文明」という社会構造を造り出しましたが、それもわずか1万年も遡れば、他の生物と大差のない生命体になるのです。
しかも、複雑な社会を作りだしたのはたかだか、直近数百年のことに過ぎません。

生命は生まれてから数時間で死ぬものもあれば、樹木のように数百年、数千年も生きるものまで様々です。
最近では自然死という概念のない生命体も見つかっています。
「人間だけ」に限らない広い視野で地球上の生物を見る「目」が必要なのだと思います。
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