【独立リーグ】　ＮＰＢ復帰最有力候補だ！　マエストリ投手！

　前オリックスのアレッサンドロ・マエストリ投手が、ＢＣリーグ群馬に入団する見通しであることが分かりました。同じくオリックスから群馬に復帰するカラバイヨ選手を介して、話がまとまったそうです。
　……いや、驚きました。鬼のように補強してきますね群馬は。同じＢＣ東地区の武蔵ファンのワイ涙目。カラバイヨにドッカンバッカンと放り込まれ、マエストリにキリキリ舞いさせられる未来しか見えない……。

　マエストリ投手は30歳。イタリア生まれイタリア育ちの、生粋のイタリア人です。イタリア国内リーグ・米国マイナーリーグ・米国独立リーグ等を経て、2012年に四国アイランドリーグ香川に入団しました。

【2012年・四国リーグ成績】
30試合登板（47回2/3）２勝０敗12セーブ※　防御率1.32　　※年間セーブ王

　この好成績により、シーズン途中にオリックスに移籍。イタリア人ＮＰＢプレーヤーは、彼が初めてになります。（ただしイタリア系アメリカ人プレーヤー等は、前例がある。）
　オリックスには、2012年途中から2015年まで三年半の間、在籍。特に、オリックスがリーグ二位に躍進した2014年には、ロングリリーフ中心に36試合（50回1/3）に登板して３勝１Ｈ、防御率1.97と活躍しました。

【2015年・ＮＰＢ一軍記録】
28試合出場（42回1/3）０勝２敗１Ｓ１Ｈ　防御率3.19

【2012〜2015年・ＮＰＢ一軍通算記録】
96試合出場（217回2/3）14勝11敗１Ｓ２Ｈ　防御率3.43

　国内独立リーグ出身投手で、ＮＰＢ一軍通算14勝は、多田野数人（通算18勝）・又吉克樹（通算15勝・前四国ＩＬ香川）に次ぐ歴代３位の成績。多田野数人は2006年に20日間だけ、四国ＩＬ徳島にスポット参戦した投手ですから、実質的には歴代２位と言えるでしょう。
　中継ぎ中心の起用なのにホールドやセーブが少ないのは、先発が崩れた試合等でのロングリリーフが多いからです。通算で96試合の登板に比して、投球回数は倍を優に越える217回2/3。序盤から劣勢の展開でも、マエストリがイニングを喰っている間に打線が追いつく。これが2014年のオリックスの強さの一端でもありました。
　又、北米・中南米・極東等に比べて、野球の歴史が浅い欧州にあって、マエストリは貴重な人材です。その為、国際大会の出場歴が非常に豊かな選手でもあります。第１回から第３回までのＷＢＣ（2006・2009・2013年）の全てにイタリア代表で出場し、2015年のプレミア12でもイタリア代表のエースでした。又、2015年３月の「侍ジャパンvs欧州選抜」では、欧州代表の一員として登板しています。

　実績も経験も十分で、しかも30歳とまだまだ若いマエストリ投手。ＢＣリーグや四国アイランドリーグには、ＮＰＢ復帰を目指す、元ＮＰＢ選手が多数在籍していますが、マエストリ投手こそがＮＰＢ復帰の最有力候補だと、私は見ます。
　春季キャンプたけなわの現在、ＮＰＢ各球団首脳陣は先発ローテーション・中継ぎ・抑えの構想を描いている筈です。しかし、その構想通りに秋まで突っ走れる球団が幾つあるか。中継ぎ陣が崩壊する球団もあるでしょうし、先発や抑えの構想が崩れ、そちらに中継ぎ投手を回した結果として、中継ぎが手薄になる球団も出て来る筈です。
　そうした苦しい状態に陥った球団の目の前で、実績・経験を兼ね備え、イニング跨ぎもローテ谷間の先発も行けるマエストリ投手が、スイスイと投げていたら、どんなものでしょう。まさに、馬の鼻先にニンジンをぶら下げるようなものです。今更、テストや視察をしなくても、彼がＮＰＢ一軍で通用する実力を有することは、分かっています。国内独立リーグで投げているのだから、調子を確認するのも、呼び寄せるのも簡単。緊急補強にはもってこいでしょう。唯一の問題は外国人枠ですが、例えば先発ローテに外国人投手が入っている球団ならば、その投手の先発試合が終わってすぐに二軍に落とし、代わりにマエストリを一軍に上げる、という作業の繰り返しで凌げます。実際、2015年のオリックスにはバリントン、ディクソンと二人の外国人先発投手が居たので、マエストリは一軍と二軍との往復を繰り返し、二軍でも20試合に登板していました。メジャー出身の投手の中には、こうした起用法を嫌う選手もいますが、国内独立リーグ出身の選手は（独立リーグに比べれば遥かに待遇が良いので）、文句一つ言わずに従ってくれます。
　ですから、マエストリ投手に関しては今更、球速アップだの新変化球を覚えるだのと頑張らなくとも、例年の調子を維持しているだけで、ＮＰＢから声が掛かる可能性が十分にあると私は思います。と言うか、お願いですから前期だけ群馬で投げて、一刻も早くＮＰＢに戻って下さい。他の各球団が群馬の引き立て役になっちゃいますから〜（泣）。