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2016年01月11日20:34

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新国立劇場バレエ ニューイヤー・バレエ

2016/1/10日 14:00- 新国立劇場

指揮:ポール・マーフィー
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

◆セレナーデ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:ジョージ・バランシン
細田千晶、本島美和、寺田亜沙子、菅野英男

◆フォリア
音楽:アルカンジェロ・コレッリ
振付:貝川鐵夫
丸尾孝子、玉井るい、益田裕子、輪島拓也、池田武志、中島駿野

◆パリの炎 パ・ド・ドゥ
音楽:ボリス・アサフィエフ
振付:ワシリー・ワイノーネン
奥田花純、福田圭吾

◆海賊 パ・ド・ドゥ
音楽:リッカルド・ドリーゴ
振付:マリウス・プティパ
長田佳世、奥村康祐

◆タランテラ
音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク
振付:ジョージ・バランシン
小野絢子、福岡雄大

◆ライモンダ より第3幕
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
振付:マリウス・プティパ
演出・改訂振付:牧 阿佐美
装置・衣裳:ルイザ・スピナテッリ
米沢 唯、井澤 駿


新国立劇場の新年ガラ公演、2回限りの公演の楽の方に行って参りました。楽しかった!

オープニングはセレナーデ。私、この作品新国立劇場バレエで観るのは初めて、なのかしら。新国のバランシンはいつ見てもハイレベルだなと思いますが、この作品もその例にもれず。幕が開いてシンプルだけど美しい衣装に身を包んだ女性ダンサー達がふわりと動き出す瞬間から、ため息が出るほどでした。ここのバランシンのよさは、その美しさと繊細さ。ダンサーがみなすらりとして手足を持つ美しい体型であることは勿論なのですが、クラシックのテクニックがきちんとしていて、そして動きが音に合っていてとても繊細。おそらく、本場のNYCBとは一味違うと思うのですがおそらくこのバレエ団にしか表現できない独特なバランシンだと思います。こういうの、海外公演とかで違う国のお客さんに見せてきてほしいわと真剣に思うのですが。ダンサーは皆素晴らしかったのですが、細田さんのみずみずしい美しさはひと際目立っておりました。

休憩をはさんで、ダンサーの一人貝川さんの振付けたフォリア。これ、いいなあ!はっきりしたストーリーはないけど男女のドラマ性を感じさせる。6人で踊るけど、ユニゾンになりきらない感じがいいし、照明などの演出も印象的。舞踊言語はナチョ・ドゥアトのそれにも似ていて、動きの面白さがある。特に男性の振付が男らしくてセクシーな感じもあってよいなと思いました。貝川さんには、男性群舞とか男パドドゥとかがたくさんある作品を、今後もどしどし作っていただきたいです!

続いてはパリの炎。これは、バレエフェスとかで超スーパーな人達のをたくさん観てしまったからなあ、と自分で自制を利かせつつ拝見いたしました。奥田さんと福田くん、二人ともテクニックはこの作品を踊るには十分で流石だな、と。ただ二人が緊張しているのが、こちらにも伝わってきてしまって。これって振りを踊るだけじゃなくて、本人が自身もって堂々と楽しみながらやらないと、こっちも盛り上がらない作品なのね、と改めて。2日間同じキャストだったら、2日目はそのあたりがよくなっただろうけど、いろいろなダンサーにチャンスを与えたかったのでしょうね。

続く海賊のパドドゥは素晴らしかったです。長田さん、美しくて優雅でメドーラにぴったり。しかも舞台度胸があって堂々としてました。それに引っ張られるように奥村君も堂々と美しいアリを披露。最後の盛り上がりのシーンでは、二人ともとっても楽しんでいるなというのがこちらにも伝わってきて観客も大興奮!ところで、今回プログラムを無料で配布していただきとても感謝しているのですが、海賊のパドドゥのところが「メドーラとコンラッドのパドドゥ」となってましたぞ。途中で変更になったのか、制作側のミスなのか??

そして、絢子ちゃんと福岡君のタランテラ!これは単に振りをこなすだけではなく、コミカルな味も出さなければならないという超難しい作品。絢子ちゃんのコミカルな演技がすっごくキュートでハートを打ち抜かれました♪福岡君も元気いっぱい。しっかし、この二人も、何とかモノにした、という感じ。この作品、すっごい難しいんですね・・・。カーテンコールの絢子ちゃん、今まで見たことないようなテレの入った、でも弾けるような笑顔でした。まあ、二人がとっても楽しそうだったから、いいか!

そして再びの休憩をはさんで、今度はライモンダの3幕をまるっと。美術も衣装もすっごい豪華で新年のガラの締めくくりにふさわしかった。唯ちゃんは堂々たる姫っぷり。透明で硬質でとても高貴な姫でした。唯ちゃん、本当に真ん中に立つのにふさわしいオーラをはなっていますね。そして期待の若手、井澤王子は手足がすらりと長く美しい顔を持った、日本人ばなれした素敵な王子でした。この調子ですくすく伸びてほしいです。

25分の長めの休憩を2回挟んで3時間程度、新国立劇場が総力を挙げて取り組んでくれた素晴らしく充実した公演でした。くるみのときほどではなかったけど、着飾った親子連れやご夫婦もいらして、年中行事としていらしたお客様も多そう。バレエファンの裾野を広げるためにはとてもいい公演だと思います。チケットも完売のようでしたし、来年もさらに充実した内容で、できれば3回公演くらいで企画していただきたいです!
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