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2016年01月20日07:48

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転載】SSRIの副作用のまとめ 石原藤樹のブログ(元六号通り診療所所長のブログ)他






http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2009-06-13






SSRIは、「モノアミン仮説」に基づき、
三環系抗うつ剤の、
他の受容体を阻害する副作用を取り除き、
純粋に抗うつ作用のみに特化した薬として、
1980年代に開発され、
日本では1999年から一般の臨床で広く使われています。

SSRIは若干の付随的効果はあるとは言え、
基本的には脳の中のセロトニンのみを、
増やす仕組みの薬です。
その意味では極めてシンプルな効果の筈です。

ただ、問題はこのセロトニンには非常に複雑な作用があり、
多くの性質の異なる受容体があって、
どの受容体が刺激されるのかによって、
その作用も大きく異なるという事実です。
更には脳の複雑怪奇なネットワークシステムにおいては、
ある部分のセロトニンの濃度が高まり、
ある部分の神経回路が活性化されると、
それが別の神経回路に影響を与え、
結果的に予測とは異なる効果を生み出すようなことも、
往々にして起こるのです。

開発当初から一部で危惧されていたのは、
セロトニンの1Aという受容体が刺激されると、
鎮静作用と抗うつ作用が生じるけれども、
同じセロトニンの2Aという受容体が刺激されると、
逆に衝動性や興奮が生じるという事実です。
興奮というのは一種の覚醒作用です。
要するにセロトニンは抗うつ作用と覚醒作用を、
同時にもたらす可能性がある訳です。

たとえば別にうつ病ではない人がSSRIを飲むと、
特別興奮を示すことはなく、
眠気やだるさを感じることが殆どです。
つまり、通常の脳のバランスにおいては、
SSRIはセロトニンの1Aの作用を優位に発現するのでは、
という考えが成り立つ訳です。
また、うつ病の患者さんでは、
抑制的な傾向が強く、脳の中のセロトニンは、
全体に低下していることが想定されるので、
若干2Aが刺激されても、
大きな問題にはならないのではないか、
と考えられたのです。

抗うつ剤のもう1つの問題点は、
効果発現のタイムラグです。
これは基本的には、
「モノアミン仮説」による「仮説」に過ぎないのですが、
SSRIの効果が安定的に発現するのには、
通常2週間以上の時間が掛かると推測されるのです。
それは一種の脳内の調整期間と考えられます。
しかし、セロトニンの脳内の濃度自体は、
薬の内服初回から上昇します。
SSRIの飲み始めにイライラが生じる患者さんのいることは、
発売当初から分かってはいて、
その原因はこの一時的不安定さにあるのでは、
と考えられていました。
そのために飲み始めは少量から開始して、
慎重に様子を診ることと、
状況によって安定剤を併用してイライラを抑えることが、
処方上の注意事項として語られてはいました。

また、SSRIは時にアカシジアのような、
錐体外路症状を起こすことも知られています。
SSRIは大脳前頭葉の、
ドーパミンの濃度を高めるというデータがあり、
これはセロトニンの1Aや3の受容体を介する作用と言われています。
その一方で、セロトニンの神経の元締めである縫線核という場所で、
セロトニン神経が刺激されると、
その信号は線状体という場所の、
ドーパミン神経を抑制するとの報告もあります。
要するにセロトニンが上昇すると、
脳のある場所のドーパミンは増えるけれど、
他の場所のドーパミンは逆に減る、
という複雑怪奇なことが起こる訳です。
そして、この一部でのドーパミンの減少が、
脳のバランスを崩し、アカシジアの原因となるのでは、
と推測されるのです。

こう考えてみると、
セロトニンが脳の中で増えることが、
必ずしも脳全体のバランスを良くするとは限らない、
ということが分かります。
アカシジアや賦活効果のリスクを考えれば、
そう簡単にほいほいと処方してよいタイプの薬ではありません。


SSRIを使用すれば、
脳内のセロトニン濃度は急速に上昇します。
これが三環系抗うつ剤であれば、
多くの他の脳内受容体を遮断する作用を併せ持っているため、
セロトニンの効果がマスクされ、
使用した本人にとっては不快ではあっても、
それほど急激な変化は起こらないのですが、
SSRIの場合は、セロトニンが上昇するという劇的な変化が、
そのまま脳の変化に直結されるのです。

従って、その人にとって、脳内のセロトニンが総和として上昇することが、
本当にメリットのあるものであるかどうかを、
慎重に見極める必要があるのです。

最近の脳科学の進歩において、
SSRIの画期的な作用が次々と明らかにされつつあります。
現状では主にネズミの実験ですが、
SSRIを投与することにより、
神経の再生に関わる脳由来神経栄養因子は増加し、
海馬での神経細胞の再生と新たなネットワークの形成が、
促進されることが確認されています。
クリアにこんな結果の出る薬は、
抗うつ剤以外にはありません。
要するにSSRIには間違いなく、
脳を再生させる働きがあるのです。
こんな素晴らしい薬を、
闇に葬っては絶対にいけません。

問題はまだ脳はブラックボックスの部分が多い、
ということです。


本来はもっと脳の機能が明らかになってから、
適切な予備検査の元に、
脳内のセロトニンを増やす必要性を判断し、
それに応じてこうした薬は投与されるべきです。
僕達はまだそのためのツールを手にしてはいないのです。
ですから、現時点では、
ほぼ間違いなく必要性がありそうだ、
と判断出来る事例にのみ、
SSRIは使われるべき薬なのだと僕は思います。

しかし、現実はそれとは別の方向に進みます。

発売最初の数年で、危惧された副作用は、
それほど問題にはならず、さほど報告もされませんでした。
むしろ、三環系抗うつ剤よりずっと安全な薬として、
うつを疑ったら、気軽に処方すべき薬、
のようなニュアンスで、
専門の医者もやや軽率な発言を繰り返し、
それに則って、製薬会社は大々的に宣伝を繰り広げました。
そのターゲットは主に僕のような末端の医者です。
取り敢えず簡単な質問表を患者さんに渡し、
何項目か当て嵌まったら、
うつの可能性ありと判断して、
まずは「副作用の少ない」SSRIを出して様子を診なさい、
というようなパンフレットが山のように配られ、
ある種の洗脳が行なわれます。
そしてそれを信じた素直な医者は、
SSRIを第一選択をとして処方したのです。

更にはうつ病以外にもSSRIは効果がある、
という研究結果が相次いで発表されます。
僕の手元の2006年の論文では、
SSRIが効果のある疾患として、
うつ病以外に、強迫性障害、パニック障害、社会不安障害、
過食症、月経前症候群、慢性疲労症候群などが書かれ、
有効性が示唆される疾患としては、
更に、発達障害、行為障害、多量飲酒、境界性パーソナリティ障害、
自傷行為や自殺衝動の抑制まで記述されています。
この文献は日本のうつ病診療において、
指導的立場にある施設の専門医の手で書かれたものです。
その同じ施設の先生が、
今抗うつ剤の適正使用のガイドラインの作成に当たり、
マスメディアでは、SSRIをアルコール依存症やパーソナリティ障害、
行為障害の患者さんには使ってはいけない、
と啓蒙されているのです。
何と言うか、ここまで来ると、
何か壮大なギャグのようで、
不謹慎ですが、笑ってしまいます。
この辺りに、僕は日本の医療の一番の問題点が、
存在するような気がしてなりません。

SSRIは非常に有用性の高い優れた薬です。
しかし、この薬を充分に使いこなすには、
まだ僕達には脳に対する知識が不足しているのです。
おそらくはパーソナリティ障害に対しても、
自傷行為に対しても、自殺衝動や他害衝動に対しても、
ある前提が満たされれば、
SSRIは効果があるのです。
しかし、現時点ではこうした病状に対して、
闇雲に使うにはリスクがあり過ぎるのも事実であるのです。
これが現状での僕のSSRIに対する認識です。


・・・・転載ここまで。




へー

『SSRIの画期的な作用が次々と明らかにされつつあります。
現状では主にネズミの実験ですが、
SSRIを投与することにより、
神経の再生に関わる脳由来神経栄養因子は増加し、
海馬での神経細胞の再生と新たなネットワークの形成が、
促進されることが確認されています。
クリアにこんな結果の出る薬は、
抗うつ剤以外にはありません。
要するにSSRIには間違いなく、
脳を再生させる働きがあるのです。
こんな素晴らしい薬を、
闇に葬っては絶対にいけません。』

これはどうなんだろうな。


石原さんは、素晴らしいと結論づけてるけど、こういう意見もあるわ。

http://u-drill.jp/cgi-bin/unagi_bbs/test/read.cgi?bbs=bbs&key=1150540510

今回の研究結果は、SSRI抗うつ薬の働きに関するパズルの新たな1ピースとなると思われるが、これで完全に答えが出でたわけではない。「ニューロンの増加と、うつ症状の軽減の間に何が起こっているのかは、まだわかっていない」という。


・・・

あと、自分で使ったことないのでわからないけど、SSRIとかって効いてくるまでにタイムラグがあるみたいだから、そこで長期使用の落とし穴みたいなのがあるんじゃないのかな。


こっちは根本治療になると書ききってるページ↓
SSRIやSNRIなどの抗うつ薬は、根本治療になり得るのか?〜脳由来神経栄養因子BDNFという鍵 - お薬Q&A 〜Fizz Drug Information〜 http://blog.livedoor.jp/fizz_di/archives/1039051406.html


こういうのは引き際がわからないから私は一番危険だと思う。
まー医者がしっかりしてりゃいいけど、どうも石原先生のブログ読んでるとそういう業界じゃなさそうだし。








今どんな感じなんですかね2013年→ SSRIの長期投与が新たなうつ病を招くのか - 場末P科病院の精神科医のblog http://blog.livedoor.jp/beziehungswahn/archives/25117153.html









メモ程度 禁煙にもSSRI・アメリカで実際に起きていた恐ろしい副作用 - NAVER まとめ http://matome.naver.jp/odai/2142110350208507701

まぁ、確かに うつは心の風邪とか言って、簡単に通院を進めるキャンペーンはあったよな。
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