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2016年02月08日13:05

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僕が裁判に出るようになった経緯の話をしようか。

とりあえず、よく分からない人も多いだろうから。

なんで僕が刑事裁判に証人出廷する事になったのかを話そうか。

-------------------- 馴れ初めから --------------------

今の住まいに引っ越しをしたのが三年と少々前の話。

その隣に住んでいたのが、現在被告人である元隣人であります。

御年62歳(当時)の小柄で腰の低い人畜無害そうなお爺さんでありました。

このお爺さんとの馴れ初めは、僕が引っ越してきた当初から、ベランダで洗濯や掃除等の家事をしている時に、お爺さんも家事をしていて、よく顔を合わせることが多くなり、挨拶もする様になってきた事からでした。

僕が住んでいるマンションは大きな病院の真裏で、外部から人は入って来れない場所にあるため、近所の野良猫達にとっては絶好の安全地帯であり、憩いの場でもあります。

沢山の野良猫がこのマンションのベランダ近辺を通りがかり、遊びに来たりもしましたが、そのうちの一匹の黒猫が僕やお爺さんに懐き始めました。

これが現在僕の部屋に出入りをするクロの母猫でありました。

その内、クロの母親もいつの間にか来なくなり、クロと仲間たちがよく遊びに来て、お爺さんも僕も一緒になって可愛がったものであります。

そんな緩い交流から、お爺さんとも親しくなり、お爺さんを部屋に呼んだりとかもしていました。

そうして一年がいつの間にか過ぎ去って行きました。

-------------------- そして事件前日の話 --------------------

そして平成26年1月6日の午後1時頃、PCの前でマーケット情報を見ていたら、部屋の呼び鈴が鳴りました。

出て見たら、ドアの前にお爺さんが立っていました。

その日のお爺さんは、いつもの様子とは違って目に光が無く、そして少し赤ら顔でありました。

お爺さんが言うには「去年の年末から今日まで、殆ど食事はせず酒ばかり飲んでいました」との事。

ビックリしたけど、何の用事か気になったので要件を聴いたところ「とりあえず部屋に入れてくれ」と言って来た。

「こっちは仕事中なんだが....」と思ったが、さして忙しい訳でも無かったので部屋に上げてからお爺さんは初めて要件を言って来た。

「新しい仕事を始めたいのだが、手伝ってくれないか?」という要件だった。

こっちはトレードが仕事なんで、それをないがしろに出来ないので、それは難しいと言ったのだけど、お爺さんは半分聞いちゃいない調子で「実は仕事を欲しがっている便利屋と、便利屋の仕事を求めているお客さんを繋げるサイトを作ってくれないか?」という内容を話し出した。

それは技術的に出来ない訳じゃない、しかし費用と時間はかかる、何故費用が掛かるのかを説明したところ、やはり60過ぎの普通の人なのでITの知識がある訳でも無く、理解がイマイチ出来ていない様だった。

そしてお爺さんは、相変わらず僕の意向を半ば置き去りにする感じでこうも言った「便利屋の仕事は違法と合法すれすれのグレーな部分もあるので、後ろ盾にヤクザも居てくれてる」と言ったもんだ。

その「ヤクザ」と言う言葉が出てきた時点で、僕の心は一瞬で決まりました。

幼少のころから「ヤクザ者なんて一切付き合っちゃいけないし、近づいちゃダメだよ!」と言われて育った僕の事、正直ヤクザ者なんか関わり合いたいとも思いません。

だからキッパリ「申し訳ないけど、僕はヤクザ大嫌いだし一切関わり合いになりたくないので、この話はお断りします」と言ったんだ。

お爺さんは素直に「分かりました」と言う訳も無く、酒の勢いも有るのか「じゃぁヤクザが絡まない方向であれこれ検討してみる」と言ったけど、仕事の話を言ってきてる割には、あんまり綿密にビジネスを考えている風には見えなかった。

既に僕の内心は「断る」という事で固まって居たのだけど、お爺さんは酒の勢いも手伝って、僕の意向を考える訳でも無く、あれこれまくし立てて来ているが、そこは邪険にしても角が立つので「とりあえず気持ちよく喋りたいだけ喋ってもらおう」と思ったから、後半は半分聞き流して居ました。

少し喋り疲れたお爺さんは、急に神妙な顔つきになり、僕にこう言って来た。

・「実は私前科がありまして、以前お酒を飲んでデリバリーヘルスの女性を刺して殺してしまったんです」と言って来た。

目の前に小柄なお爺さんが、酒を飲んでいるとはいえ冗談を言ってる訳じゃない事は僕にも分かった。

・「それにしても酒を飲んで以前殺人をしてしまった人が、酒飲んで俺のところに来るのかよ」とも思ったんだが....

その時の僕は自然に恐怖心など無くこう言った。

・「それはそれとして、罪は償って服役もして来たんだから良いじゃないですか、僕がそれを聞いても、僕の態度は変わりませんから心配しないで下さい」

お爺さんはより一層神妙な表情になり、同時に感極まったような泣き出しそうな顔になって、僕にこう言って来た。

・「私は馬鹿な事をしましたが、XXさんには正直でいたいから、腹を割ってこの事を話しました、そして自分なりに真面目に今後生きて行こうと思います」と

ビックリした僕の表情を見て、お爺さんは「XXXX 殺人」のキーワードで検索してください。

と言って来た、正直「なんだかややこしい話になってきたな」と思いつつもお爺さんの言うキーワードで検索をしてみると、僕の目の前にいる人物と同じ名前の人が酒に酔ってデリバリーヘルスの女性を殺した事件の検索結果が沢山出てきた。

当時の被害者の年齢は20代前半だった様だ、若いのに可愛そうなもんです。

自分の腹に溜まっていたモノを吐き出した事と、喋り疲れたせいでお爺さんは少しウトウトし出した。

もう話し出して2時間くらい経っている、貴重な仕事時間の事もあるので、そろそろ退出して貰おうと思って「XXさん一旦部屋に帰って休んだらどうですか?」と言ったらお爺さんは素直に帰って行った。

帰り際にお爺さんは僕に「また細かい事が決まったら来ますから」と言って出て行ったのが午後四時前。

ようやくお爺さんに帰って貰って、ホッとするやらビックリするやらだったけど、気持ちを切り替えてチャートを見てあれこれ考える作業に戻って行った。

-------------------- そして事件直後 --------------------

欧州時間のユーロ円取引でノルマを達成した僕は、気楽な気分で相変わらずチャートを見ていたのだけど、気づけば午前零時を回っていた。

不意に近くで女性の叫び声がした!

「何事だろうか?」と思いドアスコープを覗いたら、小柄な女性が腹を抑え小走りにマンションの出口に向かって走って行ってる、そして女性の走って行った後には赤い筋が........

その時僕は瞬時に、前日の昼間に言われていた隣のお爺さんの前科の話と、目の前を走り去って行った女性の姿が繋がりました。

・「とにかく命にかかわる事だから、一秒でも早く救護措置をしなくちゃ!」

と思いドアを開けて外に出ると、そこにはおびただしい血痕が.....そしてお爺さんの部屋の方を見てみるとドアが開きっぱなしになり、お爺さんがへたり込んで居て、放心状態になっていた。

とにかくお爺さんは放っておいて被害者の女性が万が一死ぬような事が有っては行けないので、マンションの前に出てみると、車の後部座席で横たわる女性と、女性を心配するデリバリーヘルスの運転手の姿が有った。

・「なにか僕に出来ることは無いですか?」

と運転手に聞くと、運転手は女性に話しかけ、そして女性が「水が欲しい...」と言って来た。

幸いウチには大量のミネラルウォーターのストックが有ったので、僕は一旦部屋に帰りミネラルウォーターの500mペットボトルを数本と止血用にと思いタオルを運転手に渡した。

ほどなく警察と消防がほぼ同時に来て、運転手が事情の説明をし、女性が救急車で搬送されていった。

僕は警察官に、前日の昼間に有った事、そして事件直後に自分が目撃したことを話した。

-------------------- 事件後の話 --------------------

「まさか!」とは思ったけど、僕が一瞬で達観した通り、隣のお爺さんが加害者であった事は分かった。

それにしても事件前日に僕の部屋に来て、自分の前科を晒し「これからは真面目にやって行きたいんです」と言ったお爺さんのあの言葉はなんだったんだろうと思うと何だか泣けてきた....

そして以前に酒に酔って刺殺されてしまった20代前半の女性は浮かばれないなと思いました。

数日間の間、我がマンションのいたるところに非常線のテープが張られ、警察官が交代で二十四時間警戒に当たっていた。

その警察か達の姿が見えなくなった頃、地元の警察署から刑事が2日連続で事情聴取にやってきた。

刑事は事件の事に関しては、守秘義務もあり語ってはくれないが、その他の事は答えてくれたので、事件直後は大阪府警本部にお爺さんが拘留されている事を教えてくれた。

お爺さんは身寄りが無い人なのだけど、今後この部屋に帰って来ることはまずない事は確かだった、そして残された家財道具の処分等も困る事だろうと思ったので、事件から数日たった日に大阪府警本部に行きお爺さんと面会した。

家財道具の処分等に関しては、僕に委任する事、そして僕に迷惑が掛かった事を詫びるお爺さんの表情は、憔悴しきった表情だった。

僕はお爺さんの罪を裁く立場ではないので偉そうな事は言いたくなかったが、二度も酒を飲んだうえで大罪を犯したお爺さには。

・「もうお酒は一生辞めて下さい」と言って大阪府警本部を後にした。

そしてその次の日、お爺さんの国選弁護人が来て事件の事を聞かせてくれと言って来た、僕は事件前後に有った事、自分が見た現場の事を2時間程度話をした。

刑事や弁護士が我が家に来て、そして泣く子も黙る大阪府警本部に言って容疑者(当時)となった元隣人に面会。

本当に目まぐるしかった様に感じました。

弁護士が来てたか数日後にまた連絡があり「事件の特性上あなたには証人出廷が求められる可能性が高いです」との事だった。

当時は「法的に義務が無いので嫌だったら断れば良い」と思って居たけど、なにせ殺人未遂事件だ、僕が出廷拒否することによって、まかり間違って証拠の立証が出来なくなり、元隣人の罪が変に軽くなってしまってもいけないと長い時間考えたうえで自分の中の答えが決まって来た。

-------------------- そして裁判へ --------------------

そして裁判は中々行われる様な事も無く、平成26年の月日は終わり、平成27年の6月半ばに大阪地検から連絡が有り。

元隣人の事件に関して事情聴取を行いたいと言って来た。

正直気が重いし面倒くさくも有るが、肚は決めた以上仕方ないと思い、検察庁に行き、自分が見聞きした状況を話して来た。

そしてその時の検事も「検察としても証人出廷をお願いする可能性は非常に高いです」と言っていた、また後日の書面の連絡でもその旨が書かれており、裁判官も話を聞きたいと言ってきてる事が書かれていた。

その後は音沙汰もなく、トレード漬けの平成27年も過ぎ去り、今年平成28年の年明けに検察庁から、再度裁判に協力して欲しいとの要請が有り、計4回ほど検察庁に出向いた。

なんだかんだトレードの合間に検察庁に行く1月も終わり、そして2月5日ついに証人出廷した事はこの前のUPに書いたけど、本当に疲れました。

今月の25日には判決が出るけど、どんな風になるのかは個人的に興味深いです。

長々となりましたが、思い起こすだけでも疲れました(笑)

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