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2016年01月30日10:07

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フリーランチはないということ

失われる「安かろう悪かろう」「安物買いの銭失い」の精神
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=125&from=diary&id=3827311

ファイナンスの世界では、「フリーランチはない」という格言がよく使われる。「この世の中にタダのものはない」という意味であり、「ウマい話には理由がある」「タダほど高いものはない」ということにもつながる。

軽井沢でバス転落事故を起こした運航会社は、国の基準を下回る料金で業務を請け負っていたというし、廃棄物処理業者による廃棄食材の横流し事件では、カレーチェーン「CoCo壱番屋」で360円で販売されていたビーフカツが、最終的にスーパーでは80円で売られていた。どちらの話も、冷静に考えてみれば、「何かカラクリがあるんじゃないのか」「「世の中、そんなオイシイ話がそうそう転がっているはずがない」と思うのが普通であろう。

株式投資なども同様である。「ヴァリュー投資」と称して、実力に比して株価が割安な会社の株式を購入して中長期的に保有することでキャピタル・ゲインを得る投資法がある。ヴァリュー投資の入門書も数多く出版されている。有名な投資家ウォーレン・バフェットが得意とする投資法でもある。だが、これも「言うは易く行うは難し」で、素人がそんなことに手を出すとヒドい目に遭うことになる。

株式市場ではプロの投資家が毎日しのぎを削っている。割安な株式は買われることで株価が上がり、割高な株式は売られることで株価が下がり、最終的には落ち着くべきところに落ち着くような仕組みになっている。素人が見つけられるようなウマい話などそうそう転がってはいない。もしそんな話があったとしても、素人が手を出すよりもずっと前に、プロが気づいて、売買が行なわれて、相応の価格に落ち着いてしまっているだろう。素人が気がつくような「割安」は本当の意味の「割安」ではなくて、実は何か深い理由があって一見「割安」に見えるだけで、たとえば不良資産があるとか、新規事業がうまく行っていないとか、プロにしか感知できないような真相が隠されていると考えるべきであろう。

不動産投資も同じである。株式投資と違って、不動産の売買にはインサイダー取引規制もないし、同じ不動産は二つと存在しない。素人には窺い知れないようなインサイダー情報を持っているプロが手を出さないような物件に素人が手を出したら火傷を負うのは自明であろう。

うまい投資話のセールスだって、世知辛い今の世の中に、そんなオイシイ話をわざわざ他人に教えてくれるような親切な人が大勢いるわけないことに気づけば、大抵の場合は騙されずに済む。早い話、セールスする側にメリットがあるから、他人に勧めるのである。銀行や保険会社、証券会社の店頭で売っているような投資信託や保険商品、電話でセールスしてくる怪しい投資案件に飛びつく奴は馬鹿だと思う。元銀行員が言うのだから間違いない。

僕は、「100円ローソン」とか「100円均一ショップ」も嫌いである。安いのには何か理由がある。「お値打ち品」がそうそう簡単に転がっているわけがない。他人が勧めてくる「おいしい話」については、まずは疑ってみる。「この話がこの値段でどうして成立するのだろうか」「そもそも彼は、どうして僕にこの話を勧めてくれるのだろうか」等々、落ち着いて考えてみる。そうしたら、大概は当方にとってではなくセールスする側にとって「おいしい話」であることがわかる。

別に難しい話でもなんでもない。「人を見たら泥棒と思え」とまで言うつもりはないが、「単純素朴な懐疑心」を持つことは、社会人として世の中を渡っていく上で不可欠だろう。「性善説」だけでは悪い奴に騙されるに決まっているのだ。
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