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2016年01月31日17:22

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払えるならば払えばいいんじゃないかな

■コストコが全国一律時給1200円以上でアルバイトを募集する理由
(THE PAGE - 01月31日 13:11)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=3829662くt

時給というものは全国津々浦々でかなり格差があるものだということを最近知った。

いま在席している会社では、各地の拠点でパート社員を雇っているのだが、各地の最低賃金+αという考え方で適用賃金を設定して、人員の募集を行なう。最低賃金が時給700円前後なんて地域は珍しくない。東京都は900円ちょっとだったと記憶しているが、最近は景気が良いので、そんな条件ではなかなか人が集まらないと聞いた。

一方、前に勤めていた銀行などの給与体系は全国共通である。同じ職系で雇用されたら、東京だろうが福岡だろうが、他の条件が同じであれば同じ給料になる。福岡なんかだと、地元企業とは相当に給与格差が生じるので、メガバンクに勤務する奥さんの給与の方が、地元の企業や地公体に勤務する旦那の給与よりも高くなるなんて現象は珍しくなかった。そうなると、社員はできるだけ長く勤めようとするので、ベテラン社員に長期間働いてもらいたいと考える企業にとっては決して悪い話ではない。

コストコも地元の相対的に資質の高い人材を集めて、長期間働かせようという方針なのであれば、全国同一賃金というのは効果的なのかも知れない。先ほども書いたように、地方に行けば、最低賃金が700円前後なんて場所が少なくない中で、時給1,200円からスタートなんて、夢のような好条件に違いない。

然しながら、ディスカウントストアであるコストコがこれだけ賃金が払えるというのは一体どういうことなのだろうか。

高効率なオペレーションを徹底的に推進することで、高水準の従業員1人当たりの売上高・利益額を確保することで、高い労働分配率を実現できるような仕組みになっているのだろうか。

だとすれば、1店舗あたりの従業員数もさほど多いものではないので、好条件につられて多数の応募者が殺到したとすると、採用されるにはかなりの高倍率の選考を勝ち残る必要があるのだろう。

そうなると、コストコは各地域のパート勤務希望者のうちの優秀な層を集めることが可能になるのだろうが、他の事業者は「コストコの選考に落ちた層」しか雇えないことになるか、それが嫌ならば、コストコ並みの好条件を提示しなければならなくなるが、そんなことが可能な事業者は相当に限定されるであろう。そもそも労働人口が少ない地域だと、従業員が確保できず、商売を継続できない事業者も出てくるかも知れない。

政府は、「同一労働同一賃金」と言ってみたり、「現在、全国平均798円のところを1000円にすることを目指す目標を掲げて」いるようであるが、営利企業である以上、利益を確保できることを前提にしつつ、人件費に回せる金額は、個々の会社の懐具合によって大差があるのは当然である。それに対して、「企業努力が足らないからだ」とか「本来、従業員に配分すべきものまで、社内留保として蓄えているのはケシカラン」とか言っても、何の解決にもならない。それぞれの会社の事情や経営判断が優先されるのである。

従業員への労働分配率は低く抑えて、できるだけ社内留保を高めたい、あるいは経営者の個人的な蓄財を優先したい企業もあるだろうし、それは当該企業の「勝手」である。その結果、必要な従業員を確保できず、正常な営業活動が停滞したとしても、それも当該企業の自己責任である。

コストコだって、お客さんが集まらないような地方の不採算な店舗はさっさとスクラップ・アンド・ビルドするのだろうから、好条件で雇われたローカル・スタッフだって安閑とはしていられない。外資系だけに撤退するとなれば逃げ足は速いであろう。

労働市場は各地域の労働者の需給環境に任せるべきであり、その中で個々の企業がどのようにして人集めをするかは、個々の企業の経営判断による。政府が個々の企業の財布の中身の使い方にまで口出しするのは、「大きなお世話」と言うべきであろう。

景気が良くなって、労働市場の需給環境が逼迫すれば、黙っていても経営者は賃金を上げてでも従業員を確保しようと奔走する。したがって政府が考えるのは、景気を良くすることであり、日本という国におカネが(ついでに言えば、人や物も)集まる仕組みを考えることである。

賃金が上がるから景気が良くなるのではない。発想が逆である。
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